ある日の午後。
友人から喫茶店へ呼び出された。

  
 

かなり切羽詰まった様子だったので
お金貸してって
言われたらどうしようと
ドキドキしながら向かったが
(えーと500円なら貸せるかな)
(小学生並み)




なんのなんの
別のお話だった。




要約するとこう。




彼女は今妊活をしているのだが
なかなか授からず落ち込んでいる。
そんな中、周りがどんどん妊娠出産を
して焦る。そして、苦しい。
あーもう苦しすぎて生きていけない!!!
と、思いきや子どものいない「まる子」は
あぐらをかいて煎餅ばっか食ってる。
て、いうかむしろ…楽しそう。

 


なんで?

 



て、ことでした。




だから私は

彼女が奢ってくれたメロンソーダを
ぐるぐる回しながらこう言った。



私、ZARAのサイズでいうとxsなの。



もちろん
友人は「お、おう」の顔。




だから続けて言った。


XL着られないのよ…と。




私は小学生の頃から背が小さく
背の順で並ぶといつも1番前だった。




大人になっても
それほど身長は伸びず
電車の高い方のつり革には
いつも背伸びしてつかまっている。
(追伸、コンサートのアリーナ席は地獄です)




だからだろうか
洋服のサイズは
いつも1番小さいのを着ている。




1番小さいサイズを着ているくせに
華奢に見えないことについて
ウダウダと嘆き連ねたいが
今ここで書きたいことはそれではないので
今宵はぐっと我慢をする。




1番小さいサイズは
ZARAでいうとXSだ。




もう30年以上も
このチビ体型なので
LはおろかXLを着こなせないことは
重々承知している。




私が背の高い女性に憧れて
XLに袖を通したところで
ぶかぶか過ぎて似合わない。




だから私は
XLを手に取ることはないし

それについて

挑戦もしないし
想いを巡らすこともないのだ。




私にとって
妊娠や出産はXL。




身長という(妊娠という)
自分の限界、

サイズを知っているからこそ
どうにもならないことを
どうにかしようとは思わないのだ。




もう一度言う。




私のサイズはXS。
だからXLは着られない。




ただ、それだけの話。




友人にこのZARAの話をしたら
私は何サイズだと思う?
と聞かれたので



Lだと思うと正直に答えたら

そこはMだろうがと
おしぼりで殴られた。(ぽふ)




少しでも
小さく見られたかったらしい。




仮に友人が
Mサイズだとして
(どうみてもLだと思うんだけどな) 
(ぽふ)(また殴られる)




きっとお医者さんとか周りの人に
あなたが頑張れば(不妊治療すれば)
Sサイズになれるかもよと
言われているのだろう。




その言葉を頼りに色々と頑張るも
なかなかSサイズになれなくて
苦しくなったのだろうな。

 


彼女がこれから

Sサイズになれるかどうか
私には分からない。
彼女がそれを望むなら
なんとしてでも叶えてほしいが
そこはもう神様仏様お医者様の領域だろう。

 

 

だから私が彼女に対して
できることがあるとするならば




彼女が頑張って
ダイエット(不妊治療)をしたけれど
Mサイズのままで戻ってきたとき




あなたはMのままでも十分美しい。だから顔を上げて生きろ。そして、煎餅食え!

と、声を大にして
伝えることだろうか。



そして

ZARAの店舗へいって
彼女に似合う洋服を
選んであげたい。


 

ぶかぶかでも
きつきつでもなく

彼女が彼女らしくいられる
ぴったりサイズの洋服を。
(Sもいいけど)(Mも素敵だよ)

(いや、やっぱりあなたはLかな)(ぽふ)