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この国のタブー

素人がタブーに挑戦します。
素人だけに、それみんな知ってるよ?ってこともあるかもしれませんが。
コメント、質問、大歓迎です。お手やわらかにお願いします。

早く投稿しようと思って必死に書いているうちに、2部構成の長編になってしまった結果、一歩遅しです。

先週末、米国で衝撃的なスキャンダルが報じられました。政府諜報機関のひとつであるNSA(National Security Agency, 国家安全保障局)が、大手ネット会社のサーバーに“直接アクセス”して個人情報を収集していたという、内部告発がされたのです。
記事より先に事件が起こってしまいました。


この作戦名(あるいはアクセスプログラムの名称?)は「PRISM(プリズム)」と呼ばれているそうです。高度なハッキングを行っていたのか、或いは大手ネット会社側がシステムにバックドア(=裏口)を設けていたのかは、定かではありません。
 参考:WirelessWere NEWS(2013.06.07)「米NSAの極秘計画「PRISM」が明るみに - 大手ウェブサービスの情報を多岐にわたって収集」

報じられているように“直接アクセス”したのであれば、裁判所命令に基づいた個別の犯罪捜査ではないので、大問題です。関係者は速やかに火消しに走っていますが、続報によれば既に証人が実名を名乗ったようですので、これから大変なスキャンダルに発展する可能性が高いです。
 参考:ITメディア ニュース(2013年06月10日)「PRISMの告発者は元CIA職員「私は正しいことをした」──Guardian報道」



【NSAとは何か】

NSAはアクション映画にもしばしば登場する組織ですが、米国政府の公式な諜報機関のひとつで、国防総省に属する機関です。CIA(中央情報局)と同じく、国外の諜報活動を担っているとされますが、詳細は謎だらけです。主に、人的工作によって情報収集を行うCIAに対して、こちらは専らIT等のシステムを用いて情報収集を行っている組織だそうです。陸海空と宇宙に次いで、「第5の軍隊」とも呼ばれています。
1952年に設立されたこの組織はその存在すら明かされることなく、1999年になって初めて公になりました。抱えるスタッフは2万人とも3万人とも言われますから、米国政府諜報機関の中で、CIAとFBIに並ぶ規模です。CIAと同様、軍と一体となって活動していると思われますが、とにかく詳細は不明です。
 参考:Wikipedia記事「アメリカ国家安全保障局」



【NSAとエシュロン】

かの有名な「エシュロン(Echelon)」を運用しているのもNSAだと考えられています。
ご存知ない方にも簡単に説明すると、エシュロンとは世界中のネットワークにハッキングして通信を傍受しているとされる、米国の巨大な情報収集システムの呼称です。米国政府はその存在を否定していますが、世界各国はその反論をほとんど信じていません。

東西冷戦時代、鉄のカーテンに閉ざされた東側諸国の情報を得るため、様々な策が講じられました。軍事無線や衛星通信の盗聴もそのひとつです。例えば、青森の米軍施設「三沢基地 姉沼通信所」にも、これら無線や通信を傍受するアンテナ(=通称「象の檻」)が立っていますが、これらもエシュロンの設備の一部と考えられています。

2001年、エシュロンの存在を認める決議がEU本会議でなされ話題となりました。当時EUではそれまで、大規模入札における米国企業への価格漏えいが疑われていました。調査の結果は次の通りです。

Wikipedia記事「エシュロン」より引用)
2001年7月、欧州議会の「エシュロン通信傍受システムに関する特別委員会」は「世界的な私的、または商業通信の傍受システムの存在(エシュロン傍受システム)」という最終報告書を発表した。この報告書では、「UKUSAによる全世界的な傍受システムが存在することは疑いない」と断定し、また「重要な点は、軍事通信だけでなく私的、あるいは商業通信の傍受を目的としていることである」としている。
(引用ここまで)

引用文中の「UKUSA」とは英米同盟のことです。NSAは自身の役割について、安全保障上必要な情報を調査していると表明していますが、実際はその枠を大きく超えて運用されている可能性が濃厚です。となれば、米国を含めた一般市民に対しても情報収集を行っていると考えるのは、むしろ自然でしょう。



【無料サイトの錬金術】

さて、今回のPRISM騒動でやり玉に挙がったのは、Microsoft、Google、Yahoo、Facebook、Apple、AOL、Skype、YouTube、PalTalkなどの企業です。どれもネット上で原則無料の人気サービスを抱える会社です。

