衝動の旅先、ベルリンへ。

 

きっかけは、阿部謹也(あべ・きんや)さんの

「ハーメルンの笛吹き男ー伝説とその世界」(ちくま文庫)

だった。

 

現代の様々な問題、経済格差や貧困、差別、難民、、、

ああ、昔と変わっていない。

中世の物語、メルヘンの裏に描かれた残酷さ、恐ろしさ、、、

今も同じように、人々の心に潜むかのようではないか。

 

そして、ドイツの歴史に興味がムクムクと湧いてきたときに、

TSUTAYA店頭で目に飛び込んできた、

「プロテスタンティズムー宗教改革から現代政治まで」(中公新書)

おお、なんと偶然マルティン・ルターの宗教改革から2017年は

ちょうど500年ではないか!

 

そんなこんなで、ドイツはベルリンへの興味は留まらず、

ドイツ映画「ランローラ・ラン」に出てきたオーバーバウム橋!

同じく「ベルリン天使の詩」に出てくるカイザー・ヴィルヘルム教会、

森鴎外「舞姫」のマリーエン教会、シュプレー川、、、、

妄想は大きく膨らみ、ベルリンを見ずに死ねるか!は、大げさだけど。

 

そういえば、

ベルリンへ行ってきたよ。という話はとんと聞いたことがない。

「ベルリン街歩き」なんて番組も見たことない。

さあ、あなたも魅惑のベルリンへ!という旅行会社のパンフレットも、ない。

 

これは、行かなくちゃ!

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ベルリン「シェーネフェルト空港」から200mくらい先に鉄道駅が見える。

えーと、どうやって切符買うんだっけ?

3ケ月かけて作った小さな手帳に目を通す。

ー度ごとに、「地球の歩き方」を開くわけにはいかないと思い、

手のひらサイズの手帳にすべての情報をカラーコピーして張っておいたー

 

券売機から出てきた切符を確認しながら、刻印を押す。

ドイツの駅には改札がないので、すぐにホームへ上がれるのは便利だ。

15分ほどして時刻通りに、赤い車体の列車が滑り込んできた。

 

4人の男子学生が、何やら笑いながら、大声で乗り込んでくる。

まだ自分がどこにいるのか、肌感覚がない。

ベルリン中央駅まで、約30分。遠いのか、近いのか。