● 子どもの揉め事は、悪質化しないように見守るだけにかぎります
こんにちは、小松です。
あなたは、子どものケンカは良くないと思っていませんか?
子どもは、ぶつかったり、揉めたりすることで、人間関係を学んでいきます。
誰かに親切にできなくても、それも何かの経験になります。
Sちゃんの事例−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
Sちゃんは、中学2年生の女の子です。
図書室に、4、5人で来るグループの1人です。
ある日、Sちゃんは、私の腕を引っ張り、ないしょ話をしてくれました。
「貸したい本があるの。でも、先生以外には見せたくない」
という内容でした。
私は、「わかった」と伝えて、Sちゃんと離れました。
ところが、Sちゃんは、「先生に本を貸す」ことは、みんなに話します。
でも、何を貸すのかは、ガンとして言いません。
話半分を聞かされた周りの子たちは、明らかにモヤモヤしています。
いい本があるけれど、自分はその情報を教えてもらう立ち位置ではない!
との宣言なので、楽しくありません。
しつこくしつこく、Sちゃんを問いただします。
それなら、端から先生との本の貸し借り自体を秘密にすればいいのですが、そうでなはいのです。
「私は、先生と親密な仲なの。あんたたちなんか、目じゃないのよ」
彼女の意図は、ここにあります。
なので、見せびらかす必要があるのです。
Sちゃんの思惑通り、周りの子は、自分たちよりも、Sちゃんが先生を選んだことと、どんな本をやり取りしているのかが気になって仕方がありません。
Sちゃんは、とても満足そうでした。
どちらかというと、地味で、騒ぐタイプではないSちゃんのこの行動は、とても興味深いものでした。
私は、約束を守り、借りた本の情報は、誰にも言いませんでした。
私が、承知しているからか、周りの子たちは、それ以上の追求はしなくなりました。
借りた本は、長編シリーズものだったので、5冊ずつ借りては返すを繰り返す私たちが気になりつつ、誰も割って入ることはしません。
あるとき、Sちゃんのなにかが満足したのか、みんなに本を見せたのです。
そうしたら、
「私もこれ知ってる!」
「面白いよね」
と、口々に言い合いました。
不思議なことに、Sちゃんの立場は悪くなることはなく、本を見せたSちゃんのことも、みんなすんなり受け入れたのです。
大人の目線では、「意地悪をしないで貸してあげなさい」と、言いたくなります。
でも、中学1年生です。
そんなことは、百も承知です。
Sちゃんは、なんらかのことが引き金となって、周りの子たちに意地悪をするのが目的で、私との秘密を見せびらかしたのです。
他の子たちに、心当たりがあったのか、それ以上にSちゃんのことを大切に思っていたからなのかは、わかりません。
でも、成り行きを見届けた私としては、Sちゃんにとっても、周りの子たちにとっても、いい経験をしたということです。
もし、口を出して、Sちゃんの行動を咎めていたら、形だけのいい子になります。
私にも、心を開かなくなり、偽りの姿しか見せなくなります。
そうすると、人間関係は陰湿になります。
怪我をしなければ、正々堂々とぶつかる方が、健全なのです。
そして、なにかあっても、許し許されることは、子どものうちに、たくさん経験する必要があります。
安心して安全に、大人のそばで、たくさん自我のぶつかり合いをさせる。
そうすれば、ただの相撲のぶつかり稽古になります^_^
知っていれば、対処ができるので、兄弟げんかなり、子どもの小競り合いは、面と向かってさせてあげるのをオススメします。
以上です。
今日も、ありがとうございました!