【再掲】 2/7付新聞に、写真付きで満開と報じられていました。 なのでこのページを再掲します。
<太古の歴史を育む琵琶湖畔は春爛漫…♪>
毎年、近江路の春は、琵琶湖大橋東詰すぐ北の琵琶湖畔から始まります。
どういうこと…?
毎年、春の代表花『菜の花』がお正月前後から畑一面に咲き始める場所があるンです。
この地を幾度も訪れてきた過去の写真を交えながら、この場所についてお話を進めましょう。
場所は、琵琶湖大橋東詰すぐ北にある『 第一なぎさ公園 』(守山市今浜町)の畑。
約4000㎡の畑に、約13,000本が育てられています。お世話は地元のシルバーさん達です。
毎年、お正月前後頃から早咲き種の菜の花『カンザキハナナ』が黄色い花を咲かせ始めます。
例年なら、花期は12月下旬~2月下旬で、見頃は1月下旬~2月上旬。
今年は開花が早かったのか、見頃の時期が終盤のようで、見納めも早そう…かもで、春の花を愛でられるのもあと1週間から10日辺りまで…?
カンザキハナナ
菜の花畑
湖西側の対岸は、南の比叡山(848m)~正面の蓬莱山(1174m)、武奈ヶ岳(1214m)~北の箱館山(547m)の山々が連なり、冬期には頂が白く冠雪する。
雪景色の対岸の山々
雪化粧した菜の花畑
菜の花の時期になると、この春と冬との珍しい組合わせの景色に惹かれて多くの人々が訪れ、写真マニアにとっては格好の被写体でもあり、写真カルチャーの現地学習らしき集団も散見する。また時には、画板を広げて絵描きに没頭する方も見られる。
見頃
咲き始めの頃
この場所は、お金を使う施設が全くのゼロ… 隣接する空き地の駐車場も無料。
これは特筆物でしょう。 如何なる場合でも、無料は大歓迎です。
それ故に、純粋に春景色を満喫できます。
近年は、維持管理の諸雑費に…と100円玉を任意で納める仕組みを取り入れているようですね。
虹 (琵琶湖は虹の発生確率が高いことでも知られる)
突然話題が変わりますが…
海浜性のツル植物『ハマヒルガオ』をご存じですよね。
ハマヒルガオは海辺の植物… これって常識ですよね。
常識っていわば一種の先入観…
でも琵琶湖のこの地では、ハマヒルガオの生育環境に関する常識があっさりと崩されます。
驚く事なかれ、淡水湖の琵琶湖畔で海浜性の『ハマヒルガオ』が自生しています。
その場所が、この菜の花畑が接する湖畔の砂浜です。
菜の花畑を囲む護岸堤の琵琶湖側、琵琶湖畔の砂浜一帯はハマヒルガオの群生地なんです。
護岸堤
左:琵琶湖(ハマヒルガオが咲く渚) 右:菜の花畑
↑ 冬の湖岸 ↓
梅雨近しの頃にはハマヒルガオが咲き乱れる冬期の砂浜
この琵琶湖畔では海浜性の『ハマヒルガオ』が自生していて、毎年淡い花色の花を咲かせています。
例年の見頃は、5月下旬~6月上旬。
海浜性の植物が淡水性の琵琶湖畔に自生している…?
Why… ?
その昔、琵琶湖が海と繋がっていた証拠の一つ…だといわれています。
現在の琵琶湖は約40万年前に誕生した古代湖(➜10万年以上に渡り、一度も枯れることなく水を湛え続けている湖。世界に20数湖が知られる)で、湖畔のハマヒルガオはその間に淡水湖畔でも順応できるように進化してきた、とされています。
蛇足ながら、約400万年前に現在の三重県伊賀上野辺りに誕生した初代琵琶湖の「大山田湖」が消滅~移動~誕生を繰り返しながら現在の琵琶湖に繋がる「堅田湖」までの消滅した過去の湖を『古琵琶湖』という。
なお、一般的な湖の寿命は数1000~数万年と言われている。
周辺から流入する土砂で次第に水深が浅くなり、水深2m未満になると湿地化への消滅近しのサインとか…
平均水深2mの湖は国内にも存在します。
南湖:比叡山麓から大津市街を望む
北湖:琵琶湖に浮かぶ竹生島(伊吹山より)
なのに、琵琶湖のような古代湖はなぜ10万年以上も存在し続けているのでしょうか…
それは、古代湖は大地の裂け目にできた湖で、その成因から「地溝湖」に分類されている。
地溝とは、地殻(プレート)の大規模な裂け目のコト。 地溝は常に拡大進行し続けている。
琵琶湖も然り。
琵琶湖の地溝は湖西北部の湖岸から急に深く切れ込み、琵琶湖の最深部は100mを超え(国内第8位)、琵琶湖は年に数cmほど北へ北へと北上し続けているそうな…
地溝湖の琵琶湖が拡大し続けると、遠い将来には日本海とつながり、琵琶湖で鯛釣りが出来るかも…?
近畿の総人口約2000万人強の約1400万人が琵琶湖の水の恩恵を受けていることから”近畿の水瓶”とも表現されているが、日本海とつながり琵琶湖が潮水で満たされたら未来の人々はどうするのだろう……
長期間に渡り外部と隔離された閉鎖水域の湖では、独自の進化を遂げる生物も存在し、その湖固有の生物が存在する。
琵琶湖にも、固有生物が存在する。
動物だけでも、体長が1mを超えるビワコオオナマズやビワマスを初めとする魚類が12種、セタシジミやビワコヒガイ等の貝類が20種も知られている。
知るほどに
琵琶湖の懐の深さを
痛感する
ご自身の眼で
太古からの時の流れと共に
”真の琵琶湖”を
肌で味わうべく
ハマヒルガオの開花頃にでも
訪れてみたら如何ですか?
雪山を背景に
春を満喫ご希望なら
今すぐに…
まだ
対岸の冠雪した山並みの
冬景色を眺めながら
湖畔の春景色を
満喫できるようですよ