さて、皆様そろそろ本気で飽きてきた頃だと思いますので、まだ季節外れですが『本怖』な裏話を…
私も何度か出た事がある劇場は、戦前からある劇場で戦後はＧＨＱ専用にもなりました
日本に返還された後、公演中に照明器具の故障から火災が発生し、逃げ遅れた役者が何人か亡くなっています
その後、子役の幽霊がエレベーターに出るとエレベーター内の鏡が取り外され、劇場内にあるお風呂には、女性の幽霊が出るから１人では入らない様に…と言われてました
エレベーターの子役さんにはどちらと 云うと…お世話になりました 
何故か私がエレベーターを呼ぶ前にドアが開く…とか階数ボタンを押す前に希望階数ボタンのランプが付く…etc etc
他にも、深夜の仕事中に脳梗塞で亡くなった大道具さんが、奈落で今も仕事していると言われていました
夜の部が終わり、遅くまで楽屋で話し込んだりしていた役者が奈落を通ると、誰も居ない真っ暗な所から『お疲れ様♡』と声を掛けられます
これは、多くの役者が体験してます
でも、1番怖かったのは…
ある公演の真っ最中に照明が落ちて来た事がありました…
その日、都内には台風が上陸していましたが、悪天候の中わざわざ足を運んで下さったお客様の為に、公演を中止にしませんでした
満員御礼の客席…幕間に看板役者が挨拶に出た程です
二幕目が始まり、話も佳境に入った頃
やたらと上から埃が落ちてくるので、その場に出演していた私も含め数人の役者が上を見ると、照明を吊ってるバトンの端を誰かが揺らしてる、手だけが見えたんです！
照明が落ちたのはその直後でした… ソコは人が上がれる場所ではないし、何より公演中に照明を触るなんて事ある筈がないんです！
怪我人は出なかったものの、セットの半分が壊れ公演は途中で中止に…
せっかくいらして下さったお客様には、チケット代を全額返金する事に…
事態が事態なので文句を言う方はなく、むしろ出演者の心配をして下さる方が多かったと聞きます
役者達は各々鬘を外して衣装部屋へ…
私も衣装部屋が空くのを待ってから衣装を脱ぐと、いつも御守り代わりに帯に挟んでいた、祖母の御数珠がバラバラッと散らばったんです！
祖母が守ってくれたのでしょうが、それを感謝する前に御数珠が切れる程の悪い霊が近くにいた事に私は勿論、衣装さん達や他の役者達が顔を青ざめさせ言葉を無くしました
この劇場は、老朽化を理由に既に取り壊され、新しく建て直されました
他にも、皇居の側に建つ劇場は…操作盤と云う装置を動かす機械の上に、落武者が生首を抱えて立っているのを何人も見ています
この落武者は裏方の方が、翌月の公演の仕込み中よく目撃してる様で、身体中に矢が刺ささり血だらけの姿で客席を歩いてるそうです
霊感の強いある裏方さんは、ガチャッ…ガチャッと云う鎧の音まで聞こえてしまう為に、精神安定剤を飲んでいると聞きました
最近の劇場は別として、歴史のある劇場には七不思議は付き物なんです
今日はここまで… もう少し…後少し、私の懐古録にお付き合い下さい
ご精読有難うございました m(_ _ )m