福島県東白川郡棚倉町へ三度目の訪問はイラストレーターのBoojilちゃんと、東京おやつボーイズのサポート、そして何より多くの方々の心ある募金により、無事実現することが出来ました。僕は家族や職場の皆様、お世話になっている東京コメディストアの皆様より、今まで本当にたくさんの寄付金をいただきました。毎回寄付していただいる方もいて、本当に心強い気持ちになります。

 今回のOTASUKE企画は、お昼過ぎにルネサンス棚倉に到着後、Boojilちゃんの「似てない似顔絵」ワークショップから始まりました。Boojilちゃんがもともと用意していた、顔の輪郭が描かれたカードと体の輪郭が描かれたカードをそれぞれ一枚ずつ引いて、向き合って座っている相手の顔のパーツ一つひとつを、その特徴を捉えながら描いていく、というのが大きな流れ。僕のお相手は田代保広さん(今回のOTASUKE企画が実現するきっかけとなった田代一家のご主人)でした。田代さんは元プロボクシング世界チャンピオンの具志堅用高さんにそっくりさんです。僕は緊張の面持ちで、田代さんの顔のパーツの一つ一つを、その特徴を意識しつつ、描いていきました。目、鼻、口、耳、、、するとどうでしょう、全然似てないはずの似顔絵が、どことなく、なんとなく本人に似ているような、なんとも不思議な似顔絵が誕生するのです。その似顔絵(というか全身像)の周りにその人の好きなものとか、夢や目標を描き足していって、世界に一つだけのオリジナル似顔絵が完成するのです。そして、この似顔絵に描かれた夢や目標は実現しやすいとのジンクスがあるとのこと。僕はそういうことは積極的に信じることにしてます。(ちなみに僕は海外アメリカで即興のショー(ライヴ)をやることを目標にしました。夢じゃなくて、目標。)

 ワークショップが終わると、東京おやつボーイズによるおやつタイム。これがまた美味い!!濃厚でマイルドだけど甘過ぎない手作りパンナコッタにイチゴ、ぶどう、みかんのジャムとパンケーキのコンボ!!!自称スイーツ男子の僕はテンションあがりました。おやつボーイズのソデ君、マッスル、えーちゃん、ありがとう!

 夜は恒例の花火大会、そして僕の即興弾き語りアコースティックライヴ。今回のOTASUKEツアーをサポートしてくれたBoojilちゃん、おやつボーイズ、OTASUKE BOYZを引っ張ってくれているHarry、そしてお手伝い大好き小学校4年生ひゅうが君をはじめ、棚倉のみなさんに送る即興ショートソング集。緊張感と即興という行為がもたらすナチュラルハイが混じり合いながらの演奏と歌。笑ってくれる人、ノってくれる人、それぞれの反応が嬉しかったです。

 ライブも無事終わり、温泉に入って疲れを癒したあとは、これも前回から恒例(?)のOTASUKE人生相談(笑)。前回、「高校を卒業したら音楽の専門学校に行きたい、反対しているお父さんを説得したい。」と目標を語ってくれた、堀田家(ルネサンス棚倉に避難している五人家族)次女せりなちゃん(17才)。今回はお父さんを説得できたとのご報告に加え、「先生の言うことは信じていない」の強気発言。それに対して僕が「それでいいんだよ。」と言ったことに、「はじめて共感してもらえた」と嬉しそうにしていたのが印象的でした。~の言うことは全部正しい、と信じることは「自分が考えること」を放棄することですからね。人の意見を尊重しつつも、自分の意見を言えるたくましい大人になってね!

 8月末をもっての避難所の解散に伴い、今回が最後の訪問になってしまったルネサンス棚倉。避難所がこの時期になぜ解散されなくてはならないのか、とても疑問が残るのと同時に、退去を余儀なくされている方々がいることを思うと胸が痛みます。そして同時に、僕らの力の小ささを痛感します。

これまでの企画で関わることのできた棚倉の方々に、この場を借りて感謝の気持ちを伝えたいと思います。みなさんと素敵な時間を共有できたことを本当に嬉しく思います。ありがとうございました。

              
                                      赤坂 陽一