ある冬の日、僕はフランクフルトからミュンヘン行きの飛行機に乗っていた。
テイクオフするとき、滑走路に雪が降り始めていた、上空水平飛行に移っても下には厚い雪雲が一面に、
機内アナウンスが流れミュンヘン空港への着陸態勢に
時折機体はきしむように揺れる・・・・・
ようやく着陸し、機体がゲートに横付けされたときは、もう外は吹雪きになり真っ白な状態。
空港に降り立ち、様子をうかがうと電光掲示板は次々と欠航の表示に切り替わっていく。
市内へのアクセスもこの吹雪で大混乱しているようだった。
僕は訪問先の会社へこの天候のため遅れることを伝えようと電話を取ったが、電話が通じない。
搭乗する飛行機のスケジュールは、僕の秘書から伝わっているはずなんだけど・・・・
タクシーで出ようと思うがタクシー乗り場には長蛇の客がタクシーを待っていて、いっこうにはける様子がない。
仕方がないから、空港ターミナルビルに戻り、コーヒーを飲みながら天候が落ち着くのを待つことにした。
一時間程待っただろうか、僕の名を呼ぶ一人の女性が近づいてきた。
見覚えのない女性・・・・・
怪訝な目をしていたら、会社の名前を告げて、社長から迎えに行くように指示があったという事で空港まで来たという、
ビックリだよね、こんなひどい吹雪の中をよく迎えにこれたものだと、本当に驚いた。
彼女は明るい笑いを浮かべながら、車へ案内してくれた。
また、すごいところに駐車をしている、正面出口のまん前にベンツの大型4駆が。
まだまだひどい吹雪で、ホントに運転できるの?と訪ねたら、
毎年アルプスへスキーに行くのでこんな天気はへっちゃらだと言う・・・・・
この日はもう会社では仕事はできないということで、宿のシェラトンホテルへ直行し、
食事をご馳走してもらうことに。
社長も後で合流するということで、先にレストランに、30分ほど経って社長が見え、
彼女のことをスーパーウーマンだと話をしたら「その通り、この人はわが社の看板娘だ!!」と自慢をする。
ミュンヘンには情報機器のショーに来たのだが、
この会社はこのショーに展示ブースを持っており、翌日には、この彼女がこのブースを仕切っていた。
スーパーウーマンといえばちょっとごついイメージがするでしょうが、これがなかなかの美人でね
吹雪の時に僕の心の中を吹き荒れた雪女さんだったのかもしれない
もう10年くらい前の話さ





