野菜の皿を毎食一皿付けるようにしているのだが、そしてできるだけ色数を増やそうと思っているが、

冷凍庫の野菜が乏しくなると、写真のように冷凍枝豆とかになってしまう。

昨日は、キュウリがあるつもりが無くて、トマトと茹でたキャベツだった。

 

キャベツの皿を眺めながら、昔お世話になった画家のOさんご夫婦のことを思い出した。

昭和34年に結婚されたご夫婦は、芸大は出たものの定職もなく毎日食べるものにも事欠いたそうだ。

それで、八百屋が捨てるキャペツの外の葉を貰ってきては炒めて食べたとか。

 

私が知り合った頃は東京郊外に大きなアトリエと住まいをお持ちだったが、駅から遠くとても不便な所だった。

学生結婚で夫が画家の卵だったわれわれは、ときどきそのお宅に呼ばれてごちそうになった。

美味しい牛の焼き肉とか大きな海老フライとかを頂いたのだが、そこでキャベツの葉を貰って食べた話をよく聞かされた。

そして時には葱とキャベツだけのお好み焼きを作って、こんなのを食べていたんだよと言っていた。

 

そのご夫婦にすっかり憧れた私は、奥さんが大きな擂り鉢に化粧品を入れているのを見て、面白がって真似をしたものだった。もっとも、東日本大震災の後、洗面所の棚から重い擂り鉢が落ちてきたらアブナイと思って止めてしまったが……

 

そのご夫婦は、夫のいないときにこっそり「お金無い時は遠慮無く言ってね、いつでも出世払いで貸すから」

と言ってくれたものだった。

恩人である画家の0さんだが、50歳の若さで病死された。

奥さんと抱き合って泣いたのが昨日のことのようだ。