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| 5回、安打を放つ阪神・金本=京セラドーム大阪(写真:サンケイスポーツ) |
この2人でしか許されない、やりとりだった。『43歳の鉄人』vs『45歳まで現役を続けた史上最高の捕手』。常人には決して入ることのできない空間が、そこにはあった。試合前の京セラドーム。ベンチ裏から出てきた金本が急いで向かったのは、解説で訪れていた野村克也の元だった。
野村 「がんばっているか?」
金本 「あまり(成績的に)がんばってません」
野村 「見てたらわかるわ。どうや? 引き際は難しいやろ?」
ストレートすぎる突っ込みに思わずニガ笑いのアニキへ、さらにノムさんがたたみかけた。
野村 「アンタくらいになると、引き際は難しいよ。誰も言ってくれないから、自分で決断するしかない。俺も粘ったけど、最後は自分から身を引いたよ。こればかりは、球団は決められないからな。本人やろな。俺なんか、全然(周囲の肩たたきに)気がつかなかったもん」
おどけて当時を振り返った大先輩に、金本も大笑い。大スターながら45歳まで現役にこだわり続けた野村だからこそ言える“引退勧告”だった。
そして、こんなスパイスの効いたゲキに、反発するようにバットで応えられるのが金本の底力だ。
負ければ自力CS消滅の可能性もあった崖っぷちで、3試合ぶりにスタメン復帰。1点を追う二回一死一塁で右前打を放ち、逆転を呼び込むと、勝ち越した直後の四回一死からは中前打を放って、4点目のホームイン。五回一死一、二塁でも右前打で、ダメ押し点につなげた。
3安打3得点。打線のつなぎ役となった今季3度目の猛打賞は通算165回目。小笠原(巨人)と並び歴代9位タイ、現役では1位タイという記録のおまけつきだ。ヤクルト戦の連敗も6で止めた久々の大勝に、真弓監督も「下位打線でも点をとれた。こうやってつながっていけば何とか点を取れる。1戦1戦勝っていく気持ちでやりたい」と言葉に力を込めた。
瀕死のチームを救う、ひと仕事。金本自身にとっても弾みをつける猛打賞だ。日によって右肩の状態が変わる中、打率・222、12本塁打、29打点と不本意なシーズンを送る。ただ9、10月は59打数18安打(・305)と確実に状態はアップ。大減俸こそ避けられないが、球団側が来季も契約することは確実なようだ。
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