サッカー用語って色々ある。
リトリートとか、ゲーゲンプレスとか。
しかしそういうカタカナ語じゃなくて日本語っぽいものでもなんかよくわからんな?
ってなるフレーズは幾つもある。

そして、意外とその手の言葉はサッカー用語サイトに載っていなかったりする。

今回はそういう用語について紹介していくぜ!

テクニック系

削る

人によって多少意味合いが違うっぽいワードの1つ。
ファール寸前の激しいボディコンタクトの意味合いで使う人、相手の足を狙ってでも止める、など。
あいさつ代わりに削る、あいつなめとるわ削れ、等の使われ方をする。

少なからず殺意を感じるフレーズだけど、いやいやそんなことはないですよという主張もある。
でも、他に「潰す」ってサッカーでよく使われるフレーズがあるんだから、あえて削るを使ってるのはやっぱりそういうことだと思うんだぜ。

こすりあげる

カーブをかけるキックの際に、昔はやたらと使われていたフレーズ。
とはいえ今でもこの言葉を使う人もいる。

俺はこの言葉を実践しようとした結果「こねりあげる」になってしまったらしくキックフォームが変になって膝を痛めたので、忌々しいフレーズだったりする。
(膝が横にズレて痛みが出た時はその蹴り方やめましょう、マジで)

ダフる

ボールを蹴ろうとして地面を蹴ること。
ゴルフ用語由来で、duff(打ち損じ)から来ているようだ。
ちなみに和製英語とのこと。参考サイト

俺は前に地面蹴って「あ、足の爪が!!」
ってなったので、もうダフりそうな蹴り方は一切やらなくなった。

ふかす

シュートが浮いてゴールの上を越えていくこと。
浮かすだと狙ってやった感じがあるから言い換えるのはわかるけど、
いわゆるふかすという言葉にはそれっぽい意味はないように思う。

色々調べてみたけど語源がわからなかったものの、
「シュートをふかす、は漢字だと噴かすだ」
とYahoo知恵袋に答えている人が居た。

噴は内部から外に(勢いよく)ふき出す、の意味。噴火とか噴出等。
つまり、ピッチ内から外にシュートがふき出していくということ、か?

チャリン(チャリーン)

また抜き。コインが投入されるのを見立てているらしい。
たまにチリーンって言う人もいるけど風鈴感がすごい。

南米の人はこのまた抜きをされると屈辱的だということで削りにくるらしい。
俺は半ば無意識でまた抜きパスとかしちゃうから南米の人とやれんわ怖いわ。

戦術、戦い方フレーズ

当てる、と前につける

今回扱う中で一番ややこしい言葉かも。

当てる→いわゆる楔のパス。
敵守備陣の間にパスを通して、それを受けたFWがパスを返す。

楔(クサビ)とはモノとモノの間に打ち込み、つなぎ止めて固定する道具です。
サッカーでは前線の選手が相手DF を背負う形で受け、攻撃の足がかりとなるプレーを「クサビ」のプレーと言い、そのときの後方からの縦パスを「クサビ」と呼びます。

第3回「そうだったんだ! クサビのパスを出すワケ」(ゲキサカ)

つける→当てるは基本的にパスをもらった選手はすぐにボールを返していたけど、つけるは受けた選手はすぐには返さない場面で多く使われているイメージ。

Twitterなどを見ていると、単にパスを出すって感じで使われているようにも感じる。
しかしそれならわざわざつけると言わなくて良い。
別の言葉が生まれたのは何か意図があるはず。

サッカー中継での使われ方では後ろからボールを持って攻めあがる選手が、前の選手に一度預け、リターンをもらうべく動いているシーンで使われる印象がある。

つまり、当てるはリターン役の選手を壁と見立ててそこにボールを当てる
つけるは味方にボールをひっつけるんだろう。
ただ、預けるが味方にお願いしまーす感が強いのに対し、つけるは後ろが主役感がある。

ちなみに当てる、は割と前から使われていた。
つけるはここ数年急に言い出した印象。最初は誰が言い出したんだ…?

