だれ・・・
そこで泣いているのは。
真っ暗な路地裏のかたすみで
誰かが泣き叫んでいる
手を差しのべると払いのける
『 アナタは人間ね 』
振り向いたあなたは
美しいのに疲れきっていて
『 涙すら出なくなった 』と呟く
懐かしさを感じるその人は
わたしの愛する
いいえ
すべてが愛する
地球だった
何も・・・言えなかった
人間のわたしには
何も・・・言えなかった
いじめているのは
悲しませているのは
自分たち人間なのだから
気がつくと
泣き声は消え
気がつくと
すべて無くなっていた
物 も。
草花 も。
水 も。
かすかな光 さえも。