ため息まみれのゾンビ
あまりに毎日がつまらなくて、ゾンビは今日もため息をついた。
何度も何度もため息をつきながら、しぶしぶ労働していた。
ゾンビのついたため息は、この世のすみっこにどんどんたまっていき、いつしか大きなため池ができた。
そしてため池には、いろいろな生き物たちが生息していた。
「げ~~こ~~~っ」とやる気なないため鳴きをするためカエルたち。
ぽか~んと大きく口を開けたまま、水面に顔を出しているため鯉たち。
足をだら~んと伸ばしたまま、甲羅干しするため亀たち。
その隣で、同じく手足をだら~んと伸ばして甲羅干しするため河童たち。
そして、餌の付いていない釣り糸を垂らしたたまま、鼻をほじっているため五郎たちである。
並んで釣り糸を垂らしていたため五郎たちが、いっせいにため息をついた。
ああゾンビのため池は、今日ものどかに廃退しているのだった。