最近新発売される一眼カメラはほとんどミラーレスになってるけど、それはミラーレス化によるカメラ業界全体の収益改善プロジェクトが成功し、人々が高価格のカメラやレンズを受け入れたから、メーカーも開発し易くなったってことに他ならない。
NikonやCanonといった一眼レフの大メーカーは滅多に出来ないマウント変更（レンズとカメラの接合方式）をミラーレス機の導入に際して行って、特に広角レンズによる四隅の描写性能が向上したから、「ミラーレス＝高性能」というイメージ戦略（飽くまでもイメージです）が功を奏して、カメラやレンズの価格帯を大幅に上昇させ、一昔前なら35万円くらいの高級機が、今や55万円とか60万円、レンズも倍くらいの価格になりましたからね。
一方で、マウント変更の恩恵をあまり受けない望遠レンズの方は開放F値が悪くなったのに値段は暴騰、ミラーレス専用レンズを買う必要性はほとんど無いといってもイイでしょう（後述`）。
実際のところはミラーレス機に替えても一般アマチュアが撮る限りそんなに変わりませんし、一般アマチュアが投稿するサイトで使用カメラを見てもいまだにレフ機が大勢ですし、しかもエントリー機種が大半を占めているってのが実情。そんなにカメラやレンズに予算を割けませんよねぇ💦。
レンズ選びの方がカメラ本体選びよりも重要だと以前言いましたが、そこでミラーレス時代の一般アマチュアのレンズ選びについて、おいらの見方は以下の通りです。
＜ミラーレス時代のレンズ選び＞
1.ミラーレスは風景・星空撮影・タイムラプス撮影、ポートレート撮影など動きの少ないモノに向いている。ミラーレスに競馬など動きモノは期待しない（レフ機を当面使い続ける）。
2.ミラーレスの強みは広角レンズにあるので、ミラーレス専用レンズは広角～標準まで
3.一眼レフのレンズの実売価格は低下したので、昔の高級レンズを入手するチャンス（特に中古）
4.そうしたミラーレス機の使い方に速いAFは必要はないから、マウント変換アダプターで他社やレフ機用レンズを流用することでコストパフォーマンスを上げる
以上のような考え方で、おいらはレンズを揃えて行ってます。
＜方法①：マウント・アダプターの利用 レフ機用レンズを活用＞
ミラーレスカメラにミラーレス用レンズを買ったのでは、お金が掛かって仕方ないけど、工夫次第で何とかなる。
例えば、Nikon純正で出しているレフ機用レンズをミラーレスに使用するアダプター、これを買えば価格のこなれたレフ機用レンズ（特に中古なら格安）が使える。FマウントレンズをZに変換するってことでＦtoZという型番。
これを使って、「神レンズ」として一世を風靡したAF-S NIKKOR 14-24mm f2.8G EDの中古を入手し、使ってます。高級レンズは比較的丁寧に扱われたケースも多いので、程度のいいモノがありますね。ちょっと前頃から最近まで、レフ機からミラーレスに替える向きが放出するモノがあるので、チャンスかもしれませんね。
新品だと¥247,470（税込）ですが、中古なら ￥106,800(税込) です。（前玉が出っ張ってる）出目金レンズなんで、フィルターは使えませんが、星景写真ではフィルターいらないでしょ。
まぁミラーレス用のNIKKOR Z 14-24mm F2.8 Sが新・神レンズですが新品で ￥298,980(税込) 。まぁ大して変わりませんよ（苦笑）。それにフィルターが使えるって言っても112mm径なんて一体いくらするんですか？ってことで、一般アマチュアが手を出すべきレンズではありません💦。
おいらはレフ機D810Aも持ってるんで、寧ろ、レフ機用レンズの方がZ5にも共用で使えるので便利ですし、30万円も出す気は起きません💦。
＜方法②：マウント・アダプターの利用 他社マウント向けレンズを活用＞
次は、ミラーレス用レンズなんだけど、他社マウント向けのレンズを使う方法。ミラーレスで先行しマウント情報を公開したソニーEマウント用のレンズはサードパーティー製のいいレンズが比較的安価で出ている。これをNikonのミラーレスカメラにも使うってのがコレ。ＥマウントをＺに使うってことでＥtoZという型番。このアダプターは中華製品なので、焦点工房さん経由で買った方が無難。
