理学療法士と伝えると、この時期だいたい聞かれるのが「熱中症対策」
確かにここ数年、劇的に気温が上がっています。
私の生まれた1982年頃から見ると平均気温で1.5℃くらい上がっていて、去年夏は基準値より1.76℃高かったそうです。
エルニーニョだろうとラニーニャだろうと猛暑。日本近海の温度がずっと高いので仕方ないです。
そのため上昇気流が生じやすく、積乱雲となって豪雨になりやす…いや、今回話すのは雨の話ではないですね。

 

さて、そうした中私たちは熱中症というものと向き合うことが多くなりました。

一番変化したのは「水分補給」の考え方ではないかと思っています。

それこそ1980年代頃までは運動中は水を飲むなという理論が当たり前でした。

2000年頃までには理論が逆転していたように感じますが、皆さんの頃はいかがでしたでしょうか。
その頃からでしょうか。熱中症という言葉を多く聞くようになりました。

それまでは日射病という感じで言われていた気がします。気温より日差し影響が中心だったのでしょう。

 

今、熱中症予防といえばよくこんな感じで伝えています。

 


・水分補給はこまめに、喉が渇く前に
喉が渇いてから水分補給をするのがクセになっている人、結構いらっしゃいます。体内水分が足りなくなってからでは間に合いませんので、喉が渇く前に水分摂取するように意識してみてください。
特に起床時、入浴前後での水分補給は冬場でも大切です。量は1 日に 1.2ℓ程度が推奨されています。
ちなみに、前の職場で「意識的に水を飲むようにしたら体調が良くなった」と話されていた方もいらっしゃいました。
体調が最近おかしいな?と感じる方も取り組んでみてください。
 

・水分は一気に摂らない
1日に1.2ℓといっても一気に取れば尿量が多くなったり、下手をすると下痢の原因になってより悪化します。時間をかけて、頻回に飲み、一気に飲まないようにしましょう。
また日常的に摂取するものは常温のもの、運動時や熱中症対策をしたいときなどには5~15℃の水分を補給と使い分けも行ってみましょう。
近年の研究(2017年以降)では基本的には飲料の温度の低い方が持久性パフォーマンス発揮に有利に働く傾向が示唆されています。運動前後のアイススラリー・冷水の利用も積極的に言われていますので熱中症対策にお困りの方は試してみてはいかがでしょうか。
 

・何を飲むのか?
普段はあまり意識しなくても大丈夫です。というのも、よく言われるカフェイン飲料も水分補給の観点からは問題ないとされています。(体質面の問題、暑熱環境の問題は除く)
不安な人はカフェインレスのお茶や水が良いと思います。
普段からスポーツドリンクや経口補水液を飲むのは塩分&糖質過多によるペットボトル症候群の恐れがあるので推奨できません。
運動前・運動中はナトリウムと糖質を含むものが良いとされています。汗で放出したものを取り戻すのが必要になるからです。
運動後は近年、糖質を含んだ飲料の補給とともにタンパク質を補給すると良いという報告が増えてきました。確かにプロテインドリンクを持っている選手を見かけることが増えてきた気がします。
 

 

この中で、また最近変わってきたなと感じるのが

・運動中には冷たい飲み物、またはアイススラリーを飲用しましょう。

というあたり。

運動中に冷たいものというのはもう私たちの頃の常識と違いすぎて一瞬戸惑います。

でもそのくらい体に熱が溜まりやすい状況になったということかもしれません。

年々気温が高くなるこの地球上において、年々意識をアップデートできないとあっさり熱中症になりそうですね。

 

それでは、また。