永い言い訳

2016年10月公開

 

【あらすじ】

人気作家の津村啓こと衣笠幸夫は、

突然のバス事故により、

長年連れ添った妻を失うが、

妻の間にはすでに

愛情と呼べるようなものは存在せず、

妻を亡くして悲しみにくれる夫を

演じることしかできなかった。

そんなある時、幸夫は同じ事故で亡くなった

妻の親友の遺族と出会う。

幸夫と同じように妻を亡くした

トラック運転手の大宮は、

幼い2人の子どもを遺して

旅立った妻の死に憔悴していた。

その様子を目にした幸夫は、

大宮家へ通い、

兄妹の面倒を見ることを申し出る。

なぜそのようなことを口にしたのか、

その理由は幸夫自身にも

よくわかっていなかったが……。

 

まず内容云々の前に子役の子たちの演技が上手い。

そして冒頭の夫婦の会話から

もうすでに二人の関係は破綻していることが分かる。

というより、夫はどんな酷い言葉を吐いても

妻は自分を愛してくれていると信じていて、

妻はそんな夫にすでに愛想が尽きているけど

それをわざわざ態度には出さないだけで

諦めている、という感じ。

 

 

こういう夫婦ってたくさんいるんだろうな。

最近アマプラで見た「離婚なふたり」も

似たような夫婦が題材だったし、

実際にも「飯はまだか殺人」のような事件は多い。

日頃の鬱憤がたまりにたまっての犯行だと思う。

 

 

一番大切にしなきゃいけない相手を

ないがしろにする人は信用ならないし、

どんなに傷つけても愛してもらえると勘違いできる

その傲慢さはどこからくるのか不思議でならない。

妻はお母さんじゃないんだよ。

 

 

幸夫は妻を事故で亡くした時、浮気をしていた。

そして亡くなった妻の携帯に

自分あての下書き保存メールを見つける。

そこには「もう愛してない。ひとかけらも」

と書かれていた。

それにショックを受ける幸夫。

自分のこと棚に上げすぎじゃない?

 

 

劇中で流れる手嶌葵の「オンブラ・マイ・フ」

よかった。