地元の小学校で不登校の子どものための別室を作るため、
不登校支援をしている私たちの話を聞きたいという
ご依頼がありました。
ここ、1~2年の間、杉並区内の公立小中学校では、
不登校の子どものための別室が
少しずつ用意されるようになってきています。
それ自体はとてもありがたいことなのですが
実のところなかなかうまく回っていないという話も
耳に入ってきます。
その意味で、開室前に校長先生が私たちの意見を聞きたい、
というのは、とてもありがたいことだなあと思いました。
最初に、別室を作る目的やどのような姿勢で進めていくのか
また、ボランティアにどのような人たちが来るのか、
といったことを校長先生から説明してもらいました。
レジメの最初に
「この教室の目的は学校復帰を目的として……」と、
書いてあり、
あ、ここからなのか、と思いました。
また、校長先生のお話の中に出てきた
「不登校の子どもは『不幸』」
という言葉も気になりました。
まず、学校復帰を目指すことが、
不登校の子どもを苦しめてしまうこと、
それから、学校へ行っていることが『幸せ』と思うことが
今の世の中を象徴しているように感じました。
世の中の「学校へ行くことがすべて」
という見方が変わらない限り、
不登校の問題は解決しません。
今は、学び方はいくらでも自分で選べるはずです。
でも、誰もが
「学校へ行かなければいけない」と
考えるから、不登校が苦しくなってしまうのです。
校長先生の立場や、対外的に説明する際に
「学校復帰」が便利な言葉だということも理解できますが
残念だな、という気持ちがしてしまったのも事実です。
また、先生方に悪気がないところにも、
まだまだ道のりの遠さを感じます。
それでも、不登校の子どものための別室があることで
救われる子どもがいることは確かだと思います。
それで安心する保護者もいることでしょう。
多くの学校が別室を作り、
その事実が積み重なって、
少しでも、不登校の子どもが救われればいいな、と
思いました。