劣等感がつくる見えない壁 | 日本で活動中のサッカー監督のブログ

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バルセロナで修行してきましたが、2017年より日本で活動しております。

5年前に旅行でバルセロナにきたときにいろいろな人と出会う中で
英語圏の人々に疎外されている感覚になり
「もしかして東洋人に対する差別?」って思ったことがありました。
でも今にして思うとそれは英語が話せない自分の劣等感を
差別という外的要因に置き換えることで
精神的ストレスから逃げていたのだと思います。
英語を話せる者同士で行動するほうが楽なのは当たり前で
コミュニケーションをとりにくい人間とあえて仲良くなりたいと思うのは
チャレンジ精神のある少数派だけで
別に自然の行動だよなと。

他にも少し前に語学学校の自己紹介で
「自分はサッカーコーチの武者修行としてバルセロナにきた」
と話したときにそれをきいたブラジル人に鼻で笑われたような気分に
なったことがありました。でもそれも彼らとフットサルをして、
自分が彼らに負けないパフォーマンスを何とか見せたことで
そういう感覚をおぼえることがなくなりました。

実際にそのブラジル人は僕のことを馬鹿にしていたのかもしれませんが
それ以上に自分のサッカースキルはブラジル人にかなわないのでは?
という劣等感をなくせたことが大きいように思います。

自分の中にある劣等感がありもしない見えない壁をつくり
劣等感を克服することから逃れようとすることが結構あるなと。

サッカーにおいて顕著な例としては
「日本人は欧米の選手に比べてフィジカル(身体能力)が弱いから
 いくらがんばってもサッカーで一流国にはなれない」

みたいないいわけ。

確かに黒人や中東の選手に比べて筋力のバネで負ける部分があることは
認めざるをえませんが、それがサッカープレイヤーとして
致命的な要素になるとは思いません。
レアルマドリッドのブラジル人選手のロビーニョは小柄な選手だし
線もかなり細くみえる選手ですが、卓越した技術を発揮して
10番を背負い相手チームにとって危険な選手になっています。

コロンビアの選手も絶賛する小柄の選手が日本にもいるし
http://jp.youtube.com/watch?v=qvDfwaM2dWo

ってそんなことを
UEFAチャンピオンズリーグのブレーメン対レアルマドリで
がんばるロビーニョを見ながら思いました。