隙間ゾンビ
街中で隙間が輝いていた。
ものがピッチリ詰まっていると出し入れ面倒だし、建物がぴっちりくっついてたら震度がバリバリ伝わって大変だろう。
そんなときは、ほんの少しの隙間が必要なのである。
人間だって、バシバシ働き続けたら壊れてしまうから、適度な休息っていう隙間は必要でしょう。
そして隙間の働きはそれだけじゃない。
建物と建物の隙間や、棚や冷蔵庫なんかと壁の隙間、ベッドの下の隙間、あるいはほんの少し開いたクローゼ?の隙間など、押し縮められた空間って、たま~に“どこか”と繋がったりしますよね。
だからゾンビは、寝る前に電灯を消して、パソコンの画面の光だけの中、じっと押し入れの扉のほんの少し開いた隙間を見ていた。
徐々に暗闇に目が馴れてきて、押し入れの隙間がぼんやり見える。
じっと見つめる…。
じーーっと見つめる…。
ただ、じーーーっと見つめていた…。
あ、なんか…
出てきた…