応報刑思想と目的刑思想 | 大村あつしオフィシャルブログ「ボクは不死鳥」Powered by Ameba

応報刑思想と目的刑思想

■「懲役20年」…目を真っ赤に、涙流す3児の父母
(読売新聞 - 05月15日 12:13)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=837366&media_id=20

日本の裁判は、担当する裁判長によって判決がころころ変わりますよね。

昔、「なぜなんだろう?」と文献をあさったことがあるのですが(まだインターネットはありませんでした)、理由は、現在の刑罰体系は応報刑思想と目的刑思想を足して二で割ったものだからのようですね。

応報刑思想は、非常にわかりやすい思想で、人殺しは、自分も死ね、という思想で、ハンムラビ法典の「目には目を、歯には歯を」と同じものと考えて差しつかえないと思います。

もっとも、批判にさらされることの多いハンムラビ法典ですが、これは、

「目をやられたら、報復は目だけにしておきなさい。
歯をやられたら、報復は歯だけにしておきなさい。」

という、過剰報復を禁止する刑罰定義です。

一方の目的刑思想は、たとえ人殺しでも、犯罪者を教育し、人格を改善して、世のため人のためになってこそ、その人の罪は償われる、とする思想です。

日本では、死刑制度が残っていることから、100%の目的刑思想ではないことは明らかです。

一方で、情状酌量や恩赦が認められるなど、100%の応報刑思想でもありません。

だから、裁判長によってころころと判決が変わるわけですね。

今も、裁判員制度など、日本は、犯罪を犯した者にどう対処していくべきかを探っています。

いつ、どのような形で決着を見るんでしょうかね・・・




◆ドラゴンボールのベジータの声優、堀川りょうさんの素晴らしい朗読です。
涙もろい人は視聴はご遠慮ください(^^ゞ