足利事件に見る三権分立の崩壊 | 大村あつしオフィシャルブログ「ボクは不死鳥」Powered by Ameba

足利事件に見る三権分立の崩壊

本日、ある方(ご迷惑がかかるので、とてもお名前は出せません)に、貴重なお話を伺いました。

※仮に事実だとしたら※

これは、日本史に残る汚名とも言うべき事件です。

足利事件が発生した当時、日本はDNA鑑定も証拠となりうる、という歴史的な転換点を迎えていました。

そして不幸なことに、菅家さんのDNAが一致してしまいました。

ここまでは、当時はその鑑定技術が信頼足りうるとみんな信じていたので、いたしかたない部分もあると思いますが、問題はその後です。

1991年12月1日、読売・朝日・毎日新聞の一面あるいは社会面トップで、次の記事が踊ります。

「幼女殺害容疑者浮かぶ 足利 DNA鑑定一致、近く聴取」

では、各新聞社の記者は、誰にこの情報を聞いたのか?

そして、従来なら記者会見という形をとるのに、なぜ、こんな不自然な形で情報が流出したのか?

また、情報を流出させた人の目的は?

もう一度、言います。

※仮に事実だとしたら※

これは、日本史に残る汚名とも言うべき事件です。

まず、足利署、もしくは栃木県警の記者会見が開かれていないこと、地元紙がその時点で情報を掴んでいないことを考えると、これはさらに上層部からもたらされた情報の可能性が高い、ということです。

ちなみに、日本の警察組織のトップは警察庁です
(警視庁ではありません。警視庁は、首都機能を守るための東京都管轄の警察組織で、別名、「東京都警察」と呼ばれます)

では、情報を流したのが警察庁だとして、なぜ、彼らは「リーク」と呼ばれる、一部のマスコミにだけ「こっそり教える」という手段を講じたのでしょう。

理由は、「DNAで犯人を決めてしまっていいものか」という栃木県警に業を煮やした警察庁がリークした、というものです。

では、なぜ、警察庁は「DNA鑑定で犯人を捕まえたかったのか?」

ここも推論ですが、実績を出せばDNA鑑定機器その他もろもろ、膨大な予算がつくからです。

ここで、政治と行政という、本来は分立していなければならないところで癒着が生まれます。

こうして、犯人の汚名を着せられた菅家利和さんですが、その後のDNA鑑定技術の飛躍的な進歩によって、2000年頃には、「DNAは一致しない」という結果を一部の人は得ていました。

そもそも、逮捕当時から、

「あの菅原さんの逮捕のプロセスはおかしい。確かにDNA鑑定は一致したのかもしれないが、なにか、最初から菅原さんが犯人でなければ、”ある組織が損をする”という図式の上に成立していた逮捕のようだ」

と、疑問視されていたそうです。

そして、ここで登場するのが宇都宮裁判所です。

2000年に、菅家さんの毛髪から採取したDNAが、犯人のものと一致しないことがわかった弁護団が、再審請求をするのですが、この請求は5年間、放置されます。

このときの菅家さんの苦しみは、筆舌に尽くしがたいものであったでしょう。

しかも、宇都宮裁判所は、その請求を5年後に棄却します。

理由は以下です。

「新たに出されたDNAを採取した毛髪が、菅家さんのものとは断定できない」

詭弁ここに極まれりです。

どこの世界に、他人の毛髪からDNAを採って、再審請求する人がいるでしょうか?

こんなことをしたら、それこそ、罪の上塗りです。

ボクが子どものころ、検便を取り忘れて、犬のフンを容器に詰めてきた人がいましたが(笑)、それと同じレベルの行為に基づいて再審請求をするはずがない。

しかし、宇都宮裁判所は、「DNAが一致しないって、その毛髪、菅家さんのものとはわからないじゃない」と、5年間、延ばしに延ばして、こんな無茶苦茶な理由で再審請求を棄却したのです。

それはなぜか?

宇都宮裁判所にしてみれば、再審を始めて、検察側がとっととミスを認めてくれた方がありがたかったはずです。

しかし、それができなかった。

理由は、足利事件によって、膨大な予算が警察庁にばらまかれ、今さら、「あのDNA鑑定は間違いでした」とは言えない状況だったのです。

ここに、司法と行政の癒着を見ることができます。

今回、菅家さんは冤罪が立証され、(今のDNA鑑定技術が99.999%正しいなら、菅家さんのDNAと犯人のDNAが一致しない以上、菅家さんは99.999%、犯人ではないからです)、無事に釈放となりましたが、私たちは、この事件を風化させてはいけないと思います。

この足利事件は、「巨悪を眠らせない」と、元総理大臣の田中角栄の逮捕にいたった、あの「ロッキード事件」とは、まったく逆の意味で、日本の犯罪史に残る冤罪事件なのです。

※くどいようですが、以上は仮説の域を出ないことを補足しておきます※



ドラゴンボールのベジータの声優、堀川りょうさんの素晴らしい朗読です





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