ヘルタースケルター

2012年7月公開

 

【あらすじ】

第8回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した

岡崎京子の同名コミックを、

実写映画化。

 

究極の美貌とスタイルを武器に

芸能界でトップスターとなった

モデルのりりこだったが、

その美貌はすべて全身整形で手に入れた

作り物だった。

そんな誰にも言えない秘密を抱えながらも、人々の羨望の的となり

欲望渦巻く世界をひた走るりりこは、

やがてある事件を巻き起こし……。

この映画、5年位前の最近の映画だと思っていたら

まさかの12年も前の作品だった。

時の流れの速さに衝撃。

どうりで映画の中にガラケーが登場してたり

女子高生のメイクが古く感じたわけだわ。

 

 

きれいじゃなくなったら、

みんな私から離れてくっていう

りりこの悲しすぎるセリフ。

一方、生まれついての美貌を誇る

こずえは自分たちの存在を

「ただの欲望処理装置」だと

冷めた感覚で割り切っていて

芸能の世界でうまく渡り歩くためには

そういったドライさが

必要なのかもしれないと思った。

ファンの期待にこたえ続けるのは過酷だよな。

晒す姿が偽りであればあるほど、

実像と虚像の乖離が激しいほどに。

それでも最後まで

「見たいものを見せてあげる」

と奮闘したりりこはプロだと思う。

 

 

原作が発表された時代と比べて

今は整形に対してタブーという認識はほぼなく

その綺麗な姿がすべて整形だと知ったとたん

裏切りだと手のひらを反すような人は

あまりいないんじゃないかな。

むしろ整形は努力とすら称賛される場合もある。

花より男子にも

美しさを金で買って何が悪いんだって

セリフがあったよね。

 

 

麻田っていうポエマー検事のセリフに

毎回笑いそうになるんだけど

最後のほうで

若さと美しさはイコールじゃない。

若さは美しいけれど

美しさは若さじゃない。

美しさとはもっと奥深いものだ。

っていいこと言ってた。

 

 

ラストに流れるあゆのevolutionが

懐かしすぎて。

 

 

 

 

整形を題材にした本で面白かったのは

モンスター。

その中の言葉を私はりりこに贈りたい。

生まれつき美しい女性より
あなたの美しさの方が
ずっと素晴らしい。
彼女たちはただ美しく生まれただけ。
努力によって手に入れたものではない。
生まれながらに持っているものだけで、
ただただ幸運な人生を送っている。
しかしあなたは違う。
自分の力で美しさを勝ち取った
あなたの方がずっと素晴らしい。