昭和8年の新聞 その4 地方版 と 雛御殿が繋ぐ縁 | 風遊花(ふうか)~古布とうさぎとお雛様~

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~作品展 ものつくりをする仲間達 ギャラリー ショップ~
  大好きなもの 日頃の様子を気ままにご紹介します。

今の時代 新聞の最後のページはテレビやラジオの番組表ですが 昭和8年の新聞の最終ページは 地方版。

 

 

 

この新聞は埼玉地区の新聞でした。

 

 

 

・・・という事は 新聞に包まれていたの雛御殿は 埼玉地区に生まれた女の子のものだったんですね。

 

 

 

見出しの横には 青年団便り

各地区の青年団の活動内容や研修の案内をしています。

 

 

 

連載中の生糸座談会の記事。

養蚕業と言うと 去年の秋に見に行った 群馬県にある 世界遺産の富岡製糸所(リンクあり)が思い浮かびますが 埼玉でも養蚕が盛んだったんですね

調べてみると 埼玉では 平安後期から養蚕業が盛んだったようで 明治時代には 熊谷製糸所 片倉石綿製糸所 国立原蚕種製造所

上田蚕糸専門学校などが作られています。

 

 

 

兵隊さん関連の記事

 

 

 

一番大きく取り上げられていた事件

寺男って初めて聞いた言葉ですが お寺の雑役を仕事にしていた人だそうです。

 

 

 

 

埼玉地区の三面

 

           

 

 

 

 

 

 

女箱師は 女スリの事。

 

 

 

2月28日 埼玉地区の天気予報

 

 

 

季節柄 桜の開花予報も掲載されていました。

やっぱりいつの時代も 春が近づくと 桜の開花が気になったんですね。

今年は 間もなく都内の桜が開花するようですが 前年 昭和7年の満開は4月14日。

昭和8年の予想は 前年より1週間程度遅れる予想。

今より1か月近く遅かったんですね。

 

 

 

紙面の一番下の求人案内と 広告。

おまわりさんや軍関係の求人が目に付きました

 

 

肩こり リウマチ 神経痛 打撲 頭痛 歯痛 吹き出物 虫刺され かぶれ しもやけ 火傷と 不思議と何にでも効く(にひひはてなマーク)万能塗り薬 キングヒート

 

 

 

セイコー金銭登録機 今の時代のレジスターですね。

価格は ¥58より

オプションで クイン(コイン)自動分類器 ¥6より も販売中。

この広告が他と違っていたのは この時代 横書きの文字は 右から書き始めるのがほとんどですが この広告は左から。

多分最新の機械に合わせ 西洋風の書き方をしたのでしょうね。

 

 

 

こちらは 去年下田で 明治20年創業の老舗酒屋 土藤商店内に展示されていたレジスターです。

計算機代わりに上部に算盤が付けられている珍しい物。

この広告のセイコー製のレジスターより 古いものでしょうね。

 

 

 

 

 

雛御殿の箱から出てきた1枚の古新聞から たくさんの事を知り 楽しませていただきました。

 

 

最後のおまけ

 

新聞が入っていたこの雛御殿の持ち主は 昭和8年が初節句という事なので 昭和7年生まれかと思います。

母より3歳年下で 今年88歳の米寿です。

 

 

 

大曾根要子さん 今年もお元気で お雛まつりを楽しまれましたかはてなマーク

先月の雛の筥展に 東京から初めていらしてくださったお客様が 展示してあった雛御殿やお道具の写真を 一緒に来たがっていたごお母様に見せられたそうです。

お母様も昭和初期の生まれの方で ご自分のお雛様は 全て処分されてしまったとのこと 写真をご覧になり とても懐かしんで喜んでくださったと聞きました。

あなたの大切なお雛様は 巡り巡って私の手元に届き 多くの方の目を楽しませてくれましたよ。

これから 毎年 たくさんの方にご覧いただきながら お雛祭りを楽しませていただきますね。

どこかでご縁がつながって 大曾根さんにも手放した雛御殿の晴れ舞台を見ていただけたら嬉しいな~~