娘は中学校の制服も買わず、入学式から1日も行かず卒業式を迎えました。
小学校卒業して中学校どうしようか?と思って「シューレ」に相談の電話をしたことがありました。
シューレはその時の代表奥地さんの不登校の本を読んで知っていました。
奥地さんは確か横国出身で小学校の先生をやっていて、息子の不登校をきっかけに、学校のあり方を考え教師を辞め、フリースクール「シューレ」を作った人。
私は子どもを中学も行かせたくなかったけど、本当に行かせなくていいのかわからないし、不安だから電話をしたんだけど、すごく緊張したのを覚えてる。
多分、出たのは代表の奥地さんだと思うけど「なんですか?」とぶっきらぼうな感じで、写真でこわそうなおばさんだなと思ってたけど、やっぱそんな感じだった。
「小学校不登校で中学も行く気がないんですけど、行かなくても大丈夫ですか?
中学校に手紙を書いて送った方がいいですか?」と聞いたら
「そんな手紙書かなくていい。
小学校行ってなかったら、中学も行かないだろうなと向こうも薄々わかってるから、行かなければ、向こうからなんか言ってくるしそれでいい」と言われました。
言葉は少ないけど、逆にそれがすごい安心感になりました。
小学校は入学式行ったけど、中学校に最初から行かないというのは、すごく勇気がいるし、
すごいおかしなことをしてると思ってるし、まわりに相談しても「我慢して行かせろ!」しか言われないから、
奥地さんの言葉で「行かなくていいんだ!大丈夫なんだ!」と思って中学も不登校という選択をしました。
中学の3年間はあっという間に過ぎた。
娘は数検受けたり、私が仕事してる間ご飯炊いて待ってて、帰ってきた私のグチに付き合ってくれたり、
休みの日は仕事のストレスで弾丸でディズニーランドにクソ暑い夏の日にいきなり「今日行く!」と言ったり、
熱海に泊まりで旅行したり、とにかく私の仕事のストレスに付き合ってくれた記憶しかない。
中学校からは入学前ハガキが来て、行かなかった間も学級通信がたまに送られてきた気がする。
卒業前「卒業アルバムどうしますか?」とか、卒業式の前も中学校側はうちに気を使って、娘が出れるように考えてくれたけど、
正直、私はほっといてほしいと思っていた。
自分の子どもが忘れられるのが嫌だから連絡をマメにしてほしいと思う親もいるだろうけど、
私は逆で「学校に行け!」と言われる義務教育が早く終わってくれ!と思っていた。
うちから連絡したら、向こうは「来い」と言ってくるだろうから、連絡せずに卒業式当日を迎えて、どうなるのか?ドキドキしてたんだけど、
多分、式が終わった3時くらいにピンポーンとチャイムが鳴って、居留守を使ってたら
「伊藤さーん!卒業おめでとうございます!
卒業証書かけときます。おめでとうございまーす!」
と若い男の人の声が玄関の外から響いてた。
なんか申し訳なさと、恥ずかしさと、申し訳ないのが1番だな、出てあげればよかったのかなとか、
「なに今のー。校長先生自ら来たのー」とか言って笑ってた記憶がある。
その卒業証書を見て「やっと義務教育が終わった。もう学校行け!と言われない」とうれしい気持ちで娘とハイタッチしたけど、
同時に高校が決まってない、社会に放り出された気分になった。
高校のことやその後のことは、もちろん私はちゃんと考えてたし娘と何回も何時間も話していた。
てんかんという病気は小学5年生くらいで治ってたけど、元々発達障害っぽいし娘の仕事や将来10年後のことも考えて、
中学卒業後はバイトをして、高卒認定を取って専門学校に行かせようと思っていた。
結局いろいろあって、1年空けて定時制高校に行くわけだけど、その入学手続きで私は初めて娘の中学校に調査書をもらいに行った。
「連絡せずにすいません。娘が定時制高校に行くので調査書をもらいたいんですけど」と電話したら
「心配してました。連絡ありがとうございます。定時制高校行くんですね!わかりました用意しておきます」と言ってくれました。
定時制は4年間なので卒業時娘は20歳で、大学受験をするわけだけど、その時手続きでマイナンバーカードを作って、その時に中学校でもらった卒業証書を身分証明書で出したのはうちくらいだろう。
ゆたぼんのように卒業証書を破らなくてよかった。
式に出てないのに校長先生自ら卒業証書を持ってきてくれてありがとう!と心から思った1日でした。