庚申塔と イケメンの明王たち | 風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

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~作品展 ものつくりをする仲間達 ギャラリー ショップ~
  大好きなもの 日頃の様子を気ままにご紹介します。

我が家の周りには 古くからの道祖神や馬頭観音などの石仏が点在しています。

やはり江戸時代以前から 農村地帯で 民間信仰が盛んな地域だったんでしょうね。

 

久しぶりに近所の八坂神社に行ったのは 社殿の横に祀られているこの方に会いに行くためでした。

元禄8年(1695年)に建立された庚申塔の青面金剛立像(しょうめんこんごうぞう)です。

 

 

 

摩耗していて元のお姿はどながかかわかりませんが 手前には座った姿の小さな石仏。

 

 

 

こちらが 青面金剛立像が彫られた庚申塔。

 

 

 

庚申信仰は 人間の体内にいる三尸虫(さんしちゅう)という虫が 庚申の日の夜に 帝釈天のや寿命を司る神に 人間の悪事を言いつけに行き 早死にさせようとすると言われているため 庚申の日の夜には 青面金剛などを祀り 夜通し眠らず宴会をしながら 三尸虫が出かけるのを阻止するという風習から始まりました。

庚申塔には街道沿いに置かれることが多かったため 道標を彫り付けられたものがあったり 

村や部落の境目に置かれたものは 村内に邪悪なものが侵入しないように 塞神(さいのかみ)の役割も果たしていたと言われています。 

 

 

庚申の《申》は干支の猿に例えられることから 庚申塔には《見ざる 言わざる 聞かざる》の三猿と 村の名前を彫られたものが多く見られます。

 

八坂神社の庚申塔の下部にも 正面に見ざる 左側に言わざる 右側に聞かざるが彫られています。

 

 

 

 

 

一緒に彫られた文字は 判読できないものが多くて 残念ですが・・・

 

 

 

 

塔の上部には 庚申の本尊とされる青面金剛(しょうめんこんごう)

(神道では猿田彦神が語られることも在るそうです)

青面金剛は 青面金剛明王とも呼ばれる 夜叉神で 三眼の憤怒相。

手には 三叉戟(さんさげき)(三又になった矛のような法具)(向かって右上) 棒(左下) 法輪(左上) 羂索(綱)(右下)を持っています。

 

 

 

足元には 踏みつけられた邪鬼

 

 

 

 

ちなみに こちらの庚申塔は 近所の徳延神社内にある元禄年間に作られたもの

 

 

 

 

 

 

 

徳延神社の三猿は 3体が一緒に彫られています。

 

 

 

若い頃は 優しいまなざしの観音様が好きで よく各地のお寺に会いに行きましたが 最近は何故だか きりっとしたお顔の明王たちや 民間信仰の素朴な石仏に心惹かれています。

 

ちなみに 土屋の妙圓寺さんに祀られている三体のお不動明王も 迫力があって とてもかっこい方々ですよ。