SIGMA Art 20mm F1.4 DG DN (ソニーE用/フルサイズ対応) 新品￥122,620(税込)
これは新・神レンズで、F1.4と明るいのに隅までバッチリ。フィルター径も82mmとまぁ普通の大き目フィルターが使えるので使い勝手がよい。α6400にはアダプターは要りませんが、APS-Cなので実質30ｍｍレンズの画角になってしまいますね。まぁそれでも使う場面はありますが。
つまり、こういうアダプターを使えば、レンズの選択肢が広がって、予算の効率的な配分が可能ってことです。
＜方法③：中華レンズを厳選して利用＞
最後はやや禁じ手っぽいのだが、中華レンズの活用。中華レンズはコピー商品だったりするからちょっとアレではあるし、どこかしらに欠点があるのが殆どだけど、中にはいい製品もある。但し、工作精度や検品が甘いから、焦点工房などの日本人が居る信頼できる代理店経由じゃないと、香港にいる中国人と英語で延々とやり取りしなきゃならないから、面倒くさい（経験あり）💦。因みに韓国製レンズで出来のいい個体は日本には入って来ず、半島へ行って買うしかないとか。知らんけど。
このレンズは銘匠光学 TTArtisan 11mm f/2.8 Fisheye （単焦点レンズ ミラーレス版）と言って、35,910円（税込）。 ソニーE用、 L（ライカ・パナソニック・シグマ） 用、 キヤノンRF 用、 ニコンZ 用の各種マウント用が出ている。おいらはニコンZ用を買った。
魚眼レンズは収差補正があまりイラナイので性能が出しやすいけど、光軸がちゃんと揃ってないと周辺がボケたりする。実際、おいらが買った個体もちょっと描写がオカシかったので、焦点工房さんで確認した貰ったところ状況確認され、在庫品の中から良好なものと交換となった。こういうトラブルって、中華製品には付き物なので注意。でも、このレンズ、この価格にして恐らく２～3倍の価格帯の性能は出ているから、お買い得。でも当たりはずれをちゃんとテストできる人向けってことで💦。
因みに中華レンズ・韓国レンズは中古を買ってはダメ、何故なら「ハズレ個体で、前オーナーが嫌になって手放した」可能性が高いからだ。逆に言えば、中華レンズ等はリセールバリューは無いから、あまり高いレンズ（5万円を超える）を買うのはちょっと控えた方が良い。
＜広角レンズの現有ラインナップ＞
❶AF-S NIKKOR 14-24mm f2.8G ED 中古
どんな構図か分からないとき。撮影場所に制約があるとき。D810A、+FTZでZ5で使用
❷SIGMA Art 20mm F1.4 DG DN (ソニーE用/フルサイズ対応) 新品
バッチリ決めたいとき。 α6400、+ETZ21でZ5で使用
❸銘匠光学 TTArtisan 11mm f/2.8 Fisheye 新品
天の川全体など、大きな構図で撮りたいとき。Z5で使用
以上だと、APS-C機のα6400で大きく撮りたい場合のレンズが無いので、タムロンの11-20mm/F2.8を狙ってるって訳💦。
<付録：望遠レンズの狙い目>
上の方でちょっと触れた望遠レンズの方は「ミラーレス専用レンズを買う必要性はほとんど無い」と言ったけど、それについてもオススメを挙げておこう。
＜①マウント・アダプターの利用 レフ機用レンズを活用＞
上記、FTZⅡを使うことを前提として、ニコンのレフ機用レンズで、比較的安価なのに写りが例外的に極めて良いレンズを2本紹介しよう。
❹Nikon AF-P NIKKOR 70-300mm F4.5-5.6E ED VR 新品￥84,071(税込) 中古 ￥68,800(税込)
このレンズはAFが速いのに、写りも極めてシャープなお買い得すぎるレンズ。なのに、お値段は手頃。中古の値落ちが少なく、まだ新品も売ってるから今のうちに新品を買っておこう。後悔はしない。安い理由は筐体がプラスチックで質量約680gの軽量設計ってことと、明るさがF4.5-5.6とちょっと暗め。逆に手振れ補正VRが付いていて、 主に超望遠レンズに採用している［SPORT］モードも採用し横方向の流し撮りにも対応した本格派で、フルサイズ対応。画質はワイド端は若干甘いが、勝負のテレ端はバッチリ。ハッキリ言って、お買い得すぎるレンズ。おいらも1本新品で買いました。
