特に朝日新聞系列の過熱振りは、先般の週刊朝日による差別記事問題への報復にしか見えませんし、毎日新聞系列に至っては申す言葉もありません。(私は毎日新聞とTBSは東スポ程度に見ています)
さて、当ブログは普段、現在報じられているタイムリーな話題には言及しないようにしています。古いネタばかり掘り返す理由は、このブログの真意が若者の未来を冷静に考えることであって、現在の政治論争に加担することではないからです。
ただそれでも、この報道については本当に嫌気が刺しています。この記事を書いたのは1週間くらい前ですが、アップしようかずっと迷っていました。昨日、田母神俊雄が自身のブログで言及してくれたのでかなりスッキリしたのですが、やっぱり書くことにしました。
参考:田母神俊雄ブログ「橋下大阪市長の慰安婦関連発言について」
ということで、今回は話題の橋下発言がテーマです。
【問題発言のあらまし】
朝日新聞は反橋下キャンペーン中ですので、記事全文とまとめ記事の両方がアップされています。スゴイですねー。
参考:朝日新聞デジタル「橋下徹に関するトピックス」←連日の記者団とのやりとり全文
参考:同「橋下氏の慰安婦などをめぐる発言の変遷 13日~25日」←まとめ
5月13日の午前、前日の村山談話に関する国会答弁へコメントを求められ、その中で、いわゆる従軍慰安婦問題について当時は必要だったと発言したとされるのが、ひとつ目の問題です。ただし原文を読むと、上記記述と微妙に異なることがわかります。彼が後に「誤報」と譲らないのはここにあります。
続く同日夕方、米軍普天間飛行場を視察した際に、基地司令官に対して「もっと風俗業を活用してほしい」と発言したことが二つ目の問題となっています。これは全く原文のままですから、橋下も後で謝罪しています。
【何が問題だったのか】
私がまず言いたいのは、発言の仕方には大いに問題があったということです。影の薄くなった維新の会へ注目を集めるための戦略であればまだ良いのですが、そうでなければ発言時期も用いた言葉も適当とは言えません。
私は政治専攻ですから、政治家の心得については一家言あります。例えば、政治家は私生活も含めてあらゆる要素が暴露されます。政治に透明性を期待する以上、これは基本的人権よりも優先されることがあります。芸能人や有名人の週刊誌ネタとは訳が違い、これは民主主義における必要悪みたいなものですから、政治家はそれを覚悟しなければなりません。
そして今回のように、政治家には常にその言質が問われます。政治家の言葉とは、板前の包丁と同じく、唯一無比の商売道具です。だから、使う語彙や表現には細心の注意が必要ですし、ましてやそれが外交問題にも触れる場合ならば、尚更です。
メディアが発言の言葉尻だけを使うことも、それが多国語に翻訳され伝えられる過程で歪曲することも、最初からわかっていることです。よって必然的に、政治家の話はつまらなくなります。
ただ、私自身は橋下の真意には共感しています。彼の発言の中身は、どれも論破できる趣旨のものではありません。最も、各国や個々人の価値観(倫理観や宗教観や史観)や感情論に照らせば別だろうと思いますが。それをこれから紐解いてみようと思います。
【従軍慰安婦問題】
いつもこの言葉は拡大解釈されてしまうので、最初に言葉の定義をします。「慰安婦」とは現在の言葉で述べれば軍人向け性風俗のことで、「従軍」とは戦地へ一緒に赴くことです。つまり「従軍慰安婦」とは、日本軍と一緒に戦地へ出稼ぎに行った慰安婦の方々です。ただし余談になりますが、この言葉は1970年代に千田夏光という作家の著作『従軍慰安婦』 で初めて書かれた造語です。この著作が後に、従軍慰安婦というものを拡大解釈する始まりとも言われています。
参考:Wikipedia記事「慰安婦」
問題は、従軍が慰安婦自身の意思によって行われたものか、それとも日本軍主導で行われたものかという、経緯についてです。つまり強制だったかどうかという点が争点です。
