M-1の終焉?
【お笑い評論家・ラリー遠田の「M-1グランプリ2008」評】「手数」と「スピード」の時代 NON STYLEが優勝した理由
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=702956&media_id=53
昨年のサンドウィッチマンの敗者復活からの奇跡の優勝。
一昨年のチュートリアルの完全優勝。
2004年のアンタッチャブルの下馬評通りの優勝。
確かに、M-1は着実に歴史と伝説を積み重ねてきた。
ただ、これはあくまでもボクの意見だが・・・
今年のM-1はまったく面白くなかった。
これでは、来年は、録画して、周囲が「面白かったよ」というようなら見る、でなければ見ないだろう。
M-1はガチンコと言われる。
そして、昨年のサンドウィッチマンの優勝がそれを証明したと。
では、なぜ、昨年の王者、サンドウィッチマンは準決勝で敗退したのか?
興味がある方は、サンドウィッチマンの『敗者復活』を読んで欲しい。
ガチンコかもしれないが、やはり吉本が有利である実情が描かれている。
一言で言ってしまえば、吉本の劇場で予選を行うので、吉本の芸人のほうが笑いがとりやすいのだ。
だから、サンドウィッチマンは、一番面白いにもかかわらず、準決勝で敗退し、しかし、大井競馬場という吉本とは無縁の「劇場」から勝ち上がってきたのだ。
それに、八百長ができない本番とはいえ、紳助さんの与える影響の強さも痛感せずにはいられなかった。
紳助さん、松本さん、上沼さんの三人は、好みの傾向が同じで、松本さん、上沼さんは明らかに、紳助さんの得点や発言から、紳助さんが誰を優勝させたがっているかを感じ取っていることは否定できないだろう。
ボクが一番面白かった(というか、このコンビしか面白い人がいなかった)オードリーは、紳助さんの低得点で、あの瞬間に「オードリー」の優勝はないな、と思った。
松本さん、上沼さんが追従するから、あの瞬間に、オードリーは決勝で七票のうち三票を失ったわけだ。
残り全員がオードリーに入れなければならない。
しかし、オール巨人さんも紳助さんと嗜好が似ているので、ここでも一票を失うだろうなと、もう、予選が終わった段階で、ノンスタの優勝がわかってしまった。
ちなみに、紳助さん、松本さん、上沼さん、オール巨人さんは、昨年も全員がサンドウィッチマンに入れ、この四票でサンドウィッチマンは奇跡の優勝を果たしている。
ちなみに、この結果には大満足だが、今年はいただけない・・・
紳助さんは、昨年の優勝後の記者会見で、
「サンドウィッチマンが予選を100点としたら、決勝は90点でも優勝だ、と松本と話していた」
と、最初からサンドウィッチマンを優勝させたがっていたことを認める発言をしている。
まぁ、いずれにせよ、今年はつまらなかった。
現在もっとも面白い漫才師が9組も集まって、オードリー以外はクスリともできなかった。
M-1は、昨年のサンドウィッチマンの奇跡の優勝で、すでにその役目を終えていたのかもしれない。
それにしても、キングコングの不調には驚いた。
上記のニュースで「お笑い評論家」なる人がいろいろ書いているが(この人、普段はなにで生活しているのだろう?(笑)、M-1優勝のコツは手数でもスピードでもないと思う。
開始30秒以内に爆笑を取る。
昨年のサンドウィッチマンがその好例で、
「名前だけでも覚えて帰ってください」
の挨拶だけで爆笑を誘い、観客を味方につけた。
そして、予選の「街頭アンケート」では、
「このアンケートをなにで知りましたか?」
「お前だよ! お前に今聞いて知ったわ」
で、観客も審査員も、サンドウィッチマンに優勝させたいという気分になった。
決勝ネタの「(ピザの)デリバリー」でも、冒頭
「お待たせしました」
「おせえよ。いつまで待たせるんだよ!」
「すみません。迷っちゃって」
「迷うって、道、一本じゃないか!」
「いえ、行くかどうかで迷っちゃって」
「そこで迷うなよ」
この鉄板ネタでもう優勝は決まったようなものだった。
さらに、途中にもう一発、鉄板ネタがあれば、優勝は確実だ。
一昨年のチュートリアルの
「ゆきずりの女とも寝たよ」
や
昨年のサンドウィッチマンの
「早くしろよ!焼きたてのメロンパン、売り切れちゃうだろう!」
がその好例だ。
それにしても、オードリーの、話の中にボケを突っ込んでいく、という漫才は新鮮だった。
いつも見る漫才の真逆をいくものだ。
ただ、確かに、あのキャラは好き嫌いが分かれるかもしれないが。
いずれにせよ、ボクの中で、M-1は終わった。
2003年から6年間、毎年、楽しませてくれてありがとう、と紳助さんにはお礼を言いたい。