Fリーグ第3節マッチレポート |  

Fリーグ第3節マッチレポート


こ2戦で9ゴールを奪っており好調の湘南とホーム初戦の浦安、
共に連勝スタートとなった首位攻防戦、

試合は前半後半で両者明暗分かれる展開となった。


 まずは前半、浦安はスタートからイプシロン形のゾーンのハイプレスを見せるが、
完成度が低く、前の2人と後ろの2人が連動しない。
ディフェンス間でズレが生じたところを湘南にうまく使われる。

 一例を挙げると、湘南はボールを持っていない自陣の選手が縦へ行くふりをし、
前の2人の間のパスコースへケブラする。
浦安は前の2人と後ろの2人の距離が遠いため後ろの2人はマークに付ききれない。
すると、ボールホルダーは前の2人の間にパスを通せば
数的優位の形が何度も生まれる。


 先制点もそのパターンから生まれた。
2分、自陣右サイドで豊島が相手のハイプレスを受けながらも
右サイドまでケブラした大地へあっさり縦パスを送る。
その際、相手ディフェンス後ろの2人が右サイドへ引き寄せられてしまう。
それを見た大地は左サイドでフリーになっていた岡田 ジオゴへパスを送る。
パスを受けたジオゴはGKとの1対1を豪快に叩き込み湘南が先制
湘南はあっさりとプレス回避をやってのけた。


 さらに、勢いそのままにたたみ掛けたい湘南に対し、
浦安はここで稲田を投入し、相手の勢いの沈静化を図る。
稲田が左右に流れたところに川原らが正確なロングボールを送り、
稲田がそこできっちりとキープする。
これを数回繰り返し、相手の勢いの沈静化には成功する。
だが、この展開から得点を奪うまでには至らない。


 両チーム得点を奪えずこのまま前半を終えるかと思われた終了間際の19分、
左サイドのキックインから豊島は右サイド野嶋の縦へのスペースへロングパスを出す。
そのパスに野嶋が跳ねるように疾走し追いつくとそのままダイレクトで折り返す。
あとは中で待ち構えていた大地が合わせるだけだった
湘南は待望の追加点を挙げ2-0と理想的な形で前半を折り返す。





多くを語らない野嶋は、プレーでしっかりと存在感を示した。


 半あまりいいところのなかった浦安は、後半徐々に本来の力を見せる。まずは、

「前半マークが定まらないという問題に直面したので、一度ディフェンスをハーフラインまで下げ、マンツーマンで対応しそこからアプローチをかけ直させた」(シト監督)

と言うとおり、精度の低かったハイプレスを止め、引いて守りマークを確認すると守備は徐々に安定する。

 さらに、
「前半はピヴォに対して複数の選手にマークされていたが後半は周りの選手が飛び出すことによってピヴォが1対1になる状況を作れた。相手のマークがゆるくなったんじゃなくて、しづらくなったんじゃないか」
藤井が言うとおり、浦安は後半複数の選手がスペースへ飛び出すようになる。

 それにより、湘南は前半良かったディフェンスが後手後手に回り、
局面では稲田と野嶋のマッチアップが度々見受けられるなど明らかに混乱し、
リスクの高い状態になっていった。

 そんな状態で迎えた26分、浦安は1分前にも見せていた中島と稲田の2人の関係から1点を返す。
ピヴォの位置に入っていった中島が稲田のパスを受けるとそのまま反転シュートを決める。

 2-1と1点差となり俄然盛り上がる会場。臨場感といい、
観客のリアクションといい浦安は
圧倒的なホームアドバンテージを見せつけた。

 さらに31分、
「後半は仕掛けて行くことを意識した」
と言う稲葉のミドルシュートのこぼれ球に反応した高橋がらしい"健介ゴール"を決め、
浦安はついに2-2の同点に追いつく

 だが、喜びもつかの間、その直後、
阿久津のロングボールのこぼれ球を野嶋が拾い大地へつなぐ。
最後はそのリターンを受けた野嶋が決め、またも湘南が3-2と勝ち越す

 この1点は大きいかと思われたが、既にエンジンのかかっている浦安も反撃をみせる。
32分、高橋のパスを左サイドで受けた小宮山のゴールで同点とすると、
36分にはCKに藤井が合わついにこの試合浦安が4-3とリードする。




決勝点を叩き込んだ藤井。この試合も好調だった小宮山・中島と喜びあう。


 リードされた湘南は38分、ゴレイロとなった岡田 ジオゴが
右アラに入る新しいパワープレーを開始する。

 だがその形はスムーズにいかず、さらに
「相手に研究されていると感じた」(岡田 ジオゴ)
ため、急遽岡田 ジオゴを中央に戻し、いつものパワープレーの形に切り替える。
何回かチャンスを作ったが得点には至らずこのまま試合終了。
最後はこの日怪我で欠場した奥村の不在が響いた形となった。


 合内容としては
「お互いにミスがあり(勝敗が)どっちに転んでもいい試合」(藤井)
であったため期待していた極上の試合にはならなかったが、それでも両者拮抗しており、
3節を終えた時点で1,2を争う好ゲームであったといっても過言ではない。

 あえて、今日の試合で勝負を分けたものが何かを挙げるとすれば、
守りきるセットがあるなどやや浦安に適材適所な選手の層が厚いこと
勝負所で的確な指示のできる経験のある監督の有無と
ホームアドバンテージであろうか。





観客はチームのボードを掲げ、ホームを盛り上げた。


 対する湘南は、
「前半のマークはパーフェクト」(岡田 ジオゴ)
と言うとおり、
前半はハーフウェーからのマンツーマンが機能し圧倒したが、
後半相手の変化に対し修正できず痛い星を落とした。
今後競ったゲームを物にするには、ベンチワークを含めそこが鍵となるだろう。


 かくして首位攻防戦は幕を閉じたが、まだリーグは始まったばかりである。
現に両チームの選手は共に、チームの完成度は100%には程遠いと口々にしている。
では、チームの完成度が100%に近づいた状態で次はどちらが物にするのだろうか。
ただ一つ言えることは、優勝候補の一角であるこの両者の次回の対戦がより
ハイレベルな戦いになることだ。

次の対戦が今から楽しみである。



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