亡くなった母が、私の振り袖を捨てたと言っていたが、
きっと田舎の蔵にあるに違いないと思っている
その田舎の家は父母が亡くなって、今では空き家になっている。
家財一式置いたままだというので、
振り袖を探しに行こうかと時々思うのだが、
なかなか蔵という所は怖いのだ
蔵の後ろはこんな山だから、さらに怖いのだ
小学生の時、何度かいたずらをして閉じ込められたが、
1階は米やら豆、石臼などが置いてあって暗かった。
2階には小さな窓があるので、急な階段を昇るのだが、
奥の方は暗くて恐ろしいモノがいるような気がして、
窓の近くに座り込んで泣いていた。
奥の方にはいくつもの長持ちがあって、
祖母の機織り機も見えていた。
その辺りには人間でないモノが潜んでいそうで怖かった。
また、蛇とか鼠とかも怖かった。
もっとも、夏越の祓の名残だろうか、夏に畳を全て上げて大掃除をする習慣があって、
家族総出で働いたので、お昼ご飯は蔵の扉を開け放ってそこでお昼をたべたものだった。
この蔵は、後年、母屋から離れた父の寝室を建てて、蔵とⅠ階を扉で出入りできるようにしていたが、蔵に入ってみることもなかった。
今でも一人で蔵の2階に上がるのは、やっぱり怖い
こちらは怖くない、我が家の今朝のベランダ