前者が大勢いたことは様々な文書によって明らかとなっていますし、こちらは問題ありません。問題なのは、後者が本当にいたのかどうかです。しかしこの時点で、一部の左翼は全ての慰安婦を軍の大罪のように言い出すので、取り付く島もありません。
【河野談話の誤解】
強制の問題を特に非難するのが、強制されたとされる証人(信憑性に議論あり)がいる韓国です。
いつも右翼の非難の的になる「河野談話」では、強制の証拠は無いが事実と認めて政治決着を図ったため、後に問題が複雑化する原因となりました。加えてこの河野官房長官は、談話発表後の記者クラブで「白馬事件(インドネシア・後の国際裁判で有罪)以外には官憲等が直接これに加担した事実はない」と説明しているようですから、もう滅茶苦茶ですね。
韓国人を強制したのかしていないのか、結局は何も説明していないのですが、そう拡大解釈されてしまうのは必然でしょう。
参考:Wikipedia記事「慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話」
今のところ、日本政府の調査では、軍による強制の事実を示す文書等は見つかっていません。つまり強制の事実は立証されなかったのです。日本政府が証拠資料を隠匿しているという陰謀論はさて置き、これが公式の事実です。これを「無かった」と考えるか、「あったかも知れない」と考えるかはもちろん史観ですから自由ですが、法治国家の日本政府としては、当然前者の立場でしょう。
ここからは余談ですが、「ひとりも居なかった」かどうかといえば、それを立証するのは当然困難です。そこを突いて、ひとりでも居れば謝罪しろ、ひとり居るなら大勢いたはずだ、大勢いたなら軍主導だと、どんどん論理を拡大するのが韓国や左翼勢力です。
あるいは、「国家や軍による関与は無いが、親族や斡旋業者などにより半ば人身売買同然で行ったケースも想像できるし、悲惨な従軍慰安婦もいただろう」と言う人もいます。一見、これが一番大人な意見のように聞こえますが、これを政治の場で発言すると、とたんに言質を取られて拡大解釈するというお決まりのパターンになります。いい加減それに飽き飽きした右翼は、最近は「強制の事実は一切ない」としか言わなくなりました。
【慰安婦と慰安所】
さて、当時の慰安婦とはどういうものだったのでしょうか。
日本は1955年頃まで公娼制度が法的に認められていました。もちろん、これは日本に限ったことでもありません。男尊女卑の価値観は世界的でしたし、今思えば女性にとっては不幸な時代だったのかも知れません。しかしそんな時代ですから、慰安婦や従軍慰安婦の存在は止むを得なかったと思います。慰安婦は高給だったため、人気の商売だったという資料も残ってます。
今さら現代の価値観でそれを非難しても仕方ありません。社民党や女性人権保護団体が声高に訴えようと、事実は事実です。
ところで、従軍慰安婦というのは日本以外の国ではあまり聞かれませんが、これには理由があります。他国の侵略占領では、慰安婦は現地調達が基本だからです。
最近の研究で、大戦中のアメリカ軍が、フランス女性に数百件の強姦や売春を行っていたことがわかってきたそうです。また戦後も、GHQは占領後速やかに「特殊慰安施設協会」を設置しています。これは連合国兵士向けの慰安所です。
参考:時事ドットコム(2013/05/26)「米兵、仏女性を性的はけ口に=レイプも多発-大戦中の欧州」
参考:Wikipedia記事「特殊慰安施設協会」
また、制度として慰安所を設ければまだ良い方で、現地女性に対して差別や暴行を繰り返した事実も明らかになっています。韓国軍に至っては、後のベトナム戦争時に起こした強姦事件は数え切れず、これによって生まれた子供達は、最大で3万人とも5万人とも言われます。正式な謝罪はもちろんしていません。おかしいですね。
参考:msn産経ニュース(2013.5.17)『橋下慰安婦発言 「言うべきこと言ってくれた」』
参考:Wikipedia記事「ライダイハン」
