本命女の住所がわかったのは、車の中に置き忘れてた紙袋。

 その中に入っていたのは、本命女のエステサロンの契約書と、バカ夫が払ったカード明細だった。



私が離婚を切り出してから初めての週末。

バカ夫は仕事だと言って出かけた。
私はというと、本命女を一目見ようとエステサロンに出向いた。
その日に予約していることがわかったから。

エステサロンの前で待っていると、エレベーターから女が降りてきた。
しっかり顔を見ようとした私は動揺して固まってしまった。

女の後ろから降りてきたのは、バカ夫だった。

そして、家では見せない穏やかな表情に、私は凍りついた。
涙が止まらなかった。

私がどんな思いで離婚を決意したのか、今までどんな思いでいたのか…。

いろいろな思いが頭を駆け巡った。 
自分が惨めすぎて、声をかけることもできず、その場で立ち尽くすしかなかった。

2人は私のことに全く気づく様子もなく、恋人同士のように手を振って別れた。