不登校のお子さんを持つ親御様から、「本のアドバイスをもとに声をかけてみたけど、上手くいかない」「自分のやり方が間違っているのでは」といった声をよく耳にします。

 

今回ご紹介する著書『子どもが不登校になっちゃった!』 は、そうした悩みに寄り添いながら、「なぜその対応がうまくいかないのか」「どう関わればよいのか」を具体的に示してくれる一冊です。

 

著者のランさんは、元・不登校保護者としてのリアルな体験談と、不登校コンサルタントとしての客観的な視点をもとに、共感と納得の両方を与えてくれます。

私は次の2つのポイントから、不登校に悩む親御さんに本書をおすすめしています。

 


① リアルな体験談と「なぜ」の整理がセットになっている

本書の前半で語られている「不登校あるある12選」や「親の失敗10選」はどれも生々しく、親としての焦りや失敗が率直に描かれています。

たとえば、担任の先生から「休みが続いて勉強が遅れると、ますます学校に行けなくなる」という言葉をかけられて焦ってしまったことで、

 

毎朝子どもをたたき起こし、学校に行けない理由を問い詰め、学校と同じ時間割で自宅学習をさせた結果、状況がますます悪化してしまった

というエピソードがあります。

 

本書の特徴は、こうした失敗を単に共有するだけでなく、「なぜ逆効果だったのか」「どうすればよかったのか」まで整理してくれていることです。

先ほどのエピソードであれば、

「学校に行けない理由を答えられないのは、子ども本人も理由を言語化できていないから」

「子どものエネルギーが十分に回復していない段階で親からの要求を重ねると、子どもの自己否定感だけが強まる」

といった説明がなされています。

 

そのため読者は、「うちも同じだ」と共感するだけでなく、「だからあの対応は逆効果だったのか」「外してはいけないポイントはそこだったのか」と納得できます。

リアルな体験談に「なぜ」が添えられていることで、共感が理解へ、そして実践へとつながるのです。

 


② 回復までのステップが整理されており、共感と理解を実践につなげられる

本書の後半では、 「不登校回復までの7つのステップ」 と題して、子どもの状態の移り変わりを段階ごとに示してくれています。

 

これは、「今はこの段階だから焦らなくていい」と親御さんが納得して向き合える助けになると思います。

 

続けて著者は、不登校から脱出するためのキーポイントは、「子どもの自己肯定感を高め、自己受容ができるようになること」と挙げています。自己受容とは、自分のあるがままを自分自身が受け容れられるようになることです。

 

そこで、「不登校脱出に向けて親が取り組む4つのステップ」と題して、次のような具体的な取り組みが紹介されています。

  • 心の回復のプロセスを知り、見守る

  • 感情を子どもと切り分ける

  • 詰問ではなく共感で会話する

  • 小さな成功を認めて自己肯定感を育てる

これらはどれも日常に取り入れやすく、結果を急ぎがちなシーンでも「落ち着いて伴走する」視点を与えてくれます。

 


まとめ

『子どもが不登校になっちゃった!』は、リアルな体験談に「なぜ」が添えられているからこそ、共感と納得を同時に得られる一冊です。

 

さらに回復までの道筋も整理されているので、親御さんは自分の子どもに合わせて具体的に考え、行動することができると思います。

 

ご参考になれば幸いです。