代表監督が決まらない理由を知って | 日本で活動中のサッカー監督のブログ

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バルセロナで修行してきましたが、2017年より日本で活動しております。

次期日本代表監督を探して奔走している
原博実さんの記者会見の全文を読みました。↓

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/text/kaiken/201008240004-spnavi.html

9月4日の親善試合であるパラグアイ戦まで
代表監督が決まらない可能性が高くなり
立場が苦しい中での会見でした。
技術委員長としての進退をきくような
意地悪な質問も記者からでる中、
原さんからいろいろ興味深い話も聞けました。

まずは日本のマーケットではなく世界のマーケットで
日本代表監督を自ら探しにいくのは、
日本サッカー史上はじめてということ。
確かに外国人の代表監督は過去にたくさんいましたが
みんな国内のマーケットであったり、南米や
ヨーロッパのマーケットにのらない未知数の
(悪くいえばあまり評価されていない)人
だったということですね。

もちろん日本人の特性をよく理解していて戦術面でも
世界レベルで通用する日本人監督はいると思いますが
何よりインターナショナルな環境でかつ精神的にハイプレッシャーな
中で、平常心を保って仕事をこなすためには
やっぱり経験が必要と僕は思います。
そういう意味で原さんの考え方は間違ってないと。

前レアルマドリ監督のペジェグリーニと交渉したあと
最後に日本代表監督を拒んだ理由として
4年間、日本にいることで欧州のマーケットから
忘れられることを心配していたという話がありました。
これはアーセンベンゲルが名古屋グランパスを一年で去ったときと
同じ理由です。実際、ベンゲルはアーセナルの監督のオファーを
受けたときに評価されたのは日本での実績では全くなく
欧州での実績だったという話も思い出しました。

過去の自分もそうでしたがヨーロッパで名を上げている監督を
札束攻勢でオファーを出していけばいいのに、と軽々しく
考えがちでしたが、家族や本人のキャリア、帯同するコーチの
意見も含めて、現実はなかなか簡単ではないのだなと
改めて考えさせられます。