インテグラルトレーニング 7 | 日本FUTSAL は スペインFUTBOLSALA を越える

日本FUTSAL は スペインFUTBOLSALA を越える

スペインのバルセロナからFUTBOLSALA(スペインではフットサルのことを「フットボールサラ」と言う)の情報を発信します。

さて今回長々とやってきたインテグラルトレーニングですが、今回がまとめです。

まず言っておくべきことはインテグラルトレーニングは最高のトレーニング方法というわけではありません。

練習は前述のアナリティック、グローバル、そしてインテグラルトレーニングへと発展的に進めるべきであり、おそらくこのブログを呼んでいただいている皆さんも理解されていると思いますが子供だからといってインテグラルトレーニングに固執することは間違っていると考えます。
また逆もしかりで大人だからといってアナリティックなトレーニングの割合が多いのも良いことだとは言えません。


持っている選手の質・特徴を理解してバランスよく練習に配分していくべきなのです。


ではなぜインテグラルトレーニングを取り上げたのか、それは私たちが最終的に競技性の高い試合で戦っていく上で欠かせないトレーニングだと思うからです。

日本もスペインも同様だと思いますがアマチュアでも、そしてプロであったとしても十分に練習することは簡単なことではありません。
普段働いている人が平日にチーム全員集まって2時間練習をすることは簡単ではないでしょう。
そして上を目指せば目指すだけ必要な時間が増えていきます。

つまり短時間でタクティクス・テクニック・フィジカルを同時にトレーニングできる要素を持つインテグラルトレーニングを用いることはとても有意義なことだと思うわけです。


今回私が提案したインテグラルトレーニングですが、実は練習番号1,2に関してはインテグラルトレーニングの要素がありますが、練習番号3,4に関してはグローバルトレーニングとして紹介しています。

実際の状況に近いものを作り出して行うのがインテグラルトレーニングとするならば、カウンターのない練習番号3はグローバル、この日の練習が対4-0なので一方のサイドのデフェンスを想定し行う練習番号4はもちろんタクティクス・テクニック・フィジカルの要素はあるのですがパスコースが一人、限定されたゾーン、とはいえゴールも広くしかもすぐにボールが出てしまう可能性があるので練習番号3同様これもグローバルトレーニングとします。


なぜインテグラルトレーニングだけではないのかというと、行いたい・たどり着きたいところへすぐにはいけないということを理解しておかなければいけません。
いきなりやったことがないことをやれといってもできませんし、かといって簡単なことだけやっていたらそこより先には進めません。

1日の練習の中でも(1週間でも1ヶ月でも1年でも)徐々に目的に向かって進めていくことが大事です。
そこで選手達に徐々に最終段階である試合形式に向かっていけるよう難易度を設定し練習を描いてみました。
少しずつ練習に参加する人数が増えていることで難易度が増し実際の状況へ近づけています。


本来は、
「アップ→練習番号4→3→2→1→試合形式→ダウン」
というように組んで進めていきます。

さらにアップの中で攻撃システム4-0の中で行われる細かいからだのフェイントを想定し狭いゾーンの中で”鬼ごっこ”を入れたり、練習2,3,4で何度も行われるであろうパラレラやダイアゴナルを入れたアナリティックなシュート練習を入れることで選手もより練習に入りやすくなると思います。


いかがでしょうか?
少しは練習イメージが沸いてきたのならうれしいです。

最後に、私がいつもこのように練習を組んでいるわけではありません。
自分の持っている選手、目的、時間などいろいろな要素が複雑に入り組んでいてその時に応じて臨機応変に対応を迫られています。

最高の練習メニューというのは存在しません。
チームを一番よく知っているコーチの方がその時よりチームにとって必要なものを用意する必要があります。
だからできるだけ自分のチームを知ることで練習時間を有意義に使えると思います。
大事なのは練習を考える際に、これから立ち向かう目的を獲得するための練習を描くこと。だと思います。

私もまだ勉強中です、皆さんと良いフットサルをつくり出していければと思っております。
また気づいたことがあれば記載していきたいと思います。