最近、駅や町で
初々しい姿の青年たちを見かけます。




大学1年生でしょうか?
(知らんがな)




そんな彼らを見るたび
自分にもそんな時代があったな〜




とは、特に思わないのですが
(思わないんかい)
(いや、グッドラックとは思うよ)
(自分、キムタクのドラマ好っきゃな)




先日、10年ぶりに
大学時代の友人と再会しました。




彼女とは
この時期開催される
新歓オリエンテーション
(新入生歓迎の儀)で出会いました。




オリエンテーションといえば
右も左も分からない新入生が
大教室に集められ




我が大学へようこそ!と

学長たちのスピーチを聞くのですが




それが終わると
大教室の扉がバーンと開かれ




先輩たちから

強引かつ熱烈な

サークルの勧誘を受けることとなります。




そんな状況なので

新入生は校内を5分歩いただけで
持ちきれないほどのチラシをもらいます。




私もその洗礼を受けたうちの1人。




でも、人混みも愛想笑いも苦手な私は
早々にその場を撤退し
校舎の横の外階段に身を潜めました。




そこには
先約が3人いて
どうやら彼女たちは
皆同じ高校から進学してきたようでした。




彼女たちの声を
後ろで聞きながら
私はもらったチラシの整理を始めました。




バレーボールサークル
サッカーサークル
ファッション同好会

ドラマ研究会




デコられた文字からは
同じような空気しか
感じられませんでした。




もう、いっそのこと入るのやめるかな




チラシ整理をやめたその時
後ろの彼女たちの会話が
急に耳へ飛び込んできたのです。




ん?


ん?




なんか
すごい面白いこと言ってるんですけど。




私は吹き出すのを我慢しながら
必死に彼女たちの会話に耳を傾けました。

 


さっきから面白さを発揮しているのは
どうやら3人のうちのひとり
アサヒ(仮名)という女の子。




彼女が何か言うたび
他の2人が笑い

階段がミシミシ揺れているようでした。



ああ、後ろを振り返って顔が見たい
こんにちはって挨拶して
どこのサークル入るの?
良かったら一緒に入らない?
って、言いたい。




と、思いながらも
そんな勇気は微塵も出ず
手にもっていたチラシを
穴が空くほど見ていました。




10分経ったでしょうか。




彼女たちが
校内へ戻るということで
その場を立ち去ってしまいました。




遠ざかる彼女の背中を見ながら
このまま声を掛けなかったら
一生後悔する!と思い




彼女を追いかけ
肩をたたき
友だちになろう!
と、勧誘しました。
(勧誘の波にちゃっかり便乗)

(でも声も体も震えていたと思う)



それがアサヒとの出会いです。




アサヒとは
学部も学科も校舎も違ったので
(彼女は新歓で私の校舎にきただけでした)
この日以降私たちが
学校で会うことはありませんでした。




でも、授業が終わっては
近くの駅で待ち合わせをし
密かに関係を続けていました。
(芸能人みたいに言うな)




彼女は大学を卒業してすぐに
結婚したのですが
結婚式に私を招待するか
ものすごく迷っていました。




というのも私
彼女の友だちとは
誰ひとりして知り合いじゃなかったんです。




『友だちの友だちは友だち』と
よく言ったもんですが
人見知りで社交的ではない私にとって
『友だちの友だちは知らない人』。




アサヒもそれに同意見でした。




なので、
結婚式参列は潔く辞退し
その代わりといっては何ですが
琉球グラスをプレゼントして
彼女の結婚を祝福しました。




えーと
『私と琉球』
なんの繋がりもございません。




ただキレイだったので
送りつけただけです\(^o^)/




それから10年
出産したり、子育てしたり
家を買ったり、復職したりと
互いの人生は目まぐるしく
変わっていきましたが




私たちの関係は
年賀状という1枚のハガキで
ゆるゆると繋がっていました。




それが今年になって
どちらからともなく
会おうということになり
馴染みの駅で待ち合わせをしたのです。




10年ぶりに会うアサヒは
出会った頃より髪が伸びていました。
(それを言うなら背だろ)




互いに緊張しながら
近くにあったイタリアンの店に入りました。




席へ着くやいなや
まる子が好きそうだったから
と、彼女は手に持っていた紙袋を

私にくれました。




頬を赤らめながら
中を開けて見ると



うん○(のおもちゃ)



 


おい、アサヒ!!







最高かよ!!





まる子はうん○とオナラが好きだったよね?

と、アサヒに懐かしそうな顔で

言われたのですが




私は一体どんな学生だったのでしょうか?
(うん○とオナラが好きな学生だったのでしょう)




彼女のお土産のお陰で
緊張感は薄まり
  



結果的に…




その日は

椅子から転げ落ちるくらい笑いました。




あ、落ちたの私です。
しかも2回も。

 


店員さんに抱きかかえられながら
(ほんと、すんません)
あの日勇気を出して
彼女と友だちになって
本当に良かったな〜と思いました。



アサヒの結婚式に私は参列していません。
私の結婚式にもアサヒは呼びませんでした。
メールアドレスは知っていますが
電話番号は知りません。
といっても近況を報告するのは
年賀状だけです。
旦那さんの顔も職業も知りません。
次に会うのはまた10年後かもしれません。



でも、私たちは




間違いなく友だちです。





























追伸

うん○のおもちゃは 

中にキャンディを入れて遊ぶそうです。

今度遊んでみます。