「点と線」を見ました
昨晩、DVD「ガリレオ」をTSUTAYAに返却に行ったとき、なにげに、「なにか、面白いテレビドラマないかな~」と見ていたら、なんと「点と線」がありました。
その場で、テレビドラマ好きの友だちに携帯で電話したら、「かなり、面白い! 視聴率もよかったはず」と聞いて、借りてみました。
いやー
面白かった(*^^*)
「ガリレオ」を2日間、そして本日の「点と線」と、3日連続でこんなにいいドラマに当たるなんて、なんか、幸せな気分ですね(*^^*)
実は、「点と線」には強烈な思い出があります。
ボクは、これまでに多くの小説を読んできましたが、もし、影響を受けた作品をいくつか挙げなさい、と言われたら
1.泣いた赤おに
2.怪人二十面相シリーズ(江戸川乱歩)
3.屋根裏の散歩者(江戸川乱歩)
4.人間椅子(江戸川乱歩)
5.点と線(松本清張)
6.ボッコちゃん(特に「おーい、でてこーい」)(星新一)
ですかね・・・
1は小学校2年生のとき、生まれて初めて、泣いた本です。
2は、小学校高学年のときにはまっていました
そして、中学に入ったら、とびっきり頭のいい奴が、「大人向けの」江戸川乱歩を貸してくれました。
正直、どこまで理解できていたかはなはだ疑問ですが、辞書を引きながらむさぼるように読みました。
そうしたら、あれは中学2年の3学期でした。
その友だちが、「大村、今度は社会派推理小説を読んだほうがいいよ」と貸してくれたのが「点と線」でした。
ぶっちゃけ、「社会派推理小説」という定義は理解できていませんでした。
でも、江戸川乱歩とはまた違う魅力があることは子供心に理解できました。
乱歩作品は、基本、トリック重視で、犯人探しが楽しかったのですが、「点と線」は、最初から犯人がわかっています。
恐らく、生まれて初めて読んだ「アリバイ崩し」作品でしょう。
(まぁ、「屋根裏の散歩者」もアリバイ崩しですが、あれはボクの中では推理小説というよりも、人間の業を描いた作品だと思っています)
また、現実ではちょっと不可能なようなトリックではなく、一見不可能だけど、針の穴を通すような巧妙なトリックがあったり、また、乱歩作品では、犯罪に至る経緯は重要視されていませんでしたが、「点と線」では、むしろ、そちらに重きを置いている。
要するに、推理小説と人情小説を足して2で割ったような作品、くらいの理解は子供心に理解できていました。
本当に「点と線」を読んだときの感動は、死ぬまで忘れないでしょう。
しかし、意外だったのですが、今回のテレビ朝日開局50年記念として放送された今回が、初のテレビドラマ化なんですね。
ということは、この作品をテレビやDVDで見て、初めて「点と線」の魅力を知った人も少なくないでしょう。
もっとも、「点と線」以降の推理小説は、基本的に「社会派」です。
ですから、新鮮味を感じるかどうかはわかりませんが、娯楽だった推理小説に深遠なテーマを与えた初めての作品、すなわち金字塔であることを、これを機会に多くの方が知ってくれたら、自分の人生観をも変えたこの名作の大ファンとしては、これ以上に嬉しい事はありません(*^^*)