つまり、過去の慰安婦制度を否定する人は、まず日本以外の国にも目を向けるべきでしょう。別に日本を正当化しろと言いたいわけではありません。当時の世界的な価値観に照らして考えようと言っているのです。
慰安婦制度が、今から考えれば後ろ暗い歴史であることは否定しようもありませんが、歴史を語るならば当時の人々の価値観によって考えなえればなりません。そうでなければ、歴史上の偉人は皆、大量殺戮を行った犯罪者になってしまいますし、歴史は容易に歪曲されてしまいます。
【米兵の性風俗利用】
では次の発言についてです。
最近、米兵が起こした事件報道が増えていますが、彼らの名誉のために言えば、日本における米兵の犯罪率が日本人や他の外国人よりも高いわけではありません。基地内の事件はともかく、わかっている数字では米兵の方が低いようです。
これは自衛隊でも同じことですが、軍人はあらゆる職業よりも高い規律を求められます。だから、兵士による犯罪が民間人よりも多いということは通常考えられません。その点はまず誤解しないことが大切です。
参考:NEWSポストセブン(2012.11.10記事)「米兵の沖縄女性暴行事件 政治的思惑と報道のミスリードあり」
それでも、強姦や殺人という事件は時々起ります。米兵が不祥事起こすといつも外交問題に発展します。日本では基地排除の大きな動機でもあります。仮に米軍が性風俗店の利用を解禁することで、米兵の性的衝動性を抑えられるのならば、橋下の発言に一体何の問題があるのでしょうか。強制でもなければ従軍でもないのに、世界的な非難を浴びる理由が分かりません。
実は米国では、一部地域を除き性風俗店は違法です。当然、米兵の性風俗店利用も禁止されています。ただこれは、キリスト教の価値観が法律に反映されているものに過ぎず、違法営業が事実上の黙認状態なのは万国でほぼ共通です。しかしそのルールがある以上、橋下の提案を受け入れるのは難しいのです。
それでも、何らかの打開策は必要です。最近も酔っぱらって家屋に浸入したりする兵士が多発したり、それが飲酒禁止令の最中で起こってしまうなどの報道を見ていると、あまりにお粗末ですよね。しかしこれについては、別の観点からも考えてみる必要があります。
【米兵の質低下の噂】
と、ここまでの内容は、タブーでも何でもありません。歴史を学ぶ意欲のある人ならば、賛否はともかく歴史的議論の経緯はある程度ご存知です。しかしこの先はタブーです。
見出しにある通り、近年、米兵の質が低下していると囁かれています。
米軍は志願制度ですが、この制度はイラク開戦の頃から破綻気味です。開戦当初は良かったのですが、徐々に泥沼化するアフガンとイラクの戦況が知られ、戦死者が増加し、さらに帰還兵の湾岸戦争症候群などが報道されるようになると、志願者は激減しました。支度一時金をバラ撒いても、大学奨学金をエサにしても、若者が集まらないのです。
そこで、入隊検査基準を緩和しているという噂があります。軽度の障害や、性格特性に問題を抱えた者、ひいては犯罪歴を持つ者まで入隊しているらしいのです。米兵による連日の事件の原因は、単に酔っ払いによるものじゃないのではと疑問を感じていた方は、この説明で合点がいくはずです。
参考:47NEWS(2006/10/02)「米軍、兵士集めで違反増大 イラク戦争でノルマ厳しく」
参考:NEWSLOG USA(2007/7/30)「米軍隊内に入り込むギャング」
ただし、これはさすがに安全保障の恩恵を受ける国が言うべき話ではありません。私自身も反米とは言え、本当ならばこんなことは書きたくありません。アメリカは嫌いですが、日本を守ってくれる兵士には敬意を抱いています。
しかし、橋下発言が「米兵の名誉を棄損した」と言われてしまえば、実際には本当の名誉は守っていると言いたくもなります。この事実は政府関係者なら誰もが知っていることですが、同盟国兵士を差別したり侮辱しないよう、皆、発言を控えているのです。
「もっと風俗業を活用してほしい」という発言には、そうした意図が隠されています。
