お通夜の始まる1時間前、

祭壇に移動していたまりちゃん。


今回、弟の棺拒否が思ったよりも強かったため

布団で寝かせたまんまで…

ギリギリまで控え室に居させたい…

の願いとともに、


棺に入れたくない!

とはいかないので、そんな遺族の希望、

要望は私が担当の方に伝える役をさせてもらいました。


失ってしまった若い命の

計り知れない哀しみの葬儀だけに

遺族の希望、あると思います。

でも、喪主も子どもたちも若い…。


そこに、寄り添うことができる誰かが

さりげなく陰でツナグことができたら、

この上ない葬儀になると思います。


『してあげたいことをする…もいいけど

したいことをする!』


これは、危篤のときに何かでヒットした言葉。

その時は、弟にアドバイスできなかった。

葬儀のときも、半分くらいは提案を最初否定

していたから、弟には結局アドバイスしてない。


姪には、お母さんには『してあげたいこと』を

したらいいよ!

(ネイリストのタマゴ)勉強しているネイル、

お母さんにしてあげたらどうかな?

きっと、喜ぶよ!


その流れで、自宅に戻ってきてすぐに

ネイルを施した姪。

自分の指にも、同じネイル。


素直な姪は、お母さんの喜びそうなことを

自然に行いました。

私も、弟の許可を取らずに枕元に

旅立ちのお金と、かわいいお菓子と

寄せ書きを置きました。


遺影の写真も、姪の結婚式のときのものに

なりました。弟は、生前の顔見るのが嫌だと

選ぶのを拒否したから、姪と甥と私で決めました。


ワンピースを着せたい!

と言う要望は、自宅を出る日に

直接弟に、白装束の方がいいよ…

まわりと違うことが

とても嫌なまりちゃんだったから、

みんなと同じ仕度をして、その上から

着たようにかけてあげようよ!

と言うと、納得しました。


斎場が、住宅地のまさにそばにあるから

煙がすすっぽくなるものを入れるのは

ご遠慮くださいと、お願いされました。

ゴムなどもNGで、入れたいもので、

入れられないものは、写真に撮って入れました。


お通夜の話にもどります。


友人が、ほとんどいなかったまりちゃん。

声をかけたのはひとりだと弟から聞きました。

その友人、来てくれたのかは不明です。

来てくれていたらいいな。


お通夜には、50人を越える方々がいらして

くれました!

ほとんど、弟の友人と仕事関係。

泣き崩れそうな弟を、弔問してくれた人たちが

包んでくれていました。


そこも、弟が若いからか

包容力に力がありました。


祭壇に移動してもらったあとは、

蓋を胸元までずらしてくれました。


キレイなお顔と、桜のネイルを

みんなに見てもらうため…。

弟が、式のまえに来てくれた人を

いざなって『見てくれ!見てくれ!』と。


蓋をずらす

そういうところを、担当者が心遣いくださる。

素晴らしい葬儀社でした。

(責任者が担当だったからもあるかな)


そして…蓋が閉まり

静かに始まったお通夜。

菩提寺のお坊様は、昔からのいつものお坊様。


真言宗、独特の念語から始まりました。

長い杖の先に水を練り付け、

カンカンカン!と器に叩きつけ、

棺の上に大きく文字を書くように振るいます。


何度か繰り返すその動作。

亡骸に、悪いものが入らないようにと

結界を張る儀式なのかな?


その後は、一同みんなでお焼香、読経。

小一時間ほどの式でした。


祭壇のド真ん中には、遺影が写真ではなく

モニターです。

背景は、打ち合わせのときに選んだもので

モニターだからか、デカイし色が鮮やかで

青空に🌸桜の枝花~の背景。

はにかんだ笑顔のまりちゃんが映えてました✨。


お通夜式が終わると、

再び、控え室にまりちゃんが戻ってきました。

蓋は、外されます。


残った皆で、通夜食を頂きます。

ひとり10貫のお寿司の折。

これがまた、何とも言えず『旨い!』

ほんと、美味しかった。


姪夫婦と甥が、大量にお茶菓子用のお菓子を

買い出しに行ったりして、

広い控え室の中も、バタバタ。

親戚たちはお寿司持って帰ったから、

そこにいたのは、まりちゃんと弟

私ら親子と両親。


布団セットを借りると、一式3,000円!

それはちょっと高いから、

私たち親子と両親は、いったん帰ることに。

弟たちも、座布団で。


実家に戻ってしばらくたつと、

姪からLINE。

『お父さん、寝ちゃった!私たちも寝てもええんかなぁ?』


大きな蓮のロウソク(24h)と、

巻いた長時間線香があるから、

一晩中番をしなくても、一緒に夜を過ごして

あげたらいいと思うよ!と返信しました。


こちらも、あちらも、穏やかに過ごせる夜。

なんだか、本当によい時間が流れていました。


翌朝、控え室に行くと

涙で腫れた目をした弟が。

朝からずっと泣いてたみたいでした。


それも、誰もいなくて弟ひとり…。


『子供ら、しょっちゅう出かけるんだよ…泣。』

両親とうちの子どもたちも一緒に来たので

朝の立飯が届くまで、

弟と、まりちゃんの枕元で話をしました。


葬儀の日の朝、

だんだんとその時が来ることに

弟の辛さも、限界を迎えそうな勢いでした。