収骨のおはなし

過激な描写もあるかと思います。

トラウマやショックを受けそうな方は

飛ばしてください。すみません。












斎場に着くと、遺影、茶器、骨箱が

斎場の係員に回収されて、

斎場の祭壇に、置かれたようだったけど


私たち遺族は、待合室で少し待たされました。

準備が出来ました。と、係員が呼びに。


4つ、窯が並んだ一番右側

実家の名前○○家と、表示されてました。


4つの窯には、すべて○○家△△家などと表示。

友引明け、葬儀会場も、控え室も使って

同日4つのお葬式があったので

斎場も、満員状態。


とりあえずうちが一番最初かな?


呼ばれて入った部屋は、

窯の扉が並んでいるのを見れる場所。

ガラス越しに。


左手のドアから、まりちゃんの入った棺が。

台車に乗せられたまま、

扉が開くと、奥に頭の方から入れられました。


棺の天井が、窯ギリギリにあたるかあたらないか

のとこにくるように、台車の高さを調整。

今まで、そんなところまで気にしたこと

なかったけど、みんなが黙って見守っていました。


あ…って声はあがったけど、

号泣する人はいなかったな…。


昔の窯。私が子どもの頃祖父が亡くなったときも

同じ窯だった気がする。

リニューアルしてるけど、道理は同じかも。


だからかな?

音とかが漏れ聞こえないように?

分厚いガラス越し。

(昔はガラス越しじゃなかったし、

炉の燃えるガスの音?爆音が怖かった)


『点火』ボタン

喪主が押すのだろうけど

弟は、最初から拒否しますのでお願いします。

と頼んでいたので、係員が押しました。


点火が終わると、

早々に葬儀会場にもどりました。


祖父のときは、煙突からの煙に

なんとも言えない感情がわきあがったことを

思い出したけど、

今回は煙突があった?ことさえ見れず

立ち去ってしまいました。


空に…上がっていく…のを

見届けられなかったな。

もしかしたら、今は煙突ないのかな?


葬儀会場にもどると、

お膳のお食事。

そこで、例の親族たちが残らないはずの

残ったからの~子どもたちのお膳横取り事件が!


その時間に、別の葬儀も次々と

あったみたいで、

二時間弱後に斎場に行くと、

他のご遺族の方々もいらっしゃいました。


私たちが斎場に入ると、

すぐに『収骨室』というところに案内されました。

ガッチリ扉が閉まる部屋で、

窓もない暗い部屋でした。


入ると独特のにおい…。

あ!嗅いだことある!と思った瞬間。

『このにおい…う…無理かも』という娘。


たしかに、狭い部屋にそのにおいは

充満しています。

そして、熱い!台車の上にはお骨になった

まりちゃん。

台車あたり、台車の台は熱いのです。


係員は男性で、骨壺の蓋を開けて

それではみなさんでお骨あげをして

さしあげてください。


と始まりました。

長い竹箸が3対。係員がひとつ、

こちら側、ふたりで拾い合います。

箸箸、一緒に最初は拾います。


係員が、壺の前にお骨を置いてくれます。

それを、ふたりでつまんですくい、

壺に入れていきました。


足の指、かかと、すね、

膝、膝の皿、あばら 手 鎖骨 そして喉仏

喉仏は、そう呼ばれている場所のものではなく

第二頸椎?の首裏の骨だったのです。


お骨拾いには、最大な意味ある骨だったみたいで

私たちが目にする前に、係員さんが

喉仏を見つけて避けてたみたい。


鎖骨のあとに、脇の当たりから登場させたのです。


その喉仏、

仏さまが禅を組んでいる姿に見えるから

とても尊ばれていると言われてますが

初めて、完璧な形の喉仏を見ました。


係員さんも、きれいに残っていますよ!

とみんなが見えるように案内してくれました。


癌で亡くなったから、

弟は、骨がボロボロで残らないんじゃないかと

ずっとずっと口にしてました。


しかし、まりちゃんのお骨は

骨密度が若いから高かったのかどこも

キレイに…残りました。


一番ビックリしたのは、

頭のお骨。桃のようにぷっくりとしたまんまる。

完璧に残っていたお骨。


顔も…あご、歯、目元まで…。


そこにあったものが、

そのまんま…お骨に。


崩して入れていかれるのが、なんとも

言えなかったな。


癌が発覚したのは、12年前。

骨に転移して、腰の骨が砕けたことから発覚し

即手術(骨をボルトで固定の手術)。


その…ボルトが…

腰の骨に癒着して、残っていました。

姪は、それが欲しいと言い、

係員が骨から外して手元にくれました。


さて、キレイに焼かれたまりちゃんでしたが

指の骨、最初に係員が指の骨ですと

案内して、つまんだその時!

なんと!姪がしたネイル!骨に?

指のちいさなちいさな指先の骨に

ピンクの色がほんのりとついていたのです🌸。


それには、みんながビックリ。


他の指先の骨も探そうということになり、

さがしてくれました。

白色がついたものも、見つかりました!


姪が入れた手作りのイヤリングも、

金属の小さな玉がふたつ、みつかったので

一緒に入れてあげました。


癌は、全身に転移してはいましたが、

もろくもなく、色も悪くなく…

お骨になったまりちゃんは、

ほんとにキレイなお骨になりました。


係員の男性が、拾う前に

『何かご要望があれば』と聞いてくれました。

要望?要望する人がいるのかと

誰もなにも言わないので、聞いてみました。


どんなことを要望されたりするのですか?と。


すると、全部入れたいといったり

思い出深い所を入れたいと言われたり

たくさんは入れたくない!と言われたりです。


そんなことをお話してくれました。


壺にふたをして、布に包み

箱に入れてくれました。


葬儀会場にもどります。

最後の法要、初七日法要が始まりました。