例えばこのアンケートサイトでの結果は、ネタとしては笑えますが納得には程遠いですね。
参考:テレビが、つまらない理由は?
唯一、この人の説明はわかり易いなと思ったのが、デーブ・スペクターです。最近はお笑い芸人に成り下がっているとばかり思っていたのですが、Youtubeのこの動画はかなり共感する部分がありました。どっちの路線でもなかなか面白い方ですね。
ちなみに余談ですが、水道橋博士×宮崎哲也のこのシリーズは当ブログと関連するテーマが多く、ネタ元の一部にもなっていますので、いずれの機会にご紹介しようと思います。
参考:博士の異常な鼎談 デーブ・スペクター 後編1/3
さて、私が考えるテレビ衰退の原因は次のようなものです。
【報道姿勢】
一番しっかり作られているのはNHK。これは全く同感です。報道姿勢に賛否はあると思いますが、自らの立ち位置を一番はっきりさせていると思います。とは言え、在京キー局はどこも親会社の新聞社の意向が強く作用してしまうので、当然と言えば当然ですか。
あと個人的には、自然環境や異国文化をテーマとしたドキュメンタリー作品にも同じ感想を持っています。海外へ売れる映像を作っているなぁと感心することが一番多いです。捕鯨反対運動に加担するナショジオよりは志が高いと思います。
【放送責任の転化】
それじゃ他局はどうかというと、どこも「うちは中立です」というフリをしています。コメンテーターの使い方があまりに酷いですね。その道の専門家を呼んでは、局や番組としての主張を代弁させる。意向に沿わない発言をしたら降板ですし、過激すぎる発言をすればコメンテーターの責任にしてやはり降板です。製作責任者の主張が絶対に反映するはずですが、報道機関としては責任を負いません。その先駆者は恐らく筑紫哲也ニュース23で、久米宏のニュースステーションが後追いしていると思います。
さらに、この手法に中心的に加担しているのが、どこがすごいのか全くわからない一流司会者と呼ばれる人たち。上記と全く同じ意図で、司会をジャーナリストでも社内アナウンサーでもなく、タレントに外注します。みのもんた、宮根誠司、古舘伊知郎、小倉智明あたりが最右翼です。
また断っておかなければならないのは、これら番組の多くはニュースをメインコンテンツに置きながらも、報道局/報道部ではなく情報局/社会部が製作しているということです。つまり最悪の場合は「局を代表して報道している番組ではない」という言い訳も成立してしまう訳です。
【キャスティング】
大手プロダクションとの癒着体質も年々加速していますね。ドラマも映画も棒読みタレントばかりです。製作費が縮小する中で大物タレントばかりを起用して、人件費に圧迫されないのでしょうか。無名の若手を集め育成するという発想は感じられません。台本やロケ、CGに金を使う欧米ドラマが流行る理由がよくわかります。
あとキャスティングで言えば、アナウンサーと芸人のタレント化も酷いですね。技術も思想もないアナウンサーと、漫才もコントもろくにできないような芸人。つまり、素人の集まりで番組を作っています。
【映像品質の劣化】
強調したいのですが、低下ではなく劣化です。CM入りとCM明けの演出は本当に酷過ぎます。肝心の結論を出すタイミングでCMを挟み、CM明けには映像を少し戻して同じものを何度も繰り返しますが、その意図が本当に理解できません。さらに、テロップの過多も目に余ります。見ていてとてもバカにされた気分になるのは私だけでしょうか。こんな稚拙な方法でしか数字を取れないことを恥とも思わない製作者に疑問を感じます。
ドキュメンタリー映画監督の森達也によれば、昔のテレビ製作者は自分の番組放送中に地震が起こると怒ったものだそうです。地震速報ですら、テロップによって自分の映像が汚れるのが許せないんですね。今の方々には是非聞いて頂きたいです。
誰がこの国を壊すのか/ビジネス社

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もちろん、テレビ制作の当事者の方々にも事情はあると思いますが、私と似たような不満を持っている方は少なくないですよね。テレビを見ない人が増えているのは、単にYoutubeが普及したからではなく別に原因があるのではないでしょうか。
私自身は、その根本にメディアに携わる人々がメディアの特性を正しく理解していないからではないかと思っています。ということで、次回記事はメディア論の土俵でタブーに挑戦する予定です。ご興味があったらまた読んでください。
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