タムロンから、Nikonのミラーレスカメラ用のZレンズ TAMRON 70-300mm F4.5-6.3 DiIII RXD/Model A047Z （ニコンZ用） ￥69,990(税込) が数か月前に出たけど、例によってYouTuberさんたちは絶賛してたけど、コスパとか軽量とか、大概にしろっての💢。まず、ミラーレス化によって望遠端300mmでF6.3と暗くなった（上記オススメはF5.6と1段分明るい）、望遠レンズなのに手振れ補正が付いていないのは致命的、ライセンス料が乗っている（定価は 77,000円ソニー用、93,500円ニコン用）のか❓価格がそんなに安くない、の三重苦、買う要素は無い。一般にボディ内手振れ補正は効きが精々1.5段と悪く、300mmの望遠でVR無しではブレが量産されるので手持ちでは使用できず三脚必須、三脚込みなら総重量はとんでもなく重くなるこの軽量レンズの用途「何に使うの❓」がおいらには分からない。手振れ補正抜きにする理由は「画質劣化要因の補正レンズを排除」ってんだけど、画質も大差ないどころかニコン純正の方が若干良いくらい。 200mm-300mm域は画面中央部でもかなりソフトってのは厳しいし、そこを捨てる決心が出来るなら、Z 24-200を買っておけば足りる。例のYouTuberさんたちは卑怯だから、三脚固定で撮った写真比較した動画を上げますが、実際には手振れ量産なんですから、ハッキリ言って❹の圧勝です。
それと、似ている型番で、Nikon AF-P DX NIKKOR 70-300mm F4.5-6.3G ED VRってのがあるけど、Gタイプレンズは旧モデルでもうディスコン。中古で ￥27,800(税込) だけどAPS-C専用レンズだし、F値も暗いし、性能はわざわざ買う程ではないので、APS-C専用レンズとしてこれを買うのなら、次の❺を買った方がF値も明るいし、画角も使いやすく、VRⅡ型なんで良い。
❺Nikon AF-S DX NIKKOR 55-200mm F4-5.6G ED VR II 中古 ￥9,600(税込)
これもGタイプレンズは旧モデルでもうディスコンなんだけど、知る人ぞ知るレンズ。筐体がプラスチックで安っぽいのは否めないけど、お手軽・軽量・安価なのに何故か写りはいい、キットレンズだったんで初心者が手にしたんだろうけど恐らくその性能に気付かずに手放したであろう幻のAPS-C専用モデル（ニコンはキットレンズで手を抜きません）。フルサイズ換算で 82.5mm-300mmレンズの画角。携帯性のために沈胴機構（まず繰り出す準備が必要）が採用され、小型・軽量化を実現した携行性に優れ、4段分の手振れ補正があり、EDレンズの採用で 色収差の少ない高い光学性能。問題はコストダウンのためフードが付属して来ない点で、別売りです。ちなみにおいらはこの中古レンズを2本ストックしてます。重さは僅か 約300g で小さいので、念のため望遠レンズを・・・って時に、バッグの片隅に押し込みます。
下の動画は、 ミラーレスのZ50（APS-C機）にFTZマウントアダプターを介して装着して撮った方の例で、一般アマチュアならばこれで十分でしょ。
これに似たモデルで、AF-S DX VR Zoom-Nikkor 55-200mm F4-5.6G IF-ED 中古￥6,800(税込) ってのがあるんだけど、手振れ補正が3段分だし、レンズ枚数が2枚多い（枚数が増えると光の量が減る）し、画質もVRⅡより劣る。VRⅡが入手できないのならこれで仕方ないけど💦。
上記❹と❺両方買う必要は基本的にはありません（おいらは持ってるけど💦）。まぁ❹を買っておけばミラーレス専用の望遠レンズは不要だし、もしAPS-C機なら僅か1万円の❺を買っておけば当分困らない。慣れてくれば、❹にステップアップ（APS-C機に使用した場合、フルサイズ換算で 105mm-450mm）すればいいんだから。
信じるも信じないもアナタ次第です。