燕は戻ってこない

原作:桐野夏生

 

    

派遣社員として暮らすリキは悩んでいる。

職場の同僚から「卵子提供」をして

金を稼ごうと誘われたのだ。

生殖医療エージェント「プランテ」で

面談を受けるリキ。

そこで持ち掛けられたのは

「卵子提供」ではなく「代理出産」だった。元バレエダンサーの草桶基と

その妻、悠子が、

高額の謝礼と引き換えに

二人の子を産んでくれる

「代理母」を探していた―。

 

原作気になってたんよね。

それがドラマ化したとのことで鑑賞。

まずキャスティングが神。

全員すごく役に合っていた!

特に基役の稲垣吾郎。

私SMAPの中で一番演技がうまいのは

中居くんだと思ってたんだけど

今や吾郎ちゃんかも。

 

 

あと春画作家のりりこ役を演じていたのが

田中優子様。

ストロベリーショートケイクスという映画で

知った女優さん。とても素敵な女優さんなんよ。

私は登場人物の中では一番りりこに近い考え方の人間だと感じた。

りりこは代理出産という制度に対し、

夢は他人に負担を強いてまで

叶えるものじゃないと思う

と話していたの。激しく同意です。

過去記事にも書いたけど、

他人の身体を犠牲にしてまで

自分の欲望を叶えるって

私は許されない行為だと思ってる。

 

 

この作品に出てくる人間はみんな

自分のことしか考えていない。

それがリアルだった。

誰も、生まれてくる子供のことより

自分のことばかり。

でも、そうだよね。

子供のことを考えて子供を生む人間なんていない。

人は、自分の人生をよりよいものにしてくれるであろう

幸せアイテムとして、子供を生むんだよな。

そんな現実を残酷なまでに描いていたと思うよ。

 

 

そして全ての父親は代理出産である。

と私は考えている。

なので、基本的に子供を望む男は

信用ならないと思っている。

自分で生み出すことが

できないものを欲しがるなんて、

傲慢でしかない。

あとこのポストにもあるように

この世で一番大事な人に

命懸けで生命を誕生させてもらおうって

いう発想がよくわからない。

 

 

 

桐野さんのインタビュー記事に救われる。

(以下記事より抜粋)

低賃金で使われて、出世できなかったり

非正規雇用で不安定だったりする中で、

それだったら結婚したら?と。

まるで、結婚して子どもを産めば

楽になるように勘違いさせられる。

そういう論法に、騙されてはいけません。

 

女性として生まれたというだけで、

入試で合格点に差をつけられたり

就職先が見つかりづらかったり。

そんなの自己責任なわけがない。

性差別であり、社会問題です。

 

あなたがその選択肢を選ばざるをえなかったのは

自分の責任ではないよ、と伝えたい。

 

自己責任の呪いが解けたら、

多くの女性がもっと自由に生きたいと願い、

行動するようになるはずです

 

  

私の好きなライターさん、

西森さんのこの作品に関する記事もよい。





吾郎ちゃんの神キャスティングについて

激しく共感したポスト。

 

 

嫌悪感があるのにどこか憎めない…。

とてもわかる。