不況便乗リストラ | 大村あつしオフィシャルブログ「ボクは不死鳥」Powered by Ameba

不況便乗リストラ

2008年のリーマンショック時、多くの企業がリストラに踏み切り、実際に派遣社員を中心に多くの人が職を失いました。

生命の本質的な存在意義が「種の保存」であるように、会社の存在意義も「会社が存続すること」、換言すれば「倒産しないこと」であることは言うまでもありません。

リストラを躊躇して倒産してしまったら、それこそ、全社員をリストラするのと同じことですから。

でも、当時ボクは、『サラリーマンだから貧乏ですが、なにか?』の執筆中でしたので、ある現象に気付き、とても心を痛めていました。

それは、「不況便乗リストラ」です。

当時は、

「いやー、リーマンショックのおかげで、わが社どころか、他の会社も、いや、日本だけでなく世界的に苦しいんだよ。わかってくれるね」

の一言でリストラができた時代です。

しかし、資本主義において経営者は欲張りですから、とにかく経費は1円でも減らしたい(ましてや、世界的な不況で売上増が見込めない以上、その気持ちはさらに強くなります)、減らすなら、まずは手をつけやすい固定費から削ろう。

当然、そう考えます。
(固定費と変動費の違いについては、また機会があったら解説します)

そして、不況に便乗して、必要な人材のカットも進めました。

結果、そのしわ寄せは、会社に残れた社員にきます。

まずは、そうした仕事は、残業代という概念がはじめからない管理職(特に、「名ばかり管理職」)に向かいます。

みなさまの会社でも、新入社員でもできるような仕事を夜遅くまでしている課長さん、いませんか?

そして、次のターゲットは、「断ったら、次にリストラされるのは自分かもしれない」という恐怖を抱く労組側の社員です。

たとえサービス残業であっても、会社に残りたい一心で、不平不満をこぼさずに、夜遅くまで働きます。

実際、ボクくらいの年齢になると、友達はほとんどが管理職です。

もう、毎晩、遅くまで仕事をしています。

そうです。

不況、不況といいますが、仕事はあるんです。

それを、リストラは最低限に抑えるとか、必要な人材は雇い入れる、という「ワークシェアリング」をしないために、今の世の中は「多忙な人」と「失業者」と二極化しています。

資本主義の競争原理が働き過ぎれば社会がこうなることは、特にマルクス主義の経済学を学んだ人間にとっては、明日の天気を当てるよりも簡単に予測が可能です。

もっとも、ボクは、自分が生きている間にはそんな時代は来ないかな、なんて楽観していましたが、ついに資本主義は最後のステージに入りました。

崩壊の始まりです。

そもそも、資本主義は「壮大なねずみ講」ですので(このあたりを知りたい方は、ぜひ拙書『サラリーマンだから貧乏ですが、なにか?』をお読みいただければ幸いです)、最初から1,000年持つなんて思っている人は誰もいません。

絶対に飽和状態、そして、終焉が来るのです。

今の10代、20代の方に訴えたいです。

もし、日本の企業が今後も、「不況便乗リストラ」の方針を貫くようなら(その結果、新卒の就職率が下落の一途をたどるなら)、ぜひとも「日本(ジャパン)を出て」、海外で夢をつかむ「じゃぱでる」になって、自分を粗末に扱った日本企業を見返してください。

これからのキーワードは

じゃぱでる
不況便乗リストラ


の2つです。

どうか、若者コミュニティで、今起きている現象を、そしてこの言葉をどんどん広めてください。

未来を切り開くのは、目先の競争しか頭にない今の経営者ではありません。

みなさんなのです!

もう一度言います。

これからのキーワードは

じゃぱでる
不況便乗リストラ


の2つです。

⇒ 『サラリーマンだから貧乏ですが、なにか?』