証拠を取ってからのことは、何も考えてなかった。

証拠を見たら、もうやり直しは難しいかもしれない。
だけと、ここで踏み出さなきゃ、この生活がずっと続く…。
やり直すにしても、まずは不倫を認めて、別れてもらわないことには、私の精神がもたない。
どちらに転んでもまずは証拠が必要だと思って、勇気を出した。

探偵とは駅前のカラオケボックスで会う。
人の良さそうなおじさん。

まず私は、今度夫が舞台を観に行く予定であることと、女の素性を突き止めたいと思ってることを伝えた。

探偵からは、舞台を一緒に行ったところを撮れたとしても、それは裁判では証拠にはならないから、まずはGPSをつけて行動パターンを掴んで最適な日を狙って張込みましょうと提案してくれた。

舞台も夫が行ってたし、帰ってこない朝帰りの日は、夫がラブホにいることをGPSが示してくれた。

チャリで飛ばせば15分の場所にあるホテル。
行って、思いっきりひっぱたきたい衝動を抑えた。

とにかくちゃんとした証拠を取らなきゃ。

GPSからは夫のパターンは読めなかった。
特定の行動パターンがなかったから。
だから張り込む日は、自分で決めるしかない。

自宅では平静を装い、夫に夕飯が要るかどうかラインで探りながら、この日だという日にお願いした。

結果は空振り。
レンタルショップに行き、駐車場でずっと車を停めてるだけだった。

こうして1回目の張り込みは失敗した。