左義長準備 | 風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

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~作品展 ものつくりをする仲間達 ギャラリー ショップ~
  大好きなもの 日頃の様子を気ままにご紹介します。

大磯では 毎年1月14日に 国の重要無形文化財にもなっている左義長が開催されます。

一時は後継者不足で 開催を終了する話も持ち上がっっていましたが 保存に向けた活動が起こり 漸く継続の目途が付き始めた時 コロナ禍で中止 今年3年ぶりに開催されることになりました。

 

 

 

左義長は 1日限りの行事ではありません。

開催の1か月前から行事が始まります。

今年も開催が決まると 12月11日に左義長の始まりを伝える《一番息子》が行われたそうです。

一番息子は 子供たちが家々をめぐり 玄関先で縄を巻き付けた石(セエノカミサン(道祖神)の祠に置かれている中が窪んだ石)を地面に打ち付け 家内安全 商売繁盛を願います。

この時もらったお賽銭で 子供たちは風邪をひかないようにと 豆腐を買って食べ 厄除招福も願います。

左義長を中心に行うのは 海辺の漁師さんたちが多く住んでいる地域なので 国道1号線より山側の実家がある地域では 左義長当日にお団子を焼きに行くだけだったので 私はリアルタイムでこういう行事を見たことは無いのが残念です。

 

 

1月7日には 子供が正月飾りを集めて回り 8日は 木造の組み立て式のセエノカミサンのお仮屋が作られ 子供がこもり 大人は 7か所ある御仮屋をお参りします。

この時のお賽銭は 子供のお小遣いになるとのこと。

お仮屋 七か所参りというこの行事は 現在は 11日~13日に行われるそうです。

こちらは以前撮った画像ですが 実家近くの長者町のお仮屋です

 

 

 

左義長は 夜の海で開催。

オバサンには寒すぎて当日は行けそうもないので 一足先に準備の様子を見たくて 一回りしてきました。

 

 

こちらは 北下町の道祖神社

 

 

 

 

作業の邪魔をしてはいけないので 中で参拝はしませんでしたが 以前お参りした時の画像でご紹介。

道祖神邪は 交差する2本の松の木の下の鳥居をくぐってお参りする小さな神社です。

 

 

 

 

境内にある石碑には 《文化11年(1814年) 戌 九月吉日》の江戸時代の年号や 山平兵衛 安倍川八兵衛 野本金右エ門 本田甚七 辻弥兵衛 高橋甚など 江戸時代に奉納した人の名前がずら~~り!!

この地区は 2人目に彫られている安倍川姓が今でも多く住んでいます。

 

 

 

 

 

トタン張りの簡素なお社ですが 屋根飾りの彫り物は立派です。

 

 

 

道祖神社から 住宅街の中の道を平塚方面に向かった突き当りは 日枝神社。

実家から一番近い神社で 子供の頃 境内でよく遊んだ場所です。

 

 

 

 

ここでもすぐそばにある道祖神にお仮屋を建てる準備の真っ最中。

お疲れ様です。

 

 

 

お邪魔しないよう 日枝神社も以前行った時の画像でご紹介しますね。

境内入り口には大きなイチョウの木。

 

 

 

夏になると 広げた枝葉が心地よい日陰を作ってくれます。

 

 

 

境内の片隅に並んだ庚申塔は 元禄十六年(1703年)五月吉日に祀られたのもの。

この年の12月には《元禄関東大地震》と呼ばれる 大正期の関東大震災と同タイプの大きな地震があった年。

2度の大きな地震に遭遇しながらも 300年以上経つ現在も残っているのはありがたいことですね。

 

 

 

 

 

 

 

狛犬さんは 新しく作り変えられていますが 社殿は彫刻が立派な建物です。

 

 

 

 

 

 

 

日枝神社のすぐ裏にある道祖神でも お仮屋作りの準備中。

 

 

 

 

準備が終われば こんな光景が見られますよ~~

 

 

 

 

14日は 北浜海岸で 午後6時半から9つのサイトに火がつけられます

画像は6年前に行った時のものです

 

 

 

 

 

 

サイトの炎が一番高い所のオンベ竹に届くと オンベ網が外され 恵方の方位(今年は南南東)に倒されます。

その頃になると ふんどし姿の若い衆が伊勢音頭(左義長音頭)を唄いながら 悪霊や疫病神を押し込めて 藁縄で編まれた仮屋を乗せたヤンナゴッコと呼ばれるソリ型の台を海に引き入れ 陸側と海側で3回引き合った後 仮屋を踏みつぶし 疫病神を退治します。

ちなみに 海側の若い衆は 魚と呼ばれ 豊漁を願うため 必ず陸側が勝つそうです。

そして サイトで燃えたお正月の門松の燃えカスを持ち帰り 屋根に乗せておくと火災除けにいなるとも言い伝えられています。

 

辺りが暗くて 映りが悪いですが こちらも6年前の綱引きの様子です。

 

 

 

 

3年ぶりに開催する左義長で 長引くコロナ禍も不況も厄も払って 穏やかな日常が戻りますように。