ギターでDTMが出来る

ギターでDTMが出来る

色々やったけどやっぱりギターが好き、バンドが好き。バンドが出来ないならDTMをやりたい。そんな音楽漬けサラリーマン・ミュージシャンです。よろしく。

 ギタリストがDTMを始めるにあたって一番厄介なのが鍵盤です。最近ではコード進行を入力するだけでアレンジのできてしまうソフトが多く出回っていますが、MIDIデータを手入力することのよって初めてオリジナリティーあふれる自作曲を手に入れる事ができます。MIDIデータを入力する作業とキーボードを演奏する事は基本的に違います。またその架け橋となるのがDTMソフトです。筆者はLOGICPRO9を使ってます。


鍵盤の苦手なギタリストのお役に立てればと考えています。よろしく!!

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鍵盤を弾く 2

ということは結局譜面を読ないとダメということか・・・。コードも覚えられへんし・・・。などと思っている方への説明です。そうなんです。だから、ギタリストは鍵盤をあきらめるわけです。キーボードなんかいらないと開き直りますが、協力してもらえるなら誰かいないかなと回りを探すわけです。そんなときに、DTMの中ではアレンジャーであるあなたが、こんな感じでと差し出すデモテープがあれば鬼に金棒となります。どうかあきらめないで下さい。だからこんなブログをやってるんです。

ほとんどのギタリストはギターで作曲をします。自分で曲を作るという事は音楽理論の知識があるないにかかわらず必ずコードを付けるはずです。(合っているかは別にして・・・。そこを踏み込んでいくのはアレンジャーの仕事ですから・・・。)自分で作った曲ならばそのメロディーに対するコード進行がその曲の羅針盤となります。そのコードに着目してみましょう。

前回のように曲のキーを決定させてから、♭や♯の数を特定してそこだけを黒鍵で弾くというわざはギタリストにはまず無理です。ギターならフレットを平行移動するだけですみますが・・・・・。歌物ならまだしもJAZZよりの曲なら転調もあり、わけがわからなくなるのが普通です。答えは全てコードにあります。コード単位で第1音(ルート)→第3音→第5音→第7音の組み合わせが必ずあります。これを利用するわけです。毎日ギターでやって身体にしみこんでいる7thコードの響きを思い出して下さい。ルート→M3→P5→m7のつながりを覚えているはずです。まずこれを各コードのルート音から弾いてみましょう。どのルートから弾いても7thコードのアルペジオが弾けるはずです。大切な事は、キーから判断するのではなくいつも弾いている7thコードの分散を相対音感で弾くようにするということです。あせらずに一音ずつ確実にやってみましょう。第7音がわかりにくければルート→m3→P5の3音だけなら何とかなるはずです(保育所・幼稚園からやってます)。どうでしょうか?違う音を弾けば違和感がありますね?合っているかどうかわからない方、すみません。どうしようもないので鍵盤はあきらめて下さい。相対音感で判断すれば黒鍵を使うポジションは自ずとわかります。

各ルート音から始まる7thの構成音がわかれば、正しいコードに修正する作業に入ります。まず第3音。メジャーのコードならそのままでOKですがマイナーなら半音下げてm3とします。次に第7音。7thならそのままですがM7になっていれば半音上げます。あと、第5音が♭5になっている時も第5音は半音下げます。7thまでわかればこっちのもんです。9thはルートのM2上、11thはP4上、13thはM6上です。テンションがわかりにくい時はギターを手元に持ってきて、5弦・6弦にあるルートからみて9th~13thがどの位置にあるかわかるはずです。

でわ、次回!!


鍵盤を弾く

さて、前回までの内容を理解出来ていればもうあなたは鍵盤を弾く事が出来るようになっているはずです!?これでは話しにならないので具体的な手法を説明しようと思います。

まずあなたが譜面に目を落とすと、調性記号のところ(ト音記号の右隣)に♭が二つ書いてあります。キーを考えて下さい。♭が二つですから、5度圏のC音から左回り(P5度下降)二つ分でキーはB♭という事になります。♭の付いている位置も同様に2音ですからB音とE音ですね。譜面の♭の位置と合ってますか?

B音とE音だけ♭させて(黒鍵を弾く)ドレミを弾いてみましょう。B♭をルートとしたドレミファソラシドが出来上がります。そうです。これがB♭キーのスケールになります。

相対音感的に考えると、B♭から始まるドレミを弾いてみると結果的にE音も♭させる事になります。つまり、譜面からスケールを導き出しても、そのキーのルートからはじまるドレミを聴感上で探しても結果は同じというわけです。

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調性と5度圏について

コードに関する考え方については理解が深まってきている事と思います。主だったコードをどのように進行させていくかという事をコードプログレッションとかケーデンスと呼びます。それぞれの曲は最終的にその曲のルート(キー)であるトニックコードへ戻る(解決する)こととなります。この代表的な進行としてⅡ-Ⅴ-Ⅰ(トゥーファイブ)というP5(完全5度)下降しながらルートへ戻っていく動きがあります。調性を無視すれば(転調しながら)、ルートのC音からP5ずつどんどん下降していくと最終的にまたCに戻ってきます。この動きを5度進行と言い、下記のような5度圏が出来上がります。

