高橋は今は一流会社に就職して、
昼間バリバリ働いている。



そんなのおかまいナシに、
私は夜に高橋を呼び出す。



大抵、メールで

『ご飯おごってー』。



そんな軽いノリだ。



高橋はなんだかんだで時間を作って来てくれる。



そして
相談するわけでもなく、ただ普通に食事する。


それがいつものパターンだ。



鈍感な高橋は
食事の誘いが私の小さな助けてのサインだなんて全く気付いてはない。


だけどそれでよかった。


変に色々探られないし、
嫌な事を思い出さなくても済む。



高橋のいい所は、
そんなめちゃくちゃな私の気が済むまでとことん付き合ってくれる所だった。