うずくまった女が顔を上げた。
その瞬間、言葉を失った。


そこにいたのは…



事務員。

え?え?え?なに?

事態を飲み込めない私。


もう心臓バクバク。

なんで隠れてるの?

事務員
はな夫に隠れろって言われたから。

隠れろって言われたら隠れるの?
やましいことなかったら隠れなきゃいいじゃない!

事務員
ごめん。はなちゃんがノイローゼだから心配かけたくないって…。

私はノイローゼでもないし、隠された方が心配になるのわかんないの?


ここで夫が間に入る。

ビール券を渡したくて来てもらっただけだから。
仕事が終わるのが夜中だから、こんな時間になっただけだから。

○野さんと会うならちゃんと言えばいいのに!
なんでこんなコソコソ会うのよ…。


もう何が何だか、何がホントなのかもわからず、涙が出てきた。


とにかく2人で話したかった。夫と2人で。


外で2人で話そ。

そして2人で外に出た。


もうこんなのイヤだよ。
私はノイローゼでもないし、こんな風にコソコソされたら余計に悲しくなるよ。
前みたいに仲良くしたい。

泣きながら訴えた。

でも夫には全く響かなかった。


こんな風に疑われて仲良くできるわけないだろ。


そう冷たく言い放ったのだ。

お得意の話すり替え、自分が不利になると相手のせいにする。

私のことを心配して言わなかったなんてウソばっかり!


いい人ぶって親しげにしといてコソコソ裏で会ってる事務員も最低。

そして、私とやり直す気がないのに離婚もせず、かといって私とうまくやろうともせず逃げてばかりの夫も最低中の最低。

これじゃあヘビの生殺しだ…。