SONGS「松任谷由実」(NHK) | グッときたテレビ番組、オッと思った新聞記事

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普段は、ぼーっと見ているテレビ番組だが、たまにグッとくる番組がある。
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 10月6日のSONGS「松任谷由実」は面白かった。

 多くの人は当たり前に知っている話かもしれないが、おっと思った話その1。


 2012年、ユーミンは自らの原点を見つめ直すため、母校・立教女学院を訪ねました。ユーミンが音楽の道を歩み出すきっかけとなったのが、この礼拝堂(聖マーガレット礼拝堂)。初めて聴いたパイプオルガンの音色に心を奪われたユーミン。独学で作曲を始めました。

 その頃出会ったのが、「青い影」。イギリスのロックバンド、プロコルハルムの代表作です。 

 ユーミン(自分にもできるかもしれない。ロックと教会音楽を橋渡ししてくれるみたいな、もっとそのギターに夜ロックをずっと聴いてたんですけれど、キーボードでのロックができるかもしれない」

 そんなユーミンが教会音楽とロックを融合して作ったのが、「翳りゆく部屋」(1976)。


 おっと思った話その2。

 そして2020年。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、外出自粛が叫ばれた日々。ユーミンは自宅にこもって、夫でプロデューサーの松任谷正隆さんとアルバム作りに挑んでいました。


 ユーミン「どのくらい疲れましたか」

 松任谷正隆「吐くほど疲れました」

 ユーミン「吐いて」

 松任谷正隆「しかし。この年にしてまだ伸びしろがあるじゃないですか」


 完成したアルバムは「深海の街」。世界が海に沈んだら愛しか残らない」。コロナ禍の世界に向けてどうしても発表したかった作品です。


 ユーミン「クリエーターとしてね、こんな未曾有の年を記さずにおくものかみたいな。だって歌っていう形じゃないと残せない言葉がいっぱいあると思う。100年後にこれを聴いてもらって誰かがそのときに日本の国があるかどうかもわからないけれど、日本語もどうなっているかわからないけれど,日本のなんかシンガーソングライターがこういうことをね、コロナの最中に作ったんだって思ってもらえたらなあって」

 

 100年後、日本の国があるかどうかもわからないけれど、か(汗)。


 おっと思った話その3。

 大泉洋「昔から宇宙への思いが、お強いんですか」

 ユーミン「強いです。わたしは80年代の頭に、特に、具体的に歌で宇宙のことを言いたいなっていうのがあったんですね。もう亡くなったけれど、小松左京さんっていう学者でもあり小説家でもありっていう方にすごい影響を受けて、その小松左京さんの『さよならジュピター』っていう映画ー原作で監督もされたーその主題歌を依頼されて、その時にいっぱいお話したりとか、自分でも勉強したりとかして、もっともっと興味が深くなったんですね。で、その時に作った歌が『VOYAGER〜日付のない墓標〜』(1984)という曲で、去年、シン・エヴァンゲリオンの中に使っていただいたことで、すごく理解してもらえた。あの80年代頭の曲なんですけれど、ある種、ヒーローの悲しみみたいなものなんですね。傷ついた友達さえ置き去りにできるソルジャーっていう歌詞で始まるんですけれど。置き去りにする側も辛いっていうことがあるじゃないですか。あまりそれが歌になっている野は見たことがなかったんだけど。何か、その感じ、やっとわかってもらえたなと思います」


 おっと思った話その4。

 大泉洋「今年でデビュー50周年ということで今夜の1曲目に歌っていただくのは1975年に発表されました『あの日にかえりたい』という歌でございますが、この曲はどういう思いで作られた曲なのでございましょう」

 ユーミン「これも不思議な曲で、最初、違う詞を付けて歌ってたんですけど、ドラマの主題歌の話が来て、そのディレクターの人にね、曲は大好きなんだけど詞が世界が違うからと。で、詞を丸ごと書き直したんですよ。それで私にとっての初なシングルナンバーワンヒットになったんですけれど」


 ユーミンも苦労したんだ〜(汗)。


 おっと思った話その5。

 大泉洋「すべてはご自身の経験の歌ではないんですね」

 ユーミン「もちろん。そんな、身が持ちませんよ。ファミレス伝説とかあるんですけれど。ファミレスで他人の話を聞いてメモしてって。まあ、たまにはあったかもしれないけれど、でも人の話は普通に会話の中でよく聴いてるし、映画や小説、ある時は絵画とか。なんか絵画のタイトルでひらめくこともあるし、そういうのが複合的に後で出てきますね」

(中略)

 JUJUさんが愛してやまない真珠のピアス(1982)。

 彼のベッドの下に片方捨てた

 Ah…真珠のピアス

 大泉洋「そっと置いてくって、男にしてみたらこんな怖い話しないみたいな」

(中略)

 ユーミン「たいてい曲先なんですね。そこに乗せていくときに、なんかそういう響きが聞こえるみたいな。真珠のピアスみたいに聞こえるんですよ。その話自体はね、昔、サポートしてくれてためんばーが、本命の彼女じゃないところに手を出したら、車の助手先にイヤリングを落とされたっていう話をしてて、あっいただき、って思ってたものが、その曲を作って

いる途中で、あっ、そういえばそういう話があったなっていうストーリーになっていったりとか」

 大泉洋「えっ、これ俺の話じゃね?って人はどこかにいる」

 ユーミン「そうですね。パーソナルなところに掘り進んでいくと、ある時から急に一般性を帯びるという法則を持っています。ずっとやってきてね。なんか、みんなにわかるように、みなさーんってやるものよりもどんどんどんどん個人的な感情にー私個人というよりも歌の中のパーソナルなところに入り込んでいくと、あー、あるあるになるんですよね。不思議と」


 ユーミンはやはり時代の巫女のような方だなと改めて思った。