心とファッションのカウンセラー
ふたばです。
4月のとある2週間、あることに没頭していた。
食事をする時間ももったいないと思える程の集中ぶり。
何に没頭していたかというと…
マスク作り!
マスクを手作りしようなんて、これっぽっちも思っていなかったのに。
*****
私は花粉症ではない。(少なくともそう信じている…)
それもあってマスクは常備しておらず、今回のコロナ対策として手に入れたのは、たまたまグッドタイミングで購入できた、不織布のマスク7枚入りを2袋だけだった。
マスク不足の状況を考えても、やみくもに使い捨てにしない方がいいなと思い、カットガーゼも百均で購入。
口元とマスクの間にガーゼを挟み、そのガーゼは毎日洗濯、マスク本体はアルコールスプレーで消毒をして、1枚のマスクを数日使うようにしていた。
それでも、既に1袋分は使い切っちゃていて…
残り一袋、使う日数を今までより延ばせば、何とかやっていけそうな気もしてた。
と同時に、布マスクにも興味を持ち始めていた。
よくチェックしているファッションブランドが、布マスクの注文を受けつけていて、試しにそれを買ってみようかなーっと考えていたのだ。
丁度そんな時に耳にした、アベノマスクを配布するよというニュース。
私は当初、素直に喜んだ人。笑
「それなら、早まって高いマスクは買う必要ないか。アベノマスクが届くのを待っていよう。」
そう思った。
だがしかし。
給食当番のようなマスクをした安倍さんの姿がかなり衝撃で…
作り手の皆さんには申し訳ないけど、
「あれはいやだ~」
そんな思いがどんどん大きくなっていった。
たかがマスク、されどマスク。
使い捨てならまだしも、洗って繰り返し使うとなったら、自分が好きじゃないものは尚更身に付けたくないじゃん?
自分で作ろう!
そう決めた。
*****
巷での手作りマスクブームは既に熱くなっていて、マスク用の材料は軒並み品切れ状態。
完全なる出遅れだ。
根気よく探していたら、かろうじてガーゼ地の手ぬぐいが在庫あり!
迷わずポチッとしてみた。
(その後すぐ売り切れになっていたから、マジで滑り込みセーフ!)
ノーズワイヤーも在庫ありのお店を見つけ、マスク用のゴムはフリマアプリで見つけた。
表側、マスクの外側になる生地は、前職で入手したサンプル用着分がいくつかあったので、それを使うことにした。
全ての材料が揃い、いよいよマスク作りのスタートである。
*
どんなマスクを作るか、参考にしたのはもちろんYouTube。
たくさんの手作りマスクの動画がアップされていて、型紙も提供してくれている動画もあったりして、なんとも有難い。
YouTubeの存在に感謝しながら、参考にしたいマスクを探した。
手作りマスクの主流は大きく分けて2種類。
不織布のマスクと同じようなプリーツを施したタイプ
真ん中に縫い目のある立体タイプ
私は立体タイプがどうも好きじゃなくて、プリーツマスクを作ることにした。
プリーツマスクは、前評判通り簡単に出来上がった。
早速着けてみたんだけど…
全然顔にフィットしなーーい!
プリーツの入れ方を変えればフィットするのかな?
一度縫ったものをほどいては縫ってを繰り返すこと数回。
それでも全然フィットしない。
よくよく考えたら、不織布のマスクも私の顔にあんまりフィットしていなかった。
着け方を色々調整してみたけど、全然フィットしない。
周りはみんなマスクを上手に着けこなしているように見えるのに、なんで私はああならないんだろう?って内心ずっと思っていた。
その理由は、マスクを作っている間に分かってスッキリしたんだけど。
(分かる?答えは最後に書きまーす!)
プリーツマスクがダメとなったら、もう立体マスクしかない。
再びYouTubeで、気になる立体マスクをひたすら検索。
これならいいかなと思うものを参考に、試しに作ってみた。
なぜ立体マスクがあんまり好きじゃないかというと、どうもワンちゃん用のマスクを思い浮かべちゃって…
無駄吠え防止のためのワンちゃん用マスクみたいなイメージが強いんだよね。
出来上がった立体マスクは、正にそんな感じで…
立体過ぎるのがよくないのかな?と思い、型紙を修正しては、裁断→縫製→試着→検証、を何度か繰り返しながら調整していった。
だいぶ良い感じになったところで、ちゃんと作ってみようと思い作ってみたら…
今度はフィットし過ぎーー!
フィットしたのはいいんだけど、なんていうか、同じマスクでもプロレスラーのマスクか!ってぐらいフィットしちゃって…
もうちょっと普通のマスク感が欲しいんだってば!
こだわりが強い、私の性格が炸裂しまくった。
こうして私のマスク作りは、どんどん深みにはまって行ったのある。
*****
4月の2週目から、私はほぼ在宅勤務をしている。
マスク作りに没頭していた2週間は、完全なる在宅勤務真っ只中。
会社のPCの横にミシンを置き、テーブルの横にはアイロンの準備をして、仕事の合間にマスク作りをしていた。
いやー、どっちがメインなんだか…
終業時間になったら、マスク作りに一点集中。
プリーツマスクもダメ、立体マスクもダメ、さあどうするか。
またしてもYouTubeを検索しまくり、気になるものはサンプルを作って、シルエットとフィット感を検証。
そんなことを何回も何回も繰り返したけど、これといったものに出会えなかった。
もうね、おかしくなるかと思った。
ほんと、冗談じゃなくて。
たかがマスクで。笑
そんな時にふと目に留まったのが、いわゆる立体マスクみたいな形状ではないけど、ちょっと立体的になるタイプ。
マスクをした時のシルエットはYouTube内では確認できなかったから、試しに作ってみることにした。
お!悪くないぞ!