【メディアが橋下を叩く理由】
いつもは反米左翼の朝日新聞も、今回は上記事実には全く触れず、米軍に対しては紳士的です。というか私には前述通り、橋下に対する報復キャンペーンにしか見えません。追随する他のメディアもしかりで、いつも橋下の言動にやり込められていることへの仕返しに思えてしまいます。
従軍慰安婦など、この手の話を右寄りの人達がする時は、「なぜ日本が悪くないかと言えば他国は・・・」という説明の続きが必ずあるのですが、絶対にカットされます。テレビは、従軍慰安婦の問題は写真やパネルで解説するのに、ベトナムや日本の慰安所については絶対にパネルは作りませんよね。だからネット右翼に「反日マスコミ」呼ばわりされるのです。
橋下が言うように、国を守るために命をかけて戦った祖先が、確たる証拠もなく集団レイプ犯のように扱われるのを、子孫である私達がどうして容認できるのでしょうか。それを教えない教育や、左翼信奉こそ社会進化と信じて疑わないマスメディアは、本当に真実を述べていると言えるのでしょうか。
【性に対するアレルギー】
またこの問題の根源には、恐らく性に対する社会のタブー意識が大きく関わっています。これは性教育の問題にも通じてくるので、いずれ書こうと思っています。
社民党と女性人権保護団体などは、性とか風俗のキーワードが出ると、タブーと言わんばかりに騒ぎ立てます。彼らは過去の慰安婦制度を否定した先に、何を求めているのでしょうか。
そもそも、大人の両者が個人的に売春する行為「=単純売春」は、今も昔もどこ国でも、厳しく取り締まられることはありません。売春斡旋が摘発されるため誤解しがちですが、これは現在の日本でも同じで、単純売春は刑法で裁けません。法規制があろうとなかろうと、売春を本当に規制してしまえば、生きていけない女性が必ず居るからです。
また、風俗斡旋業を排除することも本質的には無意味です。個人売春を蔓延させるか、新たなシンジケートを生むだけです。昨今でも、風俗店の新店舗許可を出さないから、派遣風俗が増えすぎて売春斡旋と性感染症の温床となりました。これに対応して、派遣風俗も認可制になったわけですが、それならば店舗営業を認めていた方がまだ規制し易かったでしょう。まさに本末転倒です。
映画『デモリションマン』の描く世界は、暴力や犯罪と無縁な未来世界です。この時代はあらゆる接触が禁止され、キスどころか握手もできない一方では、バーチャルセックスが流行しています。ある日、その世界を脅かす凶悪犯が現れ、それに対抗するために止む無く、冷凍刑務所で凍結されていた乱暴刑事のスパルタン(=スタローン)を復活させます。彼は見事に悪を倒し、異質な平和世界も終わりを告げるという物語です。まさにアメリカ的というか、キリスト教的な世界観です。
デモリションマン [Blu-ray]/ワーナー・ホーム・ビデオ

¥2,500
Amazon.co.jp
しかし、こんな未来を本心から望んでいる人がいるとすれば、その人はきっと、他人を愛したことが無いか、余程の潔癖症か、妄想的な理想主義者です。もちろん個人の価値観の問題ですが、だからこそ、それを政治を利用して実現するというのには非常に違和感を覚えます。性風俗が必要という人もまだいて良い気がするのは、私が男だからではないと思うのですが。
ちょっと後半脱線してしまいましたが、タイムリーな政治ネタはこれでお終いです。
これは憶測ですが、橋下が叩かれる本当の理由は、橋下徹自身がそれを望んだからかも知れません。党代表として、参院選へ向けて影が薄い状況は何としてでも打破したい思いがあったのかも知れません。いや、それ以上に、この自虐的に歪曲された歴史認識を改めて問い直すため、ひいてはそれを選挙争点にしたいと考えているのかも知れませんね。
しかしそれにしても、ちょっと早すぎた。夏の参院選まで維新の会は持ちこたえられるのか、参院選を本当に戦えるのか心配です。
今回も長文、最後まで読んで下さりありがとうございました。
面白かったらランキング上げて下さい→