地球温暖化→懐疑論→批判→誤謬→?(2) | この国のタブー

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 続編記事ですので、過去記事はこちらをご覧ください。
 地球温暖化→懐疑論→批判→誤謬→?(1)



前回記事の冒頭で述べたように、私の中では温暖化問題は終わったことになっていました。前回記事の内容の議論を自分の中で重ねた結果、やっぱりCO2犯人説なんて嘘っぱちだと。でも違うんですね。裁判沙汰になってました。まじか!?って感じです。

しかしその前に、温暖化がなぜ起こっているのかという議論を踏まえる必要はあるでしょう。今回はその辺りから再開します。



【温暖化の原因は何?】

①人為的仮説(≒CO2犯人説)

まず、地球温暖化説を唱える学者達の共通項は、それが人為的な原因に由来するという考え方です。こう考える人が圧倒的に多いです。
地球に最も温室効果をもたらすと言われるのは水蒸気ですが、なぜか学者達はいつもCO2=二酸化炭素を悪者扱いします。温室効果ガスと言われるものには他に、メタンやフロンなどが挙げられます。ただしフロンはオゾン層破壊に対する規制によって、排出量が相当減りましたよね。一方のメタンは、主に自然界の動物が排出するので、人の手で削減するのは困難です。
つまり、最も悪者にされているCO2には、実は最も削減し易いという性格もあります。これを俗に「CO2犯人説」と言います。


②地球の活動周期に過ぎない

そもそも地球は、古代から大きなサイクルで寒冷期と温暖期(=間氷期)を繰り返しています。さらに、もっと小さな温暖期と小氷河期のサイクルもあることがわかっています。すなわち、温暖化することそのものに不思議はないので、「今は温暖期です」と断じてしまえばこの議論は一挙解決です。しかし、なぜそのサイクルが生じるのかはわかっていない部分が多く、またあくまでサイクルは予測しかできませんから、メカニズムを説明する筋は通っていても立証が困難です。
 参考:Wikipedia記事「氷河期」


③太陽の影響

他方、全く別の見方もあります。太陽の活動が活発になったから、地球に照射されるエネルギーが増えたという考え方です。太陽影響説です。
実際、これを裏付けるデータは豊富です。太陽の活動状況は黒点の数によって容易に観測できるのですが、黒点は古代からずっと数えられてきましたので、長期に渡る資料的文献が残されています。この説を唱えれば、上記の「地球の活動周期」も説明できます。
なお黒点については、少し前に太陽の黒点が減少しているとか、磁極変動がおかしいなどの報道がなされましたが、今もその状況は続いているようですね。ここ2~3年、世界のある都市の年間気温が急激に低下したとか、突然大寒波が襲ってきたなどの報道が見受けられますが、どうやら辻褄が合いそうです。私の好きな生物学者の長沼毅もこの説を信じていて、間もなく訪れる氷河期に対して警鐘を鳴らしています。
 参考:WIRED(2013.9.18)「極大期でも低調な太陽活動:長期的活動低下も?」


ところで上記のうち、②と③の説を唱える方の一部には、地球温暖化そのものを否定する方もいます。彼らからすれば、これまでの気温上昇は単に一時的な気候の誤差であって、地球自体が温暖化しているわけではないという話になります。ちなみに私個人的は③の説を信じていますが、温暖化そのものについては肯定的な立場です。



【第二のホッケースティック曲線】

そしてここでもうひとつ、面白いグラフの登場です。

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このグラフは、前回記事で取り上げた『科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている』の著者で、東京工業大学の地質学者、丸山茂徳が作ったものです。

皆さん、スゴイと思いませんか。
これどう見ても、CO2が温暖化の原因じゃなくて、温暖化によってCO2が増えただけです。気温が上昇すると海水中のCO2が空気中に放出されるので、地球のCO2濃度は上昇するという説がありますが、全くそのままのグラフですよね。
卵が先かニワトリが先か。もちろん、信じるか信じないかはあなた次第です。(おい)



【懐疑論→批判】

もうこうなると、何が真実かよくわからなくなってきますよね。でも、地球温暖化を唱えている学者にはそれは許せないんだろうと思います。

東大のIR3S(Integrated Research System for Sustainability Science,サステイナビリティ学連携研究機構構想)というところから、無償出版物として『地球温暖化懐疑論批判』という書籍が出されました。公式サイトからはなぜか削除されていますが、ダウンロードは可能でしたのでダイレクトのリンクと合わせて貼っておきます。
 参考:IR3S「その他IR3S出版物」
 参考:『地球温暖化懐疑論批判』(PDF)※重いので注意!

試しに読んでみたのですが、要するに懐疑論を主張する学者を名指しで反論していく内容ですので、読んでいて不快感抜群です。しかも、懐疑論者の著作の一部を引用して言葉尻を捕ったり、7~8割方は重箱の隅じゃないかという印象を受けます。
ただし恐らくは、元々は懐疑論者が始めた批判に対する批判だと言いたいのでしょうから、まぁお相子じゃないという気もしなくはありません。しかし子供じみてます。

これを受けて、批判された側も反撃します。東大を提訴したのです。



【批判→誤謬】

先の『地球温暖化懐疑論批判』の中で名指しされている学者のひとりで、エントロピー学を研究する学者である槌田敦が、2009年に著者と東大を相手取って民事提訴しました。一審は敗訴し現在は控訴中ですね。彼を支援する環境活動家が、以下のサイトでひとつひとつに反論しているので、正直これには驚きました。
 参考:CO2地球温暖化脅威説を考える
 参考:温暖化脅威説を考える「『地球温暖化懐疑論批判』の誤謬」

さらに槌田は、自身の論文を掲載して貰えないという憂き目にもあっていて、どうやらこれが先の温暖化説肯定派学者達の嫌がらせのようにも見えてくるので、彼は日本気象学会も提訴しました。ただしこちらは最高裁への控訴が棄却され、既に敗訴が確定しています。
 参考:Wikipedia記事「槌田敦」

こうなるともう、東大も学会も裁判所も信用できないということになってしまって、もう地球はCO2で温暖化してるでいいじゃんと言ってしまいそうです。



【誤謬→?】

さて、こうして見てきた結果、少なくとも私の認識は誤りだったことはわかりました。
太陽の活動周期でも氷河期到来でも、たとえ地球温暖化が止まったとしても、この論争は決着しませんね。裁判でどちらが勝っても負けても、それぞれ「裁判は裁判」と言い切っちゃうと思います。

もう良いじゃないですか、氷河期が来れば結局は寒くなるんだし、人類も白熊も滅びませんよ。だって、わからないことは、わからないんだもの。地震学批判と同じです。予測できないものは仕方ないじゃないかと思うんですけどね。

結論。誤謬→∞です。

おしまい。



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