私の勤めている塾の新年度が始まったばかりのころ、
小4の男の子がお母さんに連れられてやってきました。

何人かの先生の個別の体験授業を受け
最終的に私の体験授業が気に入ったということで
入塾することになりました。

その子は、国立の小学校に通い
知能指数が非常に高く、理科は抜群にできるとのこと。
一方、私が担当している国語の成績がひどく悪く
授業中も落ち着きがなく成績が伸びないとのことでした。

他の先生には
「あの子、たぶんLDですよ。
やっかいですね~」
なんて、言われてしまいましたが(><)

心の中で
「そういう子慣れてるんで^^;」
と思ってましたが^^;

彼が私を気に入ってくれたのも
たぶん、「そういう空気」を感じたからなのかなー、
なんて思っていました^^。

授業を始めてみると
とにかく文字を書くのが苦手。
筆圧も薄く、字の形がきちんととれない。
ははあ、書くのが苦手だから国語が嫌なんだなーと、
すぐにわかりました。

試しに「書かなくていいから言葉で答えて」
と、読解問題を解かせると
内容はきちんと理解しているのです。

そこで教室長を通して親御さんに
「国語ができないわけではない、
文字を書くのが不得手で嫌いなので
苦手意識が強いだけ」
と、伝えてもらいました。

そんな調子で書くことは後回しにして
できるだけ国語の楽しさを伝える授業を
3カ月間してきたのですが

先日、親御さんから
「国語の成績がちっともあがらないから塾を変える」
と、連絡が来てしまいました(><)

親御さんとしては
知能が高いのに、どうして国語の成績が伸びないんだ、
と、イライラしているのでしょう。

親御さんは、この子の苦手な部分と
得意な部分について
ちっとも理解していないのです(><)

知能が高ければ、成績が伸びるはず、
伸びないのは塾の指導が悪いから、
と思いこんでいるのでしょう。

この子に合った教材を使って
ある程度の時間をかければ国語力も伸びていくはずなのに
それを直接親御さんに伝えられないのは
歯がゆい思いです(ToT)

親の理解がないまま、
あちこちの塾に連れまわされる
この男の子の後ろ姿を見ながら

親だけは、きちんと自分の子どもの特性を
理解しなければ……と、悲しい気持ちになりました(涙)