今回で日本対コロンビアの分析を終わらせます。
最後の3失点目と4失点目をまとめてやります。
3失点目の直前でギリシャはコートジボアールに勝ち越していて日本はグループリーグ突破のためには実質3点が必要な状況でした。
ある意味、2失点目で日本の突破の可能性はかなり遠のいていました。
後半動画上記動画の試合時間80:55で本田が今野からのトラップを足下に止め、相手のCBがDFラインを抜けて寄せてます。
トップレベルの選手を相手にするときはコントロール・オリエンタードで置いて行かれる可能性があるので、守備側は慎重にトラップを見極めるのが普通なのですが、おそらくここまでの本田にそういうプレーがないので、相手CBは足下のトラップを予測して奪いにきたのだと思います。
実際、本田はこの対応を予想できずボールを足下に止めて簡単に奪われてしまいます。
ここが失点に向かう端緒でした。
長谷部がカウンター潰しのためにインターセプトを狙いボールに触れますが完全に自分のボールとできず相手にボールが渡ります。(80:59)
ここで問題になるのは長谷部の対応です。
長谷部はハメス・ロドリゲスへのパスコースを消しながらプレスに行きますが、相手がパスコースを消すことを最優先にしてボールを奪う気がないことを完全に見透かし、ここでコントロール・オリエンタードで長谷部のいる方向と逆の方向にボールをコントロール。長谷部はここで疲労があったのか、自分の体を止めきれず、完全に相手にかわされてしまいます。
この場面におけるボランチの対応としてはパスコースは防ぎつつも相手がコントロールするときは体を止めて動きをよくみて、そのコントロール直後の瞬間にファール覚悟で相手をボールごとぶつかって止めるのが正解です。長谷部の守備は疲労があったとはいえあまりにも淡白な守備でした。
前回の記事でいったように2失点目の大きな原因は長谷部であり、3失点目も長谷部の守備ミスからカウンターが成立しています。ザックが2失点目の直後に山口を投入しましたが、そこで青山ではなく長谷部を下げていれば防げた失点かもしれません。
いずれにせよハメス・ロドリゲスがフリーでボールを受けて前を向くも全力で山口螢が戻り3対2で数的優位の状況を何とか回復します。(81:05)
しかしコロンビアのジャクソンが内田の背中をうまくとり、彼の死角から裏のスペースに飛び出します。内田は視野に相手を入れきれなかったために対応が遅れ裏のスペースを取られてしまいます。ハメス・ロドリゲスが工夫してるのは体を横に向けて横パスを出すと見せかけておいて正確なタイミングと強さで縦パスを出しているところです。(81:07)
結局、内田はこのジャクソンのフェイントに引っかかり失点するわけですが僕が少し気になるのは内田の追いかけ方です。シュートブロックに行くのであれば相手選手にまっすぐに追いかけるべきですが、なぜか回りこんで相手と距離をつくりシュートブロックができない状態を自らつくってしまっています。
もっとまっすぐに寄せていれば相手の切り返しでボールが奪えていたかもしれません。
いずれにせよこれで試合としてはほぼ終わってしまいました。
88:34から柿谷が中を見ないでクロスを上げて相手ボールになったところから4失点目の攻撃を受けます。
この時点で内田が明らかに疲労で厳しいマークができず、簡単に縦パスの成功を許します。(88:43)
ここで守備をサボったのは交替で入った清武でした。FWの大久保が戻りきれていない状況であり、清武がもっと中に絞って中盤での数的不利を解消する必要がありました。(88:46)
清武が中途半端なポジションで何もしないために山口がプレスにいきますが、清武が守備に戻らないことをコロンビアの選手は感じて、清武と長友の間にある広大なスペースに動いてボールを受けます。長友は自分が対応すると最終ラインが数的同数になるので前へ出れませんでした。ここでは相手のパスコースを限定するためにも勇気をもって飛び出すべきだったと思います。
結局、プレスのかからない状態でパスが自由にまわされ、内田も最終ラインに戻れずハメス・ロドリゲスの対応を吉田一人が背負うことになり、綺麗にフェイントで崩されダメ押し点を入れられます。(88:58)
交替で入った一番元気な選手が守備をサボれば守れるものも守れません。はっきりいってこれも結果的には采配ミスといえます。
総括すると今回の代表には技術はないけど、強い守備ができる選手、チームの為に走れる選手、オシム風にいうと「水を汲む選手」が不足していました。選手交替をすればするほど守備がどんどん弱くなるのであれば、チームとしてはどうしようもありません。
ザックの問題でもありますが、4年間の長いスパンで選手のパフォが下がっているのに過剰評価したまま本戦に挑み、新しい選手の入れ替えを行わなかったのが問題だったと思います。
全く今まで招集しなかった大久保選手が一番よいパフォを見せていたことが何よりの皮肉です。
シーズンのほとんどをベンチに座っていた選手、怪我明けで全くパフォが上がらない選手、チームを降格に落とすようなレベルでしかプレーできなかった選手、世界のトップどころかJ1であっても全くいいパフォを見せていない選手、これらがスタメンを連ねていたこと。
これが大きな問題だったと思います。
コンフェデ杯で惨敗し4年間の積み重ねが雲散霧消したにもかかわらずチームをモデルチェンジせず、W杯前の練習試合でもパフォが全く上がらない選手に無駄に試合時間を与えてオプションを全く模索しなかった結果が正直に現われたという印象です。
逆にいうと長い期間チームを持っていると選手に情が湧いて、過剰評価をし公平な評価ができなくなるというひとつの例でもあり自分自身、こういう失敗をしてはいけないなという反面教師にもなりました。
戦術面を含めた課題についてはそもそも代表監督ができる限界というのを今回は感じていてそれは次回の記事にします。
それではまた。