つけるについて、いやそういう意味じゃねえよって方がいたら、ぜひコメントでお知らせください。

チンチンにする

一方的に勝つこと。
サッカー王国静岡の方言、チンチンになる(とても熱い、の意味)から来ているとのこと。

ボッコボコにしてイライラカッカさせて熱々にしてやんよ!ってことか。
嫌な言葉だな!?

ちょっと似たフレーズで「ちゃぶる(弄ぶ)」ってのもあった。
これは広島方言由来なんだけど、この言葉の使い手は基本的に木村和司氏だけだったのもあり、今ではほぼ聞かない。

はっきりする

サッカーの解説が妙に使うフレーズ。
言われる時は大体、後ろから繋ぐのかあやふやで意思統一が今ひとつな時に言われる。

後ろで半端なことして奪われるくらいならもうシンプルに、大きく前に蹴っておけって言ってるんだろう。
ということは、少年サッカーとかで保護者や指導者がよく言うことに定評があるバカフレーズ「蹴っとけ蹴っとけ!」と大体同じである。
蹴っとけ蹴っとけは自分も熱くなると言いますね…

その他

自分に矢印を向ける

これ自体は別にサッカー用語じゃないけど、最近やたらサッカー選手が言うようになった印象のあるフレーズ。

周りが悪いとか環境が悪いとか言ってないで、自分は何が出来るのかと意識を変えていく。
自分でどうにもならないこと(監督の好みで試合に出られないとか)にとらわれず、やることやっていく。そんな感じ。

ハンバーグ

スライディングで太ももに出来る傷のこと、らしい。
自分は聞いたことが無かったけどサッカー部あるあるみたいにYouTubeで言ってたので。

…そんなにハンバーグか?

かまぼこ

ペナルティエリアの外にある、ペナルティアークのこと。形からそう呼ばれている。

PKを蹴る時に他のプレイヤーはある程度距離を離れないといけないぞ!
ってルールの為に存在する。

応対する(死語)

一時期、ディフェンダーが敵に対応することを応対と言うサッカー解説者がいた。
念のために応対の意味を調べたけど、こんな感じ。

「応対」と「対応」の違いを簡潔にまとめると、行動を起こす対象が人に限られるのか、あるいは人以外も含むのか、ということになります。
対象が人間の場合は「応対」を使い、人間だけでなく事柄や状況、状態などへも範囲が広がる場合は「対応」を使用します。

応対と対応の違い

うむ、対応で良いわな!
もう誰も言わない気がするけど、なんでそう言ってたんだろうか。

独自の専門用語

今回取り上げた物や、いわゆるサッカー用語辞典にのっているようなフレーズ以外にも、より狭い層で通じる、新たに作られたフレーズもある。

何故、わざわざ新しく言葉を作るのか?理由はこういう事らしい。

さらに数々の原則を説明するために着手したのは、用語の統一。
例えば「くさび」という言葉を使った時、指導者は「前線の選手に対する縦パス」をイメージして話していたが、それを聞いた選手の中には「上がっているサイドからセンターフォワードへのパスもくさび」と捉えていた者もいたという。
イメージを統一するために、縦に出すパスを“シャンク”と名付けるなどして用語を作ることで共通理解を深めていくのだという。

岡田武史がサッカー用語を再定義!「岡田メソッド」が伝える新たな指導法

同じ言葉に対してそれぞれイメージしている意味合いが違ったりするってのは、言葉に付きまとう問題。

日常生活なら思っている意味の違いをすり合わせる暇もあるかもしれないが、目まぐるしく状況が変わるスポーツでは食い違いが起こるのは割と致命的。
それを防ぐ為に新たな言葉を作っているのだと思う。

必要に迫られて新語を作ることの欠点は、知っている人にしか通じないということ。
これは新語を作るだけじゃなく、必要だから輸入した海外サッカー用語でも同じことが起きていている。

スペインならこう言うんだぜみたいなノリが、特に海外サッカー好きの間で生じやすいというか…
まあ簡単に言うとオタクが専門用語使いたがるってやつだわね。

でもさ、サリーダ・ラボルピアーナとか言いたくなるわけですよ。
すいません気を付けます。

サリーダ・ラボルピアーナ ボランチがセンターバックのところまで下がってきて攻撃の組み立てをすること。
ボランチが落ちる、ボランチ落ちとかもっと簡単な言葉で主に使われている。