ノーズワイヤーも入れて、ひとつちゃんと作ってみたら、今までで一番いい感じだった。
適度に立体感もあって、ちゃんとマスク感もある。
よっしゃ!これでいこう!
決めた。
でもちょっと気になる箇所があったから、その部分を変更した上で、バルク生産(といっても自分と友達の分)に取り掛かった。
このバルク生産も、一筋縄ではいかなかったのである…
*
バルク用に用意していた表側の生地は、全部で3種類。
そのうちの2種類が、縫製中盤まで終わったのに、なんか気に入らないのだ。
サンプル作りで柔らかい生地を使っていたからなのか、のりが効いているように張りのある感じにちょと違和感を感じて。
顔なじみが良い色柄なのに…
使っていくうちに柔らかくなるかな、と思ったけど、やっぱり気に入らない。
この生地はマスクには向いていないと判断。
結局、縫ったものは全部ほどいて、サンプルでも使っていた生地で作り直すことにした。
その後は順調に進み、予定していた個数を全て縫い上げた。
ひとつ試着してみたけど、うん、なかなか良い感じ。
一度全部洗い、アイロンを掛けて、マスク紐を付けて、友達の分は発送する準備も終わらせていた。
出来上がったのが嬉しくて、自分用のマスクを順番に試着してみたら、どうもひとつしっくりこないものがある。
極細縞の生地のもの。
他に比べて、妙に顔が下膨れに見えるのだ。
実は、先上げサンプルとして最初に作ったマスクがストライプ柄だったこともあり、この生地はあえてボーダー柄として使っていた。
膨張して見えるかもなーと思いつつめ、極細だし、顔に生地を当てて見た限りは大丈夫そうだったから、ボーダーでいくことにしたのだ。
ああ、きっとこれだーー!
なんだよもーーーーーー!
素直にストライプとして使えばよかったーー!
そう思ったら最後。
友達に送ろうと準備していたものも含め、この生地のマスクはストライプとして作り直すことにした。
まずは自分用のものを先に作り直してみたところ、予想外の結果に。
ストライプにしたのに、下膨れ感はあんまり変わらないのだ。
えー、なんでだろう?
他のマスクと何が違うんだろう?
先上げで作ったストライプのマスクと色々比較してみて、あっ!と気がついた。
あの変更だ!
あの変更がいらなかったんだー!
もう一度他のマスクも検証してみると、確かにそこまで下膨れには見えないけど、見れば見る程、変更した箇所がもっさりして見える。
あーーーーーーーーー!!
マジかーーーーーーー!!
やってもうたーーーー!!
先上げのままでよかったのかーーーー!!
Again!
そう気がついてしまったら最後、もう直さずにはいられない!
幸い、最後の2工程分をほどけばなんとか直せそうな箇所。
友人に送る分も含め、完成したマスク全部を直すことにした。
たかがマスクでこのこだわり。
我ながら笑えて来るぐらい、アホだ…
始めてから2週間。
私のマスク作りは、ようやく終わりを迎えたのである。
極細ストライプは、全体のサイズ感も気になって直したら、なんか小さくなっちゃって…
顔が小さい母親に送ったー。
*****
私には没頭できるような趣味が無い
そんな風に思ってた。
でも今回のマスク作りは、SNSからも離れ、食事の時間も削り、めちゃくちゃ没頭した。
思えばマスク作りに限らず、何かものづくりを始めると、私は往々にしてこうなる。
でもサラリーマンだと、連続して時間を取ることはなかなか難しく、中断ばかりになりがち。
それが嫌で、無意識の内にものづくりから離れていたのかもしれない。
なんて思った。
意識内での推測でしかないけどね。
マスク作りをきっかけに、ものづくりの魂に久々に火が付いた。
在宅勤務中に作る予定リスト。
(仕事しろよって?笑)
DVDとCDを入れるそれぞれのサイズの木箱
革の手帳カバー
分解したブレスレットのビーズを使ってピアス
これは今後のことだけど、洋服のお直しができるようになりたくて、本格的に洋裁でも習おうかなとか思ったりもしてる。
自分のためのものづくり
私にも没頭できる趣味があったのだ。
*
マスク作りを通して、もうひとつ気が付いたことがある。
私、自分のことを完璧主義だと思っていた。
でもいわゆる完璧主義とは、ちょっと違うみたい。
大事なのは、完璧かどうかより、自分が納得してるかどうか。
こだわりたい所には納得いくまでこだわる。
傍から見て完璧でなくても、自分が納得していたらそれでいい。
自分納得度は80点は取りたい!
つまり、ただこだわりが強いだけなのだ。
*****
たかがマスク、されどマスク。
気づきも与えてくれた手作りマスク。
なかなか奥が深い。
ちなみに、きっかけをくれたアベノマスクは私の所にはまだ届いていない。
届いたら寄付するつもり。
無駄に長い私の話を読んでくれた皆さん、ありがとうございました!!
(おまけ)
不織布マスクのようなプリーツマスクが私の顔にフィットしない理由、それは…
平たい顔族だからwww