ところで皆さんは、Google検索結果に表示される広告をどれだけクリックしますか?アメブロの広告からどれだけ商品を買いますか?
私は、ほぼゼロです。これら無料サイトが本当に広告収入だけで巨益を生んでいると信じている人がいるとすれば、その人はあまりに無防備過ぎると思います。例えばGoogleですが、以前、利用規約の改定問題が話題になりました。
 参考:日経新聞電子版(2012年1月25日)「Googleがプライバシーポリシーを改訂へ 」

少し乱暴ですが簡単に言えば、次のような信じられないルールが記載されているのです。
 ①利用者がアップした情報はGoogleが再利用可能。
 ②一度アップされた情報は利用停止後の削除を保証しない。
つまり、自分の知らぬところで自分の情報が際限なく流通することになります。「それがネットの本質だ」と言ってしまえばそれまでなのですが、世界最大手企業がそれを公然と行うのは問題です。日本政府も苦言を呈しましたが、とても聞き入れられたとは思えません。
 参考:Google利用規約

ひとつ具体的な例を挙げてみましょう。「Google Analytics」というサービスを使うと、ブログやWebサイトの検索傾向やアクセス傾向などを無料で詳細に解析することができます。しかし、この解析情報の権利もGoogleが再利用可能なのです。
これを利用すれば、非常に優れたサイトを自分が設計しても、そのノウハウは自動的にGoogleに渡ってしまい、彼らはその設計手法を企業向けに転売して利益を生むことができるのです。あるいは、政府やマスコミがそうした手法を購入すれば、情報のコントロールも容易です。
 参考:Google アナリティクス サービス利用規約
 
つまり、私達が検索や閲覧などの無料サービスを利用するだけで、サイト側は巨益を生んでいるのです。私達利用者は、彼らの顧客でも何でもなく、単に彼らの商品を生産するための「ユーザー」に過ぎません。



【SNSは個人情報の巣窟】

スマホでTwitter、Facebook、Skype、LINEなどのSNSアプリを利用すると、電話帳とこれらサービスのアドレス帳を相互利用することができます。G-mailやHotmail(現Outlook.com)などの無料webメールも同様です。

以前、スマホを初めて購入した際に、同期機能をOFFにすることを知らず、WEBにアクセスした瞬間に電話帳を同期されてしまいました。大したことではないと思われるかも知れませんが、私にとっては絶望にも近い後悔でした。自分のアドレス帳がWebに盗まれないように20年近く注意してきたのですが、一度でも上がってしまうとアウトだと思っています。

もしこうした情報が、エシュロンやPRISM(同じかもしれませんが)などによって盗み出されていたら、本当に恐ろしいことです。全世界の人の携帯からアドレス帳を盗むことができれば、その人は強大な力を得ることになります。金持ちや政治家をいくらでも脅迫することができるからです。私達が一生懸命働いて、いつか大企業経営者や政治家になれたとしても、その時点では首根っこを摑まえられているのです。

そしてこの機能には当然ながら、MS、Google、AppleなどのOS提供企業が中核的に加担しています。メーカーが主犯なわけですから、私達には防ぐ手だてがありません。そのため、私は最近、携帯のアドレス帳にニックネームで登録するようにしました。「山田さん飲食業」、「山田くん学生横浜」、「やまちゃん高校」などです。個人が特定できないように工夫しています。



【支配層だけは自由な国】

とは言え、こんなニュースはいくらでもありました。昨年にも、国際的ハッカー集団「アノニマス」のリークにより、Apple社からFBIが個人情報を盗み出していた疑いが報じられましたが、FBIは関与を否定し、Appleは流出の事実だけを認めました。真相は闇の中です。
 参考:読売オンライン(2012年9月6日)「アップル1200万台分、個人情報流出か」

個人の自由と権利を保障すると言った国は、やっぱりペテン師ですね。
今のところ、報じられた企業は口を揃えて事実を否定しています。一方、政府関係者は匿名で、この政策は米国人を対象としておらず、あくまで外国人に向けたものだと逃げていますが、日本人としてそんな発言は許せるはずもありません。これらサービスのサーバーが、米国内外で分断されているはずはありませんよね。



次回は、なぜ米国がここまで暴走してしまうのか。その理由を探りたいと思います。今回も最後まで読んで下さりありがとうございました。



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あなたの情報は盗まれてます(2)に続く