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左回りで5度進行になります。この5度圏は調性を決定付ける♯や♭の数や付ける順番すら教えてくれるのです。知っている方は当然のごとく知っていますが、知らない方は覚えておいて損はないと思います。まず、5度圏のアルファベットを曲のキーと考えてください。♭を一つずつ追加していくとキーはCスタート左回りで、F→B♭→E♭→A♭→D♭→G♭へと変わって行きます。どの音を♭させていくのかもこの表でわかります。そうですね、正解はB→E→A→D→G→Cです。♭させていく音も変化していくキーも5度進行ということです。反対に♯系を見てみましょう。♯を一つずつ追加していくと今度のキーはCスタート右回りの5度進行(P5上行)になり、G→D→A→E→Bへと変わって行きます。♯を付けていく順番も同じく右回りで、F→C→G→D→Aとなります。音楽雑誌等を持っていればコピーの確認が出来ます。

上記の5度圏を丸暗記する必要は全くありません。コードの知識を身に付けるために今まで努力されてきた方は上記5度進行をギターの5弦・6弦の動きに置き換えれば非常に容易く理解が出来るはずです。

①左回りの5度進行(P5下降)
C(6弦8フレット)→F(5弦8フレット)→B♭(6弦6フレット)→E♭(5弦6フレット)→A♭(6弦4フレット)→D♭(5弦4フレット)→G♭(6弦2フレット)→B(5弦2フレット)という動き

②右回りの5度進行(P5上行)
C(5弦3フレット)→G(6弦3フレット)→D(5弦5フレット)→A(6弦5フレット)→E(5弦7フレット)→B(6弦7フレット)という動き

下降している(P5下降)のか上行している(P5上行)のかをつかめば、5弦・6弦の動きで見ていくことができます。
コードの補足

前回のコードネーム表記において該当しないケースがあるので以下を記しておきます。

dim(diminished)コード
ルートから短3度(m3)乖離で積み上げて出来るコードで主にpassing(パッシング)diminishedとして使われます。ルートをCのダイヤトニックコード群で考えると、CM7、C♯dim、Dm7、D♯dim、Em7、FM7、F♯dim、G7、G♯dim、Am7といったように、そのキーのダイヤトニック間を半音で基本上行する形で使われます(両サイドがともにMまたはmの時は下行形も可能)。ルートの右下に○7もしくはdimと表記します。

トライアード
7thの入っていない1、3、5の3和音の事で△と表記します。1、♭3、5の3和音は-△と表記します。 



次にコードの最下音がルートでないときのコードネームの付け方です。


①onコード
 最下音がコードに対してコードトーンである時は単に転回形として考えます。ルートではなく3、5、7音をベースで弾くように指定するコードです。ベースはそのコードのルートではなく指定された音(構成音)を弾きます。

②最下音がコードに対してのコードトーンになっていない場合
 その最下音を新たなルートとして機能(コードネーム)を考え直す必要があります。
特にインスト曲でよく出てくるケースで、多くの場合テンションノートがルートになっています。
4種類のダイヤトニックコードおよびテンションの説明をやってきました。ところで、この講座の目的はギタリストが鍵盤をMIDIデータの入力ツールとしてアレンジが出来るよになるのが目的です。ギターで作曲をして、それをDTM上で楽曲として完成させるためにはまずコードを考えることが必要です。コードは曲中においてハーモニーをどのように展開させていくのかを記した羅針盤みたいなもんです。スタジオなどでセッションや録音を行う際にもコードと決めのリズムだけを記した譜面を渡される事もよくあります。そんな時にそれぞれのコードの構成音を理解しておく事は非常に重要になってきます。コードは次のように記されます。

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人によってコードの表記の仕方が違うので慌てるときもあると思いますが、基本はこの通りです。特にテンションの表記はややこしく(  )をつけずに13とだけ記して(  )がないときは9thも含むとか言ったりする人もいるので、よくわからない時は必ず確認しましょう。但し、セッションなんかの時は7thとだけ表記してあってテンションの乗せ方は演奏者まかせなんて事もよくあります。歌物等かっちりとしたオケがある場合(伝えたい)場合はこのように詳しく記すように癖を付けた方が無難です。

また、知識習得のため曲をコピーするときも第1音、3音、5音、7音、およびテンションを順次聞き取って正確なコードを表記することが大事です。なれれば、適当に自分で作ったギターのアルペジオや和音にコードネームを付けることが出来るようになります。

今回の内容はギターで創る世界をDTMでやるためには非常に重要です。あせらずにじっくりとやるようにして下さい。考えて分析をしながら弾くようにしましょう。健